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日本経済新聞出版社
グループ:Book
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価格:¥ 1,890
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発売日:2008-02
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その時々、人それぞれで便益が違うから、世の中は難しくもあり、面白くもある
(2008-09-14)
数式やグラフではなく、「“物語形式”で経済学を理解」ってのが、本書のコンセプトだ。物語形式ってのは、つまりここではケーススタディーだよね。「冷蔵室をあけると照明がつくのに、冷凍室をあけても照明がつかないのはなぜ?」に始まり、「特殊効果のせいで、世界でもっとも才能ある振付師は市場から追いやられてしまうのだろうか?」まで136の「?」を経済学的に読み解くって趣向。ひとつひとつの判断はケース・バイ・ケースに見えて、実はシンプルな経済原則に導かれるってところがキモ。そのひとつは「ある行動によって生じる便益が費用を上回る場合のみ、その行動をすべきである」っていう費用便益の法則。まあ個々の利害は必ずしも一致しないから、個々の集まった市場って奴は複雑な動きを見せるわけだけどね。
機会費用の概念なんてのは、意識はしなくても常日頃、始終頭を巡らせてるよな。便益って目先の金の話だけじゃないし、その時その時で自分にとっての便益も変わるから、安いだけが取り柄の店で飲む時もあれば、ちょっと高くても気分よく飲める店を選択することもあるし、上司の誘いに乗ることもあれば、あえて飲まずにまっすぐ家に帰って家族の受けをよくしとくって手もある。その時、どう過ごすのが自分にとって最適かって選択肢を色々思い巡らせるのって楽しいよね。どのツマミをセレクトするか?なんてのも経済学であって。その時々、人それぞれで便益が違うから、世の中は難しくもあり、面白くもあるんだよね、きっと。
俺は呑ん兵衛だから、「多くのバーで、ピーナッツは無料なのに水が有料なのはなぜ?」とか「ホテルのミニバーの価格が法外に高いのはなぜ?」とかのお題に反応したんだけど、本文を読む前に、お題に対して自分なりの解答を考えるって読み方が、頭の体操になるんじゃないでしょうか。
読み物として楽しめた
(2008-08-09)
日常のくだらない疑問について、もっともらしく経済学の観点から説明しているのがおもしろかった。疑問の中には本当に?と思うものをあったが、(例えばタクシーが雨の日は仕事を早く切り上げる理由が、すぐに目標金額に達成するから等)なるほどと納得するものもあり(例えばなぜ車内で携帯電話を使用するのは禁止なのにチーズバーガーを食べたりコーヒーを飲んだりするのはよいのか、弁護士の方が大学教授より服や車にお金をかけるのはなぜか等)、読み物として楽しめた。
アメリカの経済学徒の常識のレベルとは
(2008-05-31)
昨今の新書の表題のような楽しいQが目次にならんだ楽しそうな経済学入門書。
原題は「The Economic Naturalist」。筆者による入門経済学講座の名称で、本書はそこで学生に課したレポートの珍問名答集だ。「エコノミックナチュラリスト」というのは意味不明だが、進化生物学や比較行動学などの研究成果をとりいれた行動経済学や市場原理経済批判論を重視する考え方のことのようだ。事実、コラムには、ゾウアザラシのハーレムやヘラジカの角などの有名なテーマが紹介され、「個体にはよいが全体には害になる」事例を説いている。すれ違いもできない一方通行の一本橋の交互通行ルールのQAは見事なものだ。
とはいえ、中味は所詮、学生レポート集だ。なかには首を傾げるものが少なくないし、明らかに事実を見落としている推論もある。そう思って読むことにすれば、なかなか楽しい。へぇーそうだったのかとか、こういうこじつけもあるかと破顔一笑、それでいい。学生の発案ならではのアメリカだけのローカルネタなど、結構、トリヴィア満載で楽しい。アメリカのスタバーには「S」サイズがないことを知っている日本人はかなり通だが、ここではさらにどんでん返しがある。
筆者はコーネル大学の教授。コーネル大がある「ニューヨーク州北部に位置する人口約3万人の町」イサカにまつわるネタが多いのもご愛敬。「コーネル大が自殺で有名なのはなぜ?」は本書最大の楽屋オチだ。
グローバリズムの中心、アメリカの経済学者やエコノミストといったインテリも結局は自分たちだけの楽屋オチで喜んでいる田舎ものの集まりであることには注意したほうがよい。蛇足かもしれないが、日本の調査捕鯨に関して大きな誤認が本書には堂々と記述されている。これがアメリカのインテリの常識なのだろう。そのことを、日本人としてどう受け止め、どう行動するべきだろうか。
日本でこういう講義をする経済学の先生はいるのか?
(2008-05-16)
'Economic Naturalist’を自称するコーネル大学のR.H.フランクが学生に課したレポートをまとめたもの。日常生活で何故だろうという疑問を、経済学の観点から考えさせている。一言でいえば市場は需給関係できまるが因子が複数絡むことが多いので因果関係がわかりにくくなることが現実には起こるということか。
内容云々より、こういう課題立案から回答をまとめるまで学生にきちんと課す講義というのは面白いだろうなと思う。文中には行動経済学という文言が頻繁に登場する。
経済学の軒先を借りたとんち問答。あるいは頭の体操
(2008-05-07)
東京→大阪の飛行機往復で読み終わり。
経済学では「費用便益の原則」という考え方が基礎になっているらしい。
ある行動に寄って生じる便益が費用を上回る場合に、その行動をすべきだ。というもの。
この原則に沿って、130問ほどの身の回りの疑問に精一杯答えてみよう、というのが本書。
類書で「スタバではグランデを買え!」があるが、
そちらでは取引コストを、面倒を嫌う手間や人の行動まで含めていた為に、議論にも多少気が利いていた。
そこに来るとこの本は、どーも怪しいものが多い気がする。
中にはなるほど感心するものある。
例えば、ファストフード店で「レシートを渡し忘れた場合は飲食代無料」にするのは何故? で、
店員がレジを打たずに代金をポケットに入れてしまうのを防ぐため。その監視費用をかけずに、客側に転嫁しているとか。
が、マジメに答えようとしてスベっているものがあれこれと・・。
牛乳パックの形状やら、男性服と女性服で右前左前がなぜちがうか、女性がなぜハイヒールの苦痛に耐えるのか?
知的遊戯だと思えば読めるのかもしれないが、マジメにこれで学習しようと言うのはちょっと。。
あくまでも「費用便益の原則」というゲームの規則に基づいて、とんち話を競っているレポート集。
あるいは問いの新鮮さに立ち止まってちょっと自分も頭をひねって楽しんでみるのが良い読み方なのかもしれない。

