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東京創元社
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カスタマーレビュー ![]()
懲りすぎた趣向
(2006-08-26)
シリーズ5作目。今回は古代エジプト学に対するヴァンスの饒舌をタップリ聞かされる。
本作での犯人像は、前作の「僧正」を継承する形で、精神的に歪んだものに設定されている。それが、本作での逆説的な犯行計画を産み出しているのだが、「僧正」と比べて計画が地味な分、損をしていると思う。犯人の精神的"揺らぎ"が感じられて、個人的には気にいっているのだが...。また、現場に残された証拠が、犯人がウッカリ残したものか、それとも意図的に残したものかという問題を提示していて、これを突き詰めると"心理的証拠"に逆戻りしそうな...。
犯人の意図を察し、それを随所で挫き、また結末に至って重要な役目を果たすエジプト人の使用人を登場させたのは作者の手柄。本作が書かれた時代を考えると、彼を知識人として描いた点に作者の見識の高さが感じられる。
エジブト風味
(2005-02-04)
シリーズ第5作目。『あまりにもあからさまに犯人を示している証拠をどう解釈するか?』というお話です。
犯人捜し自体は仕掛けられた「ワナ」に惑わされずに、「どういった行動が必要か?」ということを考えていけばそれほど難しくはないでしょう。
しかし、一番の注目はヴァンスの「解決」方法。冷静に考えると凄いことをしています。
所謂ディレッタントな作風がこの作家の特徴ですが、本作は前4作に比べていささか過剰気味な印象を受けました。夥しい証拠品と相俟って、やりすぎの嫌いがあるのが欠点でしょうか。
スカラベ
(2003-01-15)
エジプト趣味に溢れる作品
事件が起きるが犯人を指し示す五万という証拠が現場に溢れており
すぐに解決するかに思えたが
それにヴァンスが異を唱え・・・
ヴァン・ダイン健在,中期の傑作
(2002-11-19)
第3作「グリーン家殺人事件」と第4作「僧正殺人事件」が有名なヴァン・ダインですが,その手腕は5作目の本作においても健在です。注意深く読めば,割と早い段階で犯人の目星が付くかもしれませんが,事件解明に至るまでのプロセスは十二分に読者を楽しませてくれます。ヴァン・ダインならではのペダントリーに満ちた重厚な文体も健在。なるべくなら,第1作から順番に読む方が,登場人物の人間関係がわかって楽しめると思います(推理の部分には関係ありませんが)。

