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水野 和夫

日本経済新聞出版社

グループ:Book

ランキング:6272

価格:¥ 2,310

ポイント:23 pt

発売日:2007-03

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カスタマーレビュー

壮大な視野で  (2008-06-25)
2007年上半期「ベスト経済書1位」(週刊東洋経済)である。
大変評価の高い本ではあるが
「ベストセラー」だと思って読むとちょっと堅苦しい。。。
理論や数字が多いし
小見出しと内容が少しずれているし
本のタイトルと内容も少しずれている気がする
引用も多いが
文脈にピッタリはまる感じがしないところもある。

このタイトルなら
普通はこう見られているが
私はこう見る
何故ならこういう理由による
という展開になりそうだが
必ずしもそういう展開になっていない。

やや読みにくい本である。
というか
本としてはそれほどこなれていない気がする

でも、内容は
国民国家の資本主義的発展とその限界点を
中世のイタリアと現代の日本を比較して論じたりしていて
とても魅力的である

でも、ブローデルとウォーラースティンに偏りすぎかなぁ。。。
というか
ブローデルとウォーラースティンの歴史観に
スーザン・ストレンジの現代社会論を継ぎ足した上に
ドル/円の『通貨燃ゆ』を載せて
現状を理論的数値で表現した
という感じか。。。

ごみ処理の問題のほうが大切  (2008-04-15)
アメリカって戦争をしたら不況になるそうです。
改革って不良債権をなくすことだったのに日本から日本企業を逃避させやすくしただけ。
グローバルっていうけれど日本ってどうも引きこもりの方向に向かってる。
どうもアメリカ=中国で日本は冬眠。
これからの日本はどちらかというと国内のインフラ(特にごみの問題)維持に必死になるのではないかと思います。
そしてあらゆる手続をもっと簡素化するべき。
お金は苦しみの代償。
3歩進んで2歩下がる。
グローバル化とはなにかよくわかる本です。お勧めです。

幻惑的な雰囲気が魅力  (2008-03-29)
ビジネス書として大変売れたとのことですが理由もわかります。経済書に限定されないさまざまな出典からの引用を駆使してグローバル経済下の我が国の行方を描きだしています。個々の論理的整合性や観察の当否を論ずる素養はありませんが描きだす世界は幻惑的で惹かれます。

壮大な文献を誇る(?)ビジネス書  (2008-03-22)
読み応えはある。こういう経済書を読む賃金労働者や経営者というのは、一体ほかにはどういう本を読むのだろうか? マルクスとかも読むのか?
それはともかく。
本書を読んでいて、まず参考文献のある種の特異さに気付く。柄谷行人、萱野稔人、大澤真幸、内山節(!)、ウォーラーステイン、ブローデル、リオタール、マンデル(!)、スーザン・ジョージ(!)、スーザン・ストレンジ(!)、フレドリック・ジェイムスン、イリイチと来た。
このほど来日が法務省に拒否されたアントニオ・ネグリとハートの『帝国』のないのが不思議なくらい。
いやはや本書は、グローバリズムを「当為」(と結果的に)見ることにおいて、ネグリ&ハートの本や最近の橋本努の<自由主義万歳論>と近いところにある。
こうした中身はともかく、ちょっと前にこれと似た本を読んだような気がする。そう、小林慶一郎の『逃避の代償』だ。その終章「価値規範の問題―自由と責任」において、ある種壮大な哲学的問題を現代思想の本などを援用して展開していたのだ。ここでも、水野ほどではないが、柄谷や少し古いなあと思わせもするエーリッヒ・フロムなどの文献を挙げている。
小林と水野、どこかテイストが似ているのだ。つまり、双方とも大風呂敷を広げたがる気配が濃厚である。その分勉強にはなるが、こうしたお勉強が高じると、頭が良い人ほど投資だとか「効率経営」だとかには向わず、反・グローバリズムや反資本主義に行ってしまうのではないか!? などというありそうもない幻想に捉われる。勿論、水野の文体は「価値自由」っぽいもので、つまり客観的であることを装う文体であるため、本来参照しては「ヤバイ」はずのエルネスト・マンデルやスーザン・ジョージなどの扱いには主観的思い入れはない。それこそが客観性の証しだということか。ネグリがないのはその点、賢明かもしれない。しかし、マンデルなどは、時代が時代なら日経の本では登場するのもヤバイ筈だ。批判する文脈ならともかくも。
かくして、ビジネスエリートさんが好むらしいこの手の「高級」経済書には結構ラジカルな要素も含んでいることがわかった。
そういや、90年代初頭、日経本紙の学生向け就職広告(会社案内の広告特集)で、柄谷行人が登場していたことを思い出す。苦々しく思ったものだ。柄谷はエゴノミスト=エコノミストたちにも時代を超えて珍重されているのだなあ。吉本隆明は、時にファッション誌にも登場したが、こういう文脈では決して出なかった。ビジネスマンに身近な文芸評論家というのも、苦々しさを超えて感慨深い。。。

世界経済の新Paradigmを明示  (2008-03-15)
 表題と内容にややズレがある。経済の国際化=Globalizationとその影響を深く洞察してParadigmの変化を理論的に提示したマクロ計量経済学の名著である。1995年を変曲点として、先進国の近代は終わって中世的な低成長時代に入り、近代はBRICsに移動したとする。先進国も英語圏と非英語圏で国際化度合が異なり、米国は世界中から資金を集めて国民の消費を支える金融帝国の構築に成功しているとする。出版後にそれを揺るがすSubprime Loan問題が起こった訳だが、それを予見する分析がある。
 日本で金融緩和しても景気回復につながらない訳や、GDPが向上して景気回復しているのにWorking Poorや生活保護が増えている理由が明快に述べられている。国際化企業vs国内市場企業、資本vs労働、大都市vs地方で3つの二極化・格差増大が起こっている訳も詳細に説明してある。
 惜しむらくは、経済学の博士論文かと思われるほど一つ一つの主張に論拠と数字が示されている厳密な説明が、反って素人には難しくなっている点だ。本書をベースに結論を急ぐ易しい新書を出せば大人気となるに違いない。

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