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集英社
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価格:¥ 2
発売日:1982-06
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人麻呂鎮魂の赤人論
(2008-08-01)
赤人は自然詩人か、この常識を否定するのが本書第一部の主旨。叙景の背後から聞こえる神々と霊魂のさわぎを聞き取ろうとする。赤人は自然詩人と言われるが、彼の自然を見る眼には選択が働いている。富士山、伊予温泉、神岳、春日野、真間、玉つ島、吉野、いわばそういう場所は、神々や霊魂の住む場所であった。彼がそこで見たものは、単なる自然ではなく、むしろその背後にある神々や霊魂であったと言う。鳥の歌が多いのも、死霊の世界を見ている霊の詩人であったことを意味すると言いきる。
もう一つ、人麻呂と赤人が同一人物であるという説である。人麻呂は文武帝あるいは聖武帝の后と通じて、明石あるいは東国へ流されていたが、後に『万葉集』選集のために許されて、赤人となったという奇怪な話である。著者はここに一抹の真実が隠されていることわ明らかにする。人麻呂=流人説はまず間違いないとする。
『さまよえる歌集』は、思想的には『水底の歌』の後編に当たる。柿本人麻呂が石見の国で水死したとしたら、『万葉集』全体の意味が変わってくる。本書は人麻呂怨霊の鎮魂者として赤人をとらえる斬新奇抜な万葉論である。
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