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中村 文彦

ソフトリサーチセンター

グループ:Book

ランキング:34831

価格:¥ 1,995

ポイント:19 pt

発売日:2008-02

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ソフトウェアプロジェクトの救済入門―危機的状況に陥ったプロジェクトを救う実践的アプローチ

カスタマーレビュー

確かな経験と、豊富な知識による良書  (2008-06-23)
本のタイトルは「ITプロジェクトを失敗させる方法」と少々過激ですが、実際の内容はサブタイトルである「失敗要因分析と成功への鍵」といえます。

ボリュームは150ページ弱と少なめですが、少ないボリュームの割には濃い内容であり、多くの「気づき」を得ることができます。
一方、文章は簡潔で、明確な切り口で体系化されており、テンポよく読み進めることができます。
また、著者の中小企業診断士・プロジェクトマネージャーとしての知識と、実務から得られた業務経験が見事に融合しており、決して「机上の空欄」的にはならず、読み手の経験や知識と重ね合わせることができる点はまさに称賛に値すると思います。

本書の構成としては、プロジェクトの各段階において、
(1)失敗事例
(2)失敗要因
(3)成功への鍵
(4)成功事例
を挙げることで、明快に説いています。

つまり、
(1)こんな感じでプロジェクトは失敗した(当事者の生々しい会話形式)
(2)何で失敗したの?
(3)本当はこうした方がよかった
(4)こうしていたらこんな成功事例になっていた
と、失敗事例から、ゴールである成功事例をイメージすることができる構成になっています。

本書は、ITプロジェクトに関わる者だけでなく、システムエンジニア、プログラマー、さらには他業種のプロジェクトマネージャーや経営者にもお勧めしたい書籍といえます。

久々に出会った良書でした。

プロジェクトの失敗を自身で体現してしまった書籍  (2008-05-10)
本の執筆活動も一つのプロジェクトと言えるが、本書の著者は、このプロジェクトには失敗しているのではないかと思う。

本書で目指すゴール(どのような読者を想定して、どのような主張をしたいのか?)やスコープがあまりに明快ではないのだから。

各章の構成は、プロジェクトの各段階での代表的な失敗要因の分析から入り、次いで、このような失敗に至らないための方策やPM(プロジェクトマネジメント)に関する技法について議論する形となっている。

但し、失敗要因の分析のボリュームは薄い。お芝居じみた「失敗(成功)事例」なるものに多くのページが割かれており、サブタイトルの「失敗要因分析」にひかれて本書を購入した読者は残念に思うことが多いのではないか。この程度であれば、実際にITプロジェクトに関わる会社であれば、先達の方々に経験談を聞いて回るだけで十分集まる知見だと思う。

また、各章の後半には、各段階で紹介された代表的な失敗パターンに陥らないための方策やノウハウが議論されているが、こちらに至っては、PMに関する類書の極めて大雑把な要約レベルの記述に過ぎない。サブタイトルの「成功への鍵」にひかれて本書を購入した読者は、やはり残念に思うだろう。

全般として、本書は類書に比べ導入書的なレベルにあり、勉強を重ねている方には不要と思われるが、一方で、TOC(制約理論)などをベースとしたプロジェクトマネジメント技法などについては、さらっと触れられているだけであり説明はない。PM初級者をターゲットにするなら、用語解説や参考文献を紹介するのは最低限の配慮ではないか?

個人的な感想としては本書は総じて中途半端で、価格分の価値は無く、残念な投資でした。
PM初級者にはトム・デマルコの一連の本などから入ることをおススメします。

日本における IT プロジェクトの現状を問う良書  (2008-03-30)
プロジェクトマネジャーこそが IT プロジェクト成否の最重要要因と考えている人が多いかもしれないが、
予算や人員の権限もなく、上長の干渉を受け、なーなーで進められる、日本の IT プロジェクトでは、
プロジェクトマネジャーより、経営幹部や顧客が最大の問題であることが多い。
経営幹部は、上長面して干渉はするが支援せず、顧客は、金を払っているからと無理難題を吹っかける。
「売上至上主義」、「職場の上下関係は絶対」、「お客様は神様」の日本ならでは、である。

著者は、本書「はじめに」で、『プロジェクトの成功要因の第1位は「幹部の支援」で、第2位は「ユーザの貢献度」、
第3位に「プロジェクトマネジャーの能力」となっています』という調査結果に言及している。
この辺の感覚は、自分の経験とも一致している。
翻訳本にはない、日本における IT プロジェクトの現状を踏まえた本といえる。

散文で書かれた多くの「事例」は、同じケースを関係者の行動様式によって、
失敗シーンと成功シーンの「2事例」として描いている。
すなわち、各章は、「失敗事例」->「どうすりゃいいの」->「成功事例」の構成になっている。

文章力はかなりのもので、非常に読みやすい。
とくに pp.54-56 のコラム『ITベンダのための「プロジェクトを失敗させる方法」』は、皮肉に富んで秀逸。
これがあまりに面白いので、書名に採用したのだと想像する。

プロマネ本と思われるかもしれないが、対象はプロマネに限らず、IT プロジェクトに関わる人すべてに役立つ。
失敗させる上司や顧客、営業、プロマネなどの言動が、見事に「言語化」されている。
問題人物の「あるある」本なのである。

特に、理不尽な IT プロジェクトに関わっているエンジニアは、直接的な効用がある。
この本の該当箇所にラインマーカー引いて付箋をはさんで、問題上司の机の上に置けば、溜飲が下がるかもしれない。
(ただし、こんな「対話」や「思いやり」を欠いたやり方では、プロジェクトの好転はないであろうが。)

落ち着いた解説とは対照的に、生々しい失敗事例が満載  (2008-02-15)
ITプロジェクトの工程に沿って、失敗要因を洗い出し、そ
れぞれの要因を分析して、適切な打ち手を提示する流れに
なります。

一瞬、教科書なのか、読み物なのか、判断がつかなかった
のですが、淡々と大人の雰囲気で話が進むので教訓書とい
った感じでしょうか。

落ち着いた解説とは対照的に、生々しい業務系アプリケー
ション開発プロジェクトの失敗事例が満載です。会話形式
の事例を読むと、胸が苦しくなるかもしれません。それっ
て私だけ(^^;)

たとえば、何気なく100ページ目を開いたら、図4-2「実行
段階における失敗要因」が目に飛び込んできました。

○実行段階における失敗要因
┗・・・
┗電子メールの弊害
┗・・・
┗・・・

・電子的コミュニケーションでは「感情」や「思い」と
 いった情報を文字情報のみで伝えることは極めて困難で、
 相手のことを理解したり、思いやったりする気持ちが
 希薄になりやすい。

この失敗要因を見せられると、ちょっと痛いです。

タイトルは「ITプロジェクトを失敗させる方法」という意
地悪な響きなので、この著者は絶対に性格悪いぞーーと思
っていました。ですが、一般には書籍のタイトルは著者で
はなく編集者が決めるそうです。著者様、あらぬ疑惑をか
けてしまい、申し訳ありませんでした。

副題は「失敗要因分析と成功への鍵」とあるので、何とな
く中身の想像はつきます。総ページ数148頁、この手の本に
しては薄い方だと思います。

体系化されたプロジェクトマネジメント知識体系よりも、
ヒューマンスキルや暗黙知に興味ある人にお勧めです。

頭から順に読み進めるのもいいですが、掲載された事例は
全て独立しているので、気に入ったページを虫食い的に読
んでもいいでしょう。

ちょっと甘めですが、筆者の卓越した知見と真摯な態度が
ひしひしと伝わってくるので星5つとしました。

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