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新潮社
グループ:Book
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価格:¥ 740
発売日:1987-03
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スタンド・バイ・ミー コレクターズ・エディション [DVD]
レビュー(Amazon.co.jp)
4本の中編小説をまとめた「恐怖の四季」の文庫版。本書は秋、冬の2作品を収録。表題作の秋編のプロットをひと言で表現すれば「死体を探しにピクニック気分で2日間の旅に出た4人の少年たちの物語」となる。途中、「誰が見ても」危ない目や「当人にとっては」死にそうな目に遭いながらも旅を続けるうち、普段は見せない弱さや背負っているものを徐々にさらけ出していく。後に映画化されたが、原作の一卵性双生児のようなそのでき映えに、世界中が賛辞を贈った。
「人は何歳であろうと既にそれぞれの人生を背負っている」という当り前のことを、この原作と映画は教えてくれる。岩崎恭子の「今まで生きて?」発言がかつて話題になったのも、「子供への先入観」があったからだろう。
冬編「マンハッタンの奇譚クラブ」は、どことなくコナン・ドイルの「赤毛連盟」を彷彿とさせる怪しさとゴシックな雰囲気を持っている。作品の舞台はニューヨーク東35ストリート249Bの、とある会員制社交クラブ。ただし、その成り立ちは不明、会費も無料だという。
上司の誘いでそこに足を踏み込んだデイビッドはいくつかの疑問を抱きつつも、しだいにその居心地の良さにのめり込んでいく。珍本かつ傑作ぞろいの書庫、巨大な暖炉、樫の寄せ木張りの床、ビリヤード台、象牙と黒檀を刻んだチェス、トランプ、スコッチ、ブランデー、皮が肉汁で張りつめ湯気をあげるゆでたてのソーセージ、そして会員たちが語る風変わりな体験談。その極めつきはクリスマスの前日、ある老医師が語った、ひとりの若く美しい妊婦をめぐる、奇怪だがロマンチック、しかも心温まる物語だった。モダン・ホラーの騎手がホラーをメインディッシュではなく香辛料として、最小限の描写で最大の効果を上げた意欲作と言える。(中山来太郎)
カスタマーレビュー ![]()
4つの中編、名作と実験作と
(2008-10-30)
4つの中編でうち3つが映画化されている。3番目のThe Bodyはあまりにも有名な「スタンドバイミー」で映画とは異なる部分があるが、やはり愛すべき小説か。もっとも良い作品と思いました。1つ目のShawshank Redemptionは、してやったりの映画ほど痛快ではないが、余韻を残す良い作品と思いました。
2つ目のApt Pupilは、180ページで4作品の中では一番長く、何故こんな小説を書くのかと思ってしまうほどいやな作品でした。
4つ目のThe Breathing Methodは、本当に短編の恐怖小説かな。
いやな作品もあったけれど、読んでみる価値のある小説だと思いました。スタンドバイミーを借りてきてじっくり見たいという気持ちになりました。
キングの純文学
(2008-10-20)
20年近い昔、自分が中学生の時に出会った作品。
起点になるのは、新聞の片隅に載るようなありきたりな事故死。ラジオのニュースを聞いた4人の少年は、同世代の見知らぬ少年が行方不明になったことを知る。森の奥の線路際に横たわる死体を探しに、彼らは数日間の旅に出た…。この中編(他の作家なら立派に長編として通用するボリューム)は、1960年、メイン州の片田舎に訪れた一夏を、少年の視点で体感させてくれる。
舞台はキャッスルロックという架空の街だが、そこに描かれる風景には、作者の経験が色濃く投影されている。少年達の家庭に共通する経済的な貧しさや、家庭の歪みが彼らの日常に暗い影を落としている。だがそんな彼らが街を一歩出ると、郊外の自然が無関心に出迎える。
どこまでも続く一本の線路のまわりには無人の草地と森林。暑ければ裸で水浴びをしてヒルに食いつかれ、近道をするために目もくらむような陸橋を渡り、夜はたき火の前で胸につかえていた感情をはき出す。日常のあちこちにある不条理にとまどい、傷つき、反発する少年たちの心理的な葛藤が、旅の中で一つ一つ明らかにされていく。向こう見ずな勇気と、繊細な感受性が同居する彼らの心象風景は、読者を釘付けにする。子供の世界の敵意や友情は、形式化された大人のそれと違い、生の感情のぶつかり合いだ。しばしば劇的な形で内面をさらけ出す彼らの姿が、読者の深い感動を呼ぶだろう。仲間内での衝突と和解、また、年上の不良グループとの深刻な対立…昼夜を越えてついに死体を見つけ出した彼らが迎えた、苦い結末。
キングの筆には雨粒の冷たさまで実感させてくれるような凄みがある。楽しさ、哀しさ、悔しさ、可笑しさ…この小説には、豊かな感情が詰まっている。ジャンルの垣根を越えた、彼の代表作だと思う。
映画と映画のメーキングに感動して
(2008-09-08)
映画もすばらしかったですが、映画のメーキングも、4人のうちの一人が、若くしてなくなったことを知らせてくれています。
死体を見に行こうという話から、生きることの意味を考えさせてくれるかもしれない一冊です。
自分がそうだったので、映画を見てから読まれることをお勧めします。
出版経緯も極めて小説的
(2007-12-20)
どうしてこんなにうまく小説が書けるのだろうと不思議でしかたなく、何度も読み返すばかり。
収録作はここで改めて触れるまでもなく、世界中で愛される紛れもない傑作だが、巻末に収められた著者による本書の出版経緯の記述、すなわちステレオタイプな世間の見方に負けず、書きたいものを書き、そして数多くの人にその作品が愛されることになったといういきさつも極めて小説的。
映画だけじゃもったいないよ。
(2006-11-08)
映画を観たことがある人も、ない人も読んで後悔はない。
観たことがある人は映画との違いが楽しめるだろうし、観たことがない人は読み終えたあと、きっと映画を観たくなるだろう。
試写会で映画を観賞したあと、スティーブン・キングは「よく僕の原作をここまで素晴らしいかたちで映像化してくれた」と言って号泣したそうだ。
久しぶりに読み返してみて、その比喩の巧みさにひたすら感動した。わかる、わかると何度ひざを叩いたことか。今更ながら、彼の文章力を痛感した。山田氏の翻訳もきっと素晴らしいのだろう。もし僕がアメリカ人で、原語で読むことができたならば、その世界観を今以上に深く理解できるのかなと想像し、それって信じられないくらいにすごいことだなと思った。だってすべてを理解できない今でもかなり入り込めるし。
小学生の頃、たしかに自分の周りの世界は小さかったが、そのちっぽけな世界の中で、子供ながらにも心が複雑に揺れ動いていたことを思い出させてくれる。そんな小説です。

