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東洋経済新報社
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価格:¥ 1,365
発売日:2002-12
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カスタマーレビュー ![]()
現在の日本経済が抱える問題の根底を分析
(2007-03-10)
野口先生の本は、いつも私が漠然と考えていることを明確に説明してくれる。
私は常々、高度成長期に日本経済の長所と言われていた諸点、例えば終身雇用制(社員の忠誠心、社員教育投資の容易な回収、ノウハウの流出防止等)、長期的経営(株主の短期的利益に捕らわれず、長期的な計画で投資が可能)、系列取引(長期的関係による高品質・低価格取引)などが、なぜ現在で通用しなくなったか、不思議に思っていた。今は、むしろ逆に労働市場の流動化や株主によるガバナンスの強化等、かつてと逆のことが主張されている。
また、日本経済の二重性(農業、サービス・流通等の非効率性と自動車、家電等の高効率性分野の並存)がなぜいつまでも解消されないかも不思議だった。
本書は、日本経済の特質と言われたものが、実は総力戦遂行のために1940年代に作られた戦時経済体制の産物であり、それ以前はむしろ英米型の株主優先の会社、非終身雇用、直接金融中心などであったこと、また、戦後に目的が「戦争」から「高度成長」に代わっても1940年代に作られた戦時制度がうまく機能し続けたと説明している。高度成長の傍らで政府が低生産部門を保護することにより、格差拡大を防ぎつつ、成長の利益を社会全体で享受できたと論じている。現在は、環境の変化が生じたが、従来の制度が、企業のリスク回避行動を生み、新たな成長部門への転換を遅らせるとともに、低生産部門の淘汰を妨げ、全体として日本経済を沈滞化させる構造的原因となっていると指摘している。今、問題となっている、各種の業法規制、政策金融機関や特殊法人も1940年体制の産物で、それ以前の日本にはなかったという分析は興味深い。
高度成長の成功と失われた10年と言われる経済の低迷の原因を分析し、将来取るべき道を考える上で、とても役に立つ本だと思う。
銀行の窓口はなぜ、3時に閉まるのか?
(2005-07-10)
野口悠紀雄先生の本が好きで、一通り読んでいます。今回は、
1940年の第二次世界大戦に勝つための国家総動員体制が、高度経
済成長期をささえ、しかも現在も続いており、逆にそれが経済成
長を阻害する原因になっていると書かれています。内容も非常に
興味深く、一気に読めます。
私は以前、銀行がなぜ午後3時に閉店になるのか、不思議に思っ
ていました。何かの本で、それは戦時中の体制が残っていると書
かれていました。夕方から夜に営業をしていると、明かりで爆撃
の標的になるので、3時に閉店すると言うのです。戦時中の灯火
管制ですね。現状、その真偽を確認していませんが、24時間の
コンビニがこれほどあるのに、銀行の窓口が3時に終了するのは、
全く持って不思議です。これも、1940年体制の名残なので
しょうか。
戦前から戦後にかけてのイデオロギー。現代新自由主義という怪物
(2005-06-12)
戦前に生まれた、イデオロギーが多かれ少なかれマルクス的命題を抱えていたのは周知の事であろう。戦前のモダンな資本主義下で起こった窮乏化。マルクスを前面に出してそれを換骨奪胎して使ったレーニン。ただ社会党がそうだったようにマルクス主義という完璧すぎる神学(これと同様の危険性をケインズそしてケインズをターゲットに作られた、国際経済官僚の信奉するポストフリードマンの新自由主義経済理論という神学もはらむ。現今におけるロシアやヨーロッパ各国の内紛、アジア通貨危機より一連の中韓における騒動及びイラク戦争をはじめとする中東問題。そうした問題の源泉が新自由主義経済神学とそれを信奉する嘗てのマルクス主義を信奉した世界のエリートと共通するエートスを持つ世界的エリートの危険性については論を待たない。)