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矢野 健太郎
石原 繁

裳華房

グループ:Book

ランキング:20913

価格:¥ 2,205

ポイント:22 pt

発売日:1991-12

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カスタマーレビュー

良質な教科書  (2008-10-28)
 本書は学部1年レベルの微分積分を扱っている。346ページと分厚いわりに2205円と良心的な価格設定だ。記述はあくまで平易で議論の運びや例や例題あるいは演習問題の配置など教育的配慮に富み、自然に読者を理解へと導くようにできている。一般的な学部一年の微積の内容以外に高校の微積の復習や微分方程式の導入を含み、またいくつか近似計算に触れているところに特徴が見られる。多変数関数の微積分にやや足りないところはあるものの、それさえ補えば数学科以外の微積分ユーザーには十分な内容だろう。

 次にいくつか難点を挙げる。まず第一に上でも触れたが多変数関数の扱いが物足りない。高校内容が入っているとはいえ一変数に218ページを使っているのに対し、多変数にはわずか53ページと類書に比べても少ない。このためベクトル解析までとは言わないまでも物理で最小限使うだけのナブラやラプラシアンあるいはヤコビアンもなく、積分の変数変換についても限定的な記述しかない。この点は他書で補う必要がある。

 次に用語をあまり出していない。高校の教科書風の記述を保つためか、例えば陰関数定理やラグランジュの未定乗数法について簡単な扱いがあるにもかかわらずその用語が出ていない。用語が出ていればそれがインデックスとなって他書を見たり別の講義などでその用語が出た際に参照できるのにこれがない。またいわゆるブルバキ風の記述を避けるためか、各ステートメントに定義・定理・公式などの表題が明示的に書かれておらずあいまいな点も―これは好みの問題もあるかもしれないが―やや難がある。

 また微分方程式はやや蛇足である。微積分の成果としてこの内容を入れたい気持ちはわかるが、少ないページ数に多くの内容を詰め込んだためか扱い方に魅力がない。最近ではよい教科書が多くあるのだから、この部分は思い切って削って多変数の内容を増やして欲しい。

 以上のようにいくつか欠点はあるものの、内容自体は著者らの練達な教育経験をうかがわせるものであり、この本の読者には努力しただけの成果を与えてくれる。それも他書にありがちの途中の断崖絶壁などはなく、誰もが取り組めるハイキングコースといった趣きだ。説明はあくまで直感的にわかりやすく、例や例題が理解を助ける。さらに手頃な問題からやや骨のある問題まで豊富に取り揃えられ、演習書を用意せずとも十分に熟達できる。類書をいろいろ探してみたが、文系学生や初歩から学びなおしたい理系学生あるいは意欲のある高校生にとって本書よりよい本はなかなか見つからないと思われる。

初歩の初歩  (2008-10-15)
本書は大学の微積分に於ける最も易しい演習書です。

見るかぎり難解な証明は無く、基礎的な計算演習をコンセプトにしているみたいです。

そのために大変やりやすいです。

しかし、正直申しまして厳密性にこだわっていないためにこの本に偏った微積分の演習は大変危険であると思います。

つまり、これが微積分の全てであると勘違いされる可能性があります。

あまりに綺麗に調っており、考える事は少なく、すんなり通り過ぎるようになっています。

これが出来たからといっても微積分が得意になったと勘違いをおこされないように気をつけてください。

得意になるのは微積分の「単純」な「計算処理」だけです。

しかし、その計算処理は実に重要です。

この分野に関しましては本書は実によく出来ております。

類書に比べてもその出来はよいと断言できます。

高校生にも無理なく読めますし、物理数学の微積分の導入にも使えます。

微積分の計算に卓越したい方は本書での演習に於ける効果はかなりのものが見込まれると個人的には感じました。

計算中心  (2008-07-12)
高校の教科書調で書かれていて、大学数学で挫折した人でも確実に読みこなせると思います。基礎的な例題や演習題が豊富で計算はこれ1冊で完璧です。

イプシロン―デルタ論法、一様収束などは載っていません。数学的な論証をきっちりやりたい人は別な本で勉強したほうがいいでしょう。

明快な数学書  (2007-03-18)
矢野健太郎先生の本にはずいぶん世話になった。矢野先生は膨大な量の著書を残しているが、どれをとっても正確な記述で、わかりやすく、ミスプリントが殆どない。研究者として一流であった人が、これだけの教育的な著作を残したことは凄いことである。
線形代数、微積分、ベクトル解析のように、あまり時代によって変化しない分野は、新しく出版された本を読むよりも、矢野先生の本を読む方が良いだろう。時々新しい本に期待して、生徒に読ませてみると、ミスが多かったり、説明が不十分だったりすることが結構多いからである。

神書としか言い様が無い  (2007-01-14)
微分・積分の定理や、公式等の原理が丁寧かつ詳しく書かれている本。
初歩中の初歩から、微分方程式等の応用まで幅広くカバー。
私の高専の微積分の教科書となっていた本です。

私が、学業を疎かにして遊びまくっていた時代を取り戻してくれたのがこの本です。
当時は微分の意味や極限の意味どころか言葉すら覚えていませんでしたが、反省し、この本に取り組んだところ、知識が少なかった私でも理解できて、かなり微積分について自信がつきました。

微積分に自信がない、微積分が苦手だ、微積分について理解ができない、
そういった方には是非お勧めしたい一冊です。私の人生の中で一番感動した本だと言っても過言ではありません。

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