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井上 勇

東京創元社

グループ:Book

ランキング:177211

価格:¥ 903

発売日:1959-09

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カスタマーレビュー

最高傑作  (2008-08-20)
僕は本作が、「意外な犯人」の最高傑作だと思ってます。高校のとき読んでて、犯人がわかったとき思わず、登場人物表を見直しました。
「Yの悲劇」みたいにおどろおどろしさがなく、探偵エラリーもサラッとしたキャラなので(ファイロ・ヴァンスやドルリー・レーンに較べてってことですよ)、「伝説」の域までは評価されていませんが、冷静に読めば「本作」のほうが、ずっとよく考え抜かれているのがわかるはずです。
殺人現場の見取り図もあるし、読者への挑戦状もあるし、古きよき時代の本格物の楽しさを満喫させてくれます。

マニア好みの??  (2008-08-13)
 クイーンの国名シリーズの最高作といっていいと思います。

 ただし、誰が読んでも面白いという作品ではないと思うのです。パズラーの教科書といってもいい「オランダ靴の謎」、論理的解決など不可能ではないか?と思わせる連続首切り事件を些細な証拠から解体してみせる「エジプト十字架の謎」が万人受けする作品だとすると「ギリシア棺の謎」はマニア好みの作品なのです。

 名探偵と同等いやそれ以上の知力を持った犯人が「こいつならこんな具合に推理するに違いない」と偽の手がかりをバラマキ探偵を翻弄する。いわば、神懸かり的な知性を持った盤面の敵を相手に名探偵エラリーが散々翻弄される物語なのです。そもそもそうした犯人を演繹的推理で追い込む事は可能なのか?どれが本当の手がかりでどれが偽の手かがりかどうやって判断するのか?パズラーの持つ弱点を浮き彫りにしていくのです。

 はたして、この成果は??正直に言うと作者クイーンの意図は完全には達成できたとは思えません。最後に明かされる真相すら「それが、偽の手がかりによって導かれたのでないとどうしていえる?」という疑問がないわけでない。

 とはいえ、やはり、この作品は傑作だと思います。「オランダ靴の謎」「エジプト十字架の謎」がいわばパズラーらしいパズラーの傑作だとしたら、「ギリシア棺の謎」はパズラーの枠組みを意図的に逸脱しながら尚かつパズラー以外の何者でもない希有な作品なのです。しかも、歪な部分があるとはいえ完成度は極めて高い。

しかしながら、あくまでマニア好みの作品だと思います。クイーンを最初に読む場合、本書はおすすめできない。しかし、パズラー好きを自認するなら必読の書だと思います。

今ひとつ  (2008-05-18)
最終場面で「犯人の条件は第1に何々、第2に・・・、それをすべて満たすのは何某」と真相を明かすクイーンお得意のパターン。しかし、推理のみで物証はなく、犯人の具体的行動も示されないので、かなり欲求不満を感じた。
また、犯人は2度まで他人を陥れる罠を仕掛けるが、クイーンのような風変わりな人間しか気がつかない罠ではリアリティに欠ける。それに、第1の罠ではその家の主人が急死する前夜に出されたティーセットが、なぜ葬儀の日まで仕舞われなかったのか?、第2の罠では犯人はなぜ他人の家のタイプライターの特徴を知っていたのか?、などについても納得のいく説明がない。さらに、事件の発端で、出棺の5分前に金庫にあることが確認されている遺言状が、人のいる部屋から紛失、棺桶に隠されたのではというクイーンの主張に従って、掘り返してみるともう一つの死体が・・・、というのも奇を衒いすぎて不自然になってしまっている。
エジプト十字架と同じく、ストーリー展開は面白いのでページ数の割には退屈しないが、推理小説としての出来は今ひとつではなかろうか。

ストーリー展開は面白いが、真犯人には不満が残る  (2006-08-27)
探偵役のクィーンが犯人の巧妙な手口によって何度もミスリードされ、状況は二転三転し、最後の最後にどんでん返しで真犯人が判明しますが、意外と言うよりはちょっとずるい感じがして、やや不満が残ります。蘊蓄が多いので、全体としてやや冗長ですが、ストーリーの展開は面白く、一気に読めて、それなりに楽しめます。

必読の書  (2006-06-21)
この作品はエラリー・クイーンを語るには読んでおかなければいけない作品です。
国名シリーズの中で、『エジプト十字架の謎』と一位、二位を争う傑作ですし、推理の論理性、犯人の意外性もあり、とても読みがいがあります。
厚いですが、読んで損はないと思います。

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