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東京創元社
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カスタマーレビュー ![]()
トリックの前提に無理がある
(2008-11-08)
秀作・傑作の並ぶ国名シリーズの中では、最も不満な出来ばえの作品がこれだろう。
根本的な仕掛けはクイーン自身が以前にも使ったパターンを思いきりひねったもので、意外性はあるのだが…映画ファンとしてはこれは絶対ありえない、と言わざるをえない。なにしろ、あのブルース・リーでさえ格闘シーンの中で一瞬だがこの手を使ったことがあるそうだが、それに観客が気づかないのはあくまでカメラ・アングルと編集のおかげなのだ。それに、重要な手がかりの一つがあまりに文章の中に埋もれてしまっているのも、『オランダ靴の謎』では手がかりを堂々と見せびらかせてくれたクイーンらしくなく、不満な点である。
登場人物の極端な少なさで損をしている作品
(2008-09-08)
クィーンの「国名シリーズ」中の一作。劇場、デパート、病院と言った広大ではあるが閉ざされた空間の中から犯人を探し出すと言うシリーズ一連の流れをくむ作品で、今回はロデオ競技場が舞台。
ロデオ・ショーの最中に往年の映画スターが銃殺される。事件直後すぐに競技場を閉鎖したにも関らず凶器が見つからず、当然犯人も不明と言う設定。消えた一つのシルクハットから推理を組み立てた「ローマ帽子」と似た体裁だが、本作の特徴は極端に登場人物が少ない点である。このため、犯人となり得る容疑者が少なく物語の起伏が乏しいと言う難点がある。この結果、他の国名シリーズと比べると地味な印象を与える。凶器消失の謎と犯人の設定はクィーンらしく良く練ったものだが、如何せん、上記の事情で当てずっぽうでも犯人が分かってしまう恨みがある。クィーンとしては、「きちんと推理せよ」と読者に要望しているのであろうが。
もう少し登場人物を増やし、人物間の錯綜した関係や犯行機会の多様性を盛り込めば、物語の面白さも増し、謎解きの巧妙さが浮き彫りになったかと思うと残念な作品。
まさに論理の申し子
(2008-02-19)
2万の観衆を前に行われるロデオ、その最中に起きた殺人事件にエラリー・クイーンが挑む。
謎の一つ一つに対し、丁寧に解きほぐすエラリーは正に論理の申し子といった様相を呈します。
意地悪な目で見るなら、銃の隠し場所に関したところや、被害者の服に関して警察が注目しないはずがないかな? という点もあるのですが、フェアプレイに関しては問題はありません。さすがだなぁ、と思わされます。
まだ初期クイーンなので、論理機械的とはいえますが、設定、人物配置に考え抜かれている点にかわりはありません。
また、初期クイーンでは挑戦形式にばかり目が行ってしまいがちになるのですが、クイーンは他にも色々と考えていたんじゃないかと思わされます。
とりあえず設定だけに関してもローマ帽子では劇場、フランス白粉では百貨店、オランダ靴では病院、といった風に。
こういうところに初期クイーンの実験的(野心的? 適当な語彙が見つからない)なところを見受けることができるんじゃないかなと思いました。
たくさんの人の前で・・・という状況だが
(2003-08-11)
国名シリーズの一つ。たくさんの人の前で殺人が発生するというクイーン好きの状況設定もどんどんエスカレートし、ついにロデオ会場まで到達した。最初の劇場から比べたら何倍になったのかなぁ。
国名シリーズの中で最もストーリーと謎解きに無理があり、一番の駄作だと切り捨てさせていただきます。
衆人環視の殺人
(2003-01-06)
観客で一杯のスタジアム。ロデオショーの最中、大勢の観客の目の前で乗り手が射殺された。偶然居合わせたエラリー・クイーン親子は、この一見不可能とも思える事件の解決に乗り出す・・・
無理矛盾のない、非常に論理的な筋立てなので、時々「どれが本当の手がかりかな?」と気をつけながら読むという、普通の楽しみ方が出来る作品。クイーンの作品、特に初期の国名シリーズは論理性、整合性を重んじ、犯人の動機に至るまで明快なので、筋を追うことだけで十分楽しめるが、この作品も例外ではない(後期作品になると、探偵自身も非常に苦悩に満ちた推理をすることになるのだが・・・)。
きちんと手がかりを分類すれば、途中で何となくトリックはわかるかもしれない。何といっても、エラリーがかっこいい!そもそsもがクイーン一家の執事兼コックの少年ジューナの要望でロデオショーを見に行って始まる話しなので、彼とクイーン父の日常のやりとりがたっぷり楽めるのもいい。探偵と一緒にアメリカ銃の世界を楽しむ、という気持ちに尽きる。

