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PHP研究所
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発売日:2007-03
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努力と議論
(2008-07-08)
フェラーリ、工業デザイン、イタリアの文化などに興味がある方にお勧めです。
以下、自分にとって、良いと思ったことの抜粋。
・一つのアイディアから、少しずつ変更して多くのバリエーションを出す。
・失敗したら、簡単に修正はできない素材でのデザインの緊張感から、仲間と慎重に作業を進める。
・フェラーリの創業者の思考で、市場調査して難題売れるか分かったら、それよりも1台少ない台数を生産する。
→フェラーリの強烈なブランドによって可能。
・組織運営に失敗した著者が得た教訓のチームよりも大事だが、個人がしっかりしないと駄目。
・日本の製品は、昔まではマニュアルが無くても使用できたことが特徴。しかし、昨日が複雑になりすぎて、携帯のように分厚いマニュアルになっている。
→シンプルではなく、切捨ての文化が廃れれている。
・言葉は、アイディアをだすための道具
・自分に自信を持ち続けるために、部下よりも多くのデッサンをして、技術力を落とさないようにしていた。
・現在、提唱されている道州制を、イタリアが実現している点。トリノ、ミラノなど。
・議論して熱くなるが、議論の時と普段の生活を切り分けて、仲間と接する。
最高の価値とは何か?
(2007-12-06)
フェラーリのデザインをやってきた著者の考えたこと、これから思うことをまとめた本。
デザインの原理原則は「美しいものは正しい。俺たちは正しいことをしているんだ」との
ピニンファリーナ会長の力強い考えがあったのでデザインを続けてきたと書いてある。
デザインスタジオとは山のような企画書が最初に一本化する場所。そしてチーフデザイナーが
膨大な情報を交通整理するとの考え方は、現在の経営につながるところを感じる.
この本は、アートの世界、マニュファクチュアリングの世界、そして
マネージメントの世界の3つの世界のことが当然のように存在して書かれて
いる点におもしろさを感じた.
日本産業のこれからの方向性を考える題材に良書。
(2007-09-21)
米・独・伊という異なる言語と環境で仕事をしてきた奥山氏が見つめ続けた日本。氏の日本人観、職人観は傾聴に値する。また、イタリア人の一見陽気に見える行動の背後には、どうしようもない「あきらめ」が隠れていると指摘する箇所は、ナルホドと唸らせてくれる。ここには、殆どの日本人はまだ気付いていない。
米・独・伊で仕事をしてきた奥山氏は、自らの日本人としてのアイデンティティーを模索し、「日本人とは、日本の文化とは」を自問してきたのだと思う。
なかなか勉強になる一冊である。
ただの自信家ではない
(2007-08-23)
NHKの番組で見たときは、非常な自信家という印象を受けましたが、実は「肉食動物の中の草食動物」であるという自覚や、イタリアで仕事をするときは、朝からロックを聴いてテンションを上げてから臨むといった人知れぬ(?)努力を続けてこその成功であることがよくわかります。「アメリカ人には、このデザインがなぜ美しいかということから説明しなければ理解されないが、イタリア人は見ただけで美しいか汚いかがわかる」など、実体験に基づいた欧米諸国の文化の批評も光ります。山形カロッツェリア研究会を立ち上げた思想やそれを成功に導くための色々な戦略は、グローバル化と対極にあるビジネス戦略ですが、今の日本に必要とされていることではないでしょうか。「本当の先進国は、田舎が美しい」という言葉に、山形に戻って仕事を始めた誇りが感じられました。
「お金を出しても買えないものを売る」のがイタリアのブランド
(2007-07-23)
本書は、高級車フェラーリの中でも、創業55周年の大切な節目となる記念モデル「エンツォ・フェラーリ」を設計した工業デザイナーの奥山清行氏の初めての著作です。
一度も日本のサラリーマンとして働いたことがない著者が、独立を機に、ちょっとだけ立ち止まって、イタリアと日本の仕事のしかたの違い、自動車業界の未来予測、日本のものづくりのあるべき姿などについて語っています。
「人よりモノ」とか「チームより個人」のような、一般的によく聞く話と逆のことを主張していて、とても興味深く読める内容です。
奥山氏によると、イタリア人は、大量生産が苦手で少量生産が得意です。昔から、職人が細部に至るまで神経を行き届かせながら、丁寧な物作りをする伝統があり、その姿勢が、多くの高級ブランドを生んでいます。
たとえば、フェラーリには、需要よりも1台少なく生産するという創業者の哲学があり、奥山氏がデザインを担当した「エンツォ・フェラーリ」記念モデルの場合は、生産予定台数の10倍の予約申し込みがありました。
フェラーリは、予約してくれたお客さんの中から、過去に2台以上買ってくれた実績があるか、地元の名士であるかなどを考慮して、ブランドにふさわしい人に販売を決定します。
購入できた人は、「自分は選ばれた人間だ」という満足感を手にし、購入できなかった人は、記念モデルではない通常モデル(それでも、とんでもなく高額の高級車ですが)で我慢し、次のチャンスを待ちます。
こうして「お金を出しても買えないものを売る」ということがイタリアのブランドとし定着します。
大量生産はアメリカにやらせておけばいい。きっと心の底で大量生産の文化を軽蔑しているにちがいないのです。
目の前の利益を追求する本ではありません。
自分の仕事のしかたに当てはめて読んでみてはいかがでしょうか。

