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日本経済新聞出版社
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駐留米軍の過去、現在、そして未来を読み説く一冊
(2008-07-26)
外国にある米軍基地を「砂上の楼閣」と論破した著者による「米軍基地」と
「政治(国・地方共に)」の関係を考察した一冊。
何ゆえに著者は砂上の楼閣とそれを呼ぶのか?
大雑把にまとめると次の通りです。
・人口が多い国で且つ、地域の人口密度の高い方が米軍基地に対する反発大。
・地方分権が進んだ所ほど反発大
(地方分権とポピュリズム重要!→基地の政治学(基地と当該地域住民の
関係)を不安定にする要因に。これの極端な例がイラク、と)
・基地設置国が旧宗主国(植民地に設置)の基地は殆ど無くなった。
(例外はグアンタナモ/キューバ)
・植民地化を狙ってない第三勢力が全体主義や違法政権を追い出した地に
基地を設置した場合は長く残る(安定する)。第二次大戦後の日独伊に
ある米軍基地が好例。
・受入国の政権交代は、基地設置国の交代に繋がる。
過去50年で、政権交代が起きた場合、設置国(米軍に限らない)が撤収した
事例は80%。
・アメリカは基地を思う存分使用できる国の独裁者を支援する傾向があり
そうした国で独裁者が誕生するのを黙認することが多い。独裁政権誕生後も
米軍基地を受け入れている国の場合はそれを支持(中東やウズベク、キルギス
タン、フランコ時代のスペイン、マルコス時代のフィリピン、李承晩の韓国等)。
駐留米軍基地がアメリカの恐怖に対する最前線、若しくはそれに準じるところ
に位置する拠点にも関わらず、その基盤は実情以上に不安定なことを明らかに
します(安定化していた数少ない拠点である日独さえも最近は芳しくない、と
評価している)。
では、砂上の楼閣を、真に耐えゆる要塞にする為の施策とは何か?
・駐留基地の再編−身の丈に合った規模にする。
(国力のある内に撤退を行った大英帝国を好例としている)
・リスク分散。
(一番良いのは人がいなくて、目標に到達できる場所。ディエゴ・ガルシアのように)
・民主主義が浸透している国に基地を設置。
(旧独裁政権を支持していた国からの撤退を余儀なくされたことから)
・植民地化(そう受け取られる様な施策)をしない。
(悪政からの解放という大義名分があったから、日独では駐留が継続出来た、と)
ここまでの結論を導くために、著者はあらゆる方向(純軍事的な要素、国際
関係、費用分益の問題(駐留国の雇用や景気に良くも悪くもリンクしている)等
の点)から駐留米軍基地の現状と未来(先の話にはアメリカの戦略も)に迫り
ます。扱うテーマは重厚ですが、その分、いろいろ考えさせられる、そして
読みごたえある一冊です。

