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Simon & Schuster
グループ:Book
ランキング:48950
価格:¥ 2,657
発売日:2007-09-04
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ネズミの頭脳で投資に挑む−脳科学からのレッスン−
(2007-10-28)
著者はTime誌をはじめ多くの雑誌に寄稿する第一級の
金融ライターであり、本書では「行動ファイナンス」とさらに
一歩進んで「神経経済学」と呼ばれる近年進歩したファイ
ナンス理論について、一般の読者向けに解説している。
行動ファイナンスの成果の一つは、人間が合理的な判断に
則って投資の意志決定を行う優れた装置ではなく、多くの
偏りと誤りを常に生み出す不合理な存在であることを明示
的に示した点にある。研究者たちはさらに、そのように
不合理な判断を行う人間の脳そのものを研究の対象とする
ことにした。本書はこれらの分野における最近の研究成果に
ついて簡潔に、かつユーモアも交えて数多く紹介している。
例えば、ギャンブルに失敗したらツヴァイク自身やあるいは
実験動物であるネズミの脳のどの部位が興奮するのか、と
いった話である。これらのエピソードは、我々が高度に進歩
した人間が行うものと考えがちな資産運用や投資に関する
判断、あるいは貪欲、恐怖、後悔といった運用につきまとう
感情的な反応の多くが、ラットやときにはさらに下等な動物
にも存在する、極めて原始的な下位の脳によって支配されて
いることを示すものである。
本書の真価は脳科学の知見や行動ファイナンスの知識を単に
羅列しているというレベルにとどまらない部分にある。つまり、
そのような限界を持った装置=脳に支配された我々自身が、
どうすれば「ありがちな投資の失敗」から逃れる可能性が
高くなるか、実戦的なアドバイスを示している部分にこそ
あると思う。各章の章末及び巻末の付録に各種のアドバイスが
まとめられているので、忙しい人はこれらの部分だけ斜め読み
してもいいかもしれない。
英文原著ではあるが、本書は自らの考えを以て証券市場に
向き合う個人投資家には挑戦しがいのある好著として満点を
以て推薦したい。訳書が待望される。

