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高橋 和之

有斐閣

グループ:Book

ランキング:81018

価格:¥ 3,045

ポイント:30 pt

発売日:2005-10

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カスタマーレビュー

バランスの取れた教科書  (2008-08-28)
本書について著者の高橋教授は次のように述べている。「本書は、日本国憲法についての標準的な教科書である。本書が想定しているのは、大学で憲法を初めて学ぶ人たちである。…本書が扱うのは、大学レベルで学ぶ憲法であるから、その内容は相当高度なものになっている。しかも、丁寧な説明を心がけたつもりであるが、紙数の都合で簡略な記述にせざるをえなかったところも多々あり、最初は難解と感じられる読者も多いのではないかと懼れている。しかし、どんか学習でもそうであるが、教科書を一度読んですべてを習得しようなどと期待するのは、無理な話である。だから、少なくとも3回は読むつもりで学習を始めて欲しい。」
著者の言葉通り、本書は憲法についての標準的な教科書である。本文だけで370頁強と分量的に手頃である。憲法学上の各論点についてバランスよく、論及されている。その上、法人の人権享有主体性、人権の私人間効力といった重要論点について、近年の学説の動向をふまえつつ著者独自の説得力のある学説が提示される。重要判例の分析も鋭い。
長く憲法の教科書の定番であった故・芦部教授の教科書に今後大幅な改訂が望めなくなった現在、その後継教科書として有力な存在といえる。

初学者向けではない  (2008-07-03)
 本書は,芦部信義教授の基本書『憲法』の補訂者としても有名な高橋和之教授の手による,憲法学の基本書である。芦部憲法とは異なり,高橋教授自身の考え方に基づいた今のところ唯一の体系書であり,その学問的価値は高い。
 本書の「学習の手引き」(373頁)によれば,本書の対象読者は「憲法を初めて学ぶ人たち」らしい。しかし,率直に言って本書を初学者用と評することはできないと思われる。高橋教授の独自色の強い説が,比較的多いからである。例えば,裁判所による違憲審査において「通常審査」を原則とする点,司法権の概念から事件性の要件を排除している点など。通説ももちろん紹介されているが,初学者が本書のみを読んで高橋説のすべてを体得できるかは疑問である。芦部憲法などを一読してから,その発展・応用として本書を読むべきだろう。
 逆に憲法学を一通り学んだ中・上級者にはかなりオススメできる本である。高橋教授の明晰な学説が提示されている点,少ない分量で書かれている点,平易な言葉で書かれている点など,勉強すべき部分は多い。とりわけ「表現の自由のアルゴリズム」(191頁)などは表現の自由が問題となる事例を分析する有用な視点を与えてくれる。表現の自由を理解しているつもりになっている人も,この部分だけ読んでみると良いかもしれない。新しい表現の自由の分析視点が得られるかもしれない。

本としてのコンセプトが中途半端では。  (2007-11-02)
入門書を意図して執筆されたようですが、かなり高度な議論が前面に出ており、
文章もかなり凝縮されて込み入っているので、初学者がすんなり頭に入るような本では
ないです。
かといって体系書としては、芦部憲法と同様、分量が思い切り抑制されているため、
説明不足・情報量不足であり、やはり物足りないように思います。
芦部憲法が高橋先生の手によって改訂された今となっては、読みやすく見解が無難な
芦部憲法が教科書としてはいまだ不動であり、本書は一参考文献にとどまるように思います。
同時期発売の山口厚『刑法』と比べる向きがありますが、あちらは通説的内容と
豊富な情報量を売りにしており、本書より格段にコンセプトの割りきりがいい本だと
思います。
思い切った増補改訂を期待します。

芦部憲法の後継  (2006-11-11)
芦部教授の「憲法」を引き継ぐ良書
薄い本であるが、高度な内容も含んでいる
初学者でも読めるが、一度憲法を勉強した後読むと新鮮な発見がある
ただし、以下の点には留意すべき
法人に人権享有主体性がないような記述になっている
A私人間効力否定説を厚く論証してある
B検閲の定義についてどの説を採用したいのか不明
C統治の記述が弱い

試験対策的には
法人については性質説で論証できるようになれば十分
A高橋教授の自説であり、間接適用説でよい
B師匠の芦部説では広義説だったが、それぞれの説の難点を指摘してある
C芦部憲法の伝統か??

以上の点に留意すれば、憲法の理解が深まると思う

前提が・・・  (2006-11-08)
とても評価が高そうなので、購入してみました。結論からいうとあまり評価できません。例えば、憲法の人権では、かの憲法の父ジョン・ロックが政府樹立の唯一の目的と断言した公共の福祉をどう理解するか、特に旧通説の一元的内在制約説の限界にどう対処するかが、ひとつの重要なポイントになると思いますが、高橋先生の理解では、判例・学説の現状をそのまま是認してそれを分類したというだけで、背景となる理念が明瞭でないように思われます。特に、宮沢先生がわざわざ「必要最小限」との用語にて、社会権と分離してまで守ろうとした自由権への制限の限界について、さしたる説得的な論証もされずに「必要な限度」との宮沢、芦部説における社会権並みの保護に引き降ろしておきながら、精神的自由権と経済自由権での人権の限度の区別は利益衡量の結果、自然にそうなるのだろうなどと結論付けられる論旨運びは感心できません。さらにいえば、一元的外在制約説の説明については、ひょっとしたら誤っているのではないかと思わせられるくらい、他の基本書と異なる説明をされています。私は、他に、芦部、佐藤、伊藤、浦部、松井、長谷部、内野の諸家による基本書を保有しており、公共の福祉の説明の部分をすべて比較しましたが、先生の学説の優劣如何にかかわらず、この基本書に最も低い評価をつけます。というのは他説の説明さえきちんとしていないと感じるからです。知名度がある先生なだけに、大変残念です。

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