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新紀元社
グループ:Book
ランキング:36561
価格:¥ 1,890
ポイント:18 pt
発売日:2005-10
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カスタマーレビュー ![]()
隆慶一郎を否定してみる一冊、という印象。
(2007-01-21)
前田慶次は、その存在を今に伝える史料が少なく謎の多い人物で、その生涯については諸説あるワケです。
本書の内容はタイトルに書いた通り、慶次を一気に有名にした漫画「花の慶次」の原作、「一夢庵風流記」の作者故・隆慶一郎氏が、作品の慶次像を構築するにあたり、採用しなかった方の説を肯定してみる、というような印象でした。
今現在、存在が知れてる史料をフル活用している感はあり、慶次という人物をより近くに感じる事はできるかと思います。
考察については…解釈違いの部分も気になりますが、個人的には、史料を現実と照らし合わせた時の食い違う部分について、「写し間違いの可能性が…」「口述筆記の史料なので、文章にする際聞き漏らした可能性が…」などと言及をしてる所を見て、少々冷めました。
そんな事言い出したら、今現存する慶次の史料など、殆どそうじゃないか…と。慶次について考察する事自体、さして意味が無い事になってしまいませんか?と。
長々書きましたが、「花の慶次」から慶次ファンになった自分にとっては、前述のとおり、漫画〜原作では詳しく触れられていない記録や逸話の方をむしろ重視して書かれているので、新鮮な気持ちで楽しむ事は出来ました。
自分と同じ形で前田慶次に「入門」した方には、結構オススメかも、です。
予想どおりでした
(2005-12-20)
もういい加減慶次の題材のものは出尽くしたと思っていた中での新刊。
現在伝わる逸話や隆慶一郎氏の小説の一説を引用し、筆者の疑問から
見解、と言う作家としては「楽な仕事」をしたのではと言う感じが
否めない。確かに膨大な資料や現地に赴き研究した感は伺え、大変な作業と感じられるが、単に資料の羅列と一般に伝わる人物像の逆説を唱えたに過ぎない。(資料の少ない人物なので、考えられる仮設は文中以外も無数ある)
また本文中の「猿皮の頭巾」を単に老齢の負担の軽減と捉えているのは、筆者は当時の風俗文化などに疎いのではないかと言う疑問が残る。
兜の表面に熊の毛皮を貼り付け、矢玉飛び交う戦場で兜をつけずにいる
勇猛をアピールする「総髪兜」なるものが比較的多く存在する。
当時、坊主頭だった慶次の猿皮頭巾もこのような戦場での表現と考える
方が自然と少し歴史をかじった者なら用意に想像がつく。
特に新発田を「にいほった」と読んだくだりには失笑とともに一気に
読む気が失せた。(ご存知と思うが正しくはシバタと読みます)
後書きに「慶次のイメージを払拭する気は無い」とある、しかし既に
書き尽くされた感のある題材のためこのようなイメージに仕上がるのは
仕方が無いことと思う。
資料、論文としては良い出来であるが、本や読み物としてはまったく面白みの無い(何ものこらない)仕上がりのものである。
現時点ではこれ以上望めない素晴らしい一冊
(2005-10-16)
隆慶一郎の原作、そして原哲夫の漫画により、1990年代以降に圧倒的人気を誇る幻の武士、前田慶次郎。あまりに公式文献が少なく謎に満ちた生涯、しかし非公式に伝承される逸話の痛快さと断片的に残る正史内の活躍の剛毅さ、それらが渾然一体となり、際限のない魅力の深遠が広がるような不思議な存在だ。
慶次の魅力に取り付かれたファンであれば、その興味は必然的に、彼の実像そのものに帰結していくのは当然である。(何故なら彼は架空の人物ではなく実在したのだから)本書は、可能な限りそのファンの思いに、出来るだけ体系的にかつ平易に応えようとしている。ある意味、小難しく難解な研究書ではなく、時代小説ファン・漫画ファンにこそ読んでほしい一冊である。
正史の丹念な記述、逸話の集成、慶次の名著「前田慶次道中日記」の翻刷、などなど、現在可能な限りのリサーチと著者の分析結果を交えつつ、多面的に前田慶次郎の実像を描き出そうとしている。私見だが、これだけの読みやすさを保ちつつ、内容的にシッカリ掘り下げている点は素晴らしく、現時点ではこれ以上の慶次郎本は望めないのではないか、と思う。
漫画のイメージよりも活躍期の年齢がかなり高かった事など、驚きを隠せない事実もあるが、それらを踏まえて尚魅力ある前田慶次郎。個人的には息子の名前を彼にちなんでつけたほどの思い入れもあるので、息子が大きくなったら、改めて見せてやりたいと思う。