があったが故に失敗する運命にあったレーニンのNEPと言う方向性のマルクスドグマ主義(例外としてマルクスを換骨奪胎してケインズ的結論に達したポーランドのカレツキー)、そして帝国主義期のブロック経済下持てる国においてあらわれたイギリスのケインズ、アメリカのニューディールモデル(後述するもたざる後発国において顕れたファシズム同様、その国の実態に合わせてマルクスを否定しつつそれを剽窃した当時としては実用的なモデルが両者。ケインズの一般理論は明らかにマルクスを意識しているし、ニューディールを支えた連中も旧マルクスシストの労働組合など)と言う方向性、持たざる後発国においてあらわれたファシズム(ムッソリー二が旧イタリア社会党左派で彼に物を教えた連中は当然直接間接にマルクスの影響を受けてた。特にマルクスの左翼主義的修正といわれたソレルはムッソリー二の師でもある。コーポレティヴィズムを世界で始めて打ち出す。そしてマルクスの資本論を訳し岸信介の師で岸に北一輝と共に影響を与えた上杉慎吉と組む高畠素之、やはりマルクスから影響を受けた大川周明、北一輝(大川や北と同志の満川満太郎がレーニンに好意を示し日英同盟で英国一本槍の方法で国内改革をしさらにシベリア出兵もする事はいずれ皇国の危機を招くとし大川も賛意を示すが三国協商そして日本の孤立化、5.15、2.26の国内革命の失敗と小泉の如き側近政治で目新しい事を打ち出しながら全て中途半端に終わり戦争の大過を招いた意図せざる敗戦の最高責任者近衛文麿(彼の八方美人ぶりと大衆受けのよさと誰かに責任を押し付けて逃げる無責任さは有名だったがそして明治官僚体制にのみ汲々としていた昭和天皇と重臣の罪は重い。モダン自由主義経済がいかなる貧困を国民に与え国内不安と対外危機を招いたかの認識すら欠けていた。)など戦後も自民党、社会党両党首脳ともなり戦後経済のレールを敷いた革新官僚に影響を与えた日本革新右翼群像、人種主義的特殊ファシズムでケインズ政策を先取りしたナチス。日独両国ともケインズ政策だのニューディールとレッテルを戦勝国のものに変えただけで実は国家社会主義時代に蓄積したノウハウを使って高度成長したに過ぎない。さてこの新たな共産主義たる新自由主義の嵐を乗り越える処方箋としてはポスト宇沢グループの内の神野直彦財政学を基本にそれを日本の実情に合うよう改良したモデルが次善の選択であると考える。野口は不十分ながら分析としては当を得ている。処方は間違っているが。国策を誤り国家を危機に陥れた麻原彰晃以上の大犯罪者というべき現今の日本版ネオコンの台頭を招いた旧来のオールドケインジアンの政治家や旧大蔵官僚が未だに審議会などではびこるのは慙愧の念に耐えない。ハイエクは政経不可分でありケインズ的政策が自ら迫害も受けたナチの如き隷従の道を生むと考えたとしてもナチがケインズ政策をとっていた以上不思議ではない。ただ隷従への道にはケインズも賛を送り彼はサッチャーを軽蔑してやまなかった。フリードマンは師のF.ナイトからさえ破門されピノチェト軍事政権に協力した
人物でこのあたりからファッショ的好戦性とアナーキーともいえる資本主義の結びついたネオコン的潮流がフォークランド紛争のサッチャー、ニカラグア、グレナダ介入のレーガンと後継者ブッシュ。そして日本の現今の風潮を招く。野口は問題提起として5星だが処方としてはマイナスでしかない。
うーん。
(2003-10-20)
90年代、一世を風靡した日本型システム論。
戦時につくられたシステムは戦後も残り、高度成長に寄与した面もあったが、バブル後は改革が迫られているというもの。構造改革論のいわば「古典」として一読の価値はある。(ただし、専門の勉強を志している人には、元ネタである岡崎・奥野『現代日本経済システムの源流』をおすすめしたい。)
著者はかつては有能なミクロ経済学者であったが、マクロ経済学の素養はない。そのため、彼の提示する議論もマクロ経済的には説得力を欠くものとなっている。また、個々の政策についても、基本的には市場化論であるが、それ以外の選択枝・代案を考慮して主張しているわけではない。他の論者の主張と比較した上で判断する必要があろう。
日本の将来像について考える材料
(2003-09-18)
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