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東京創元社
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カスタマーレビュー ![]()
唯一無比の ヴァンダイン?
(2007-12-31)
ポーカーの件などで、賛否両論があるみたいですが、僕的にはこれはまったく問題ないと思っています。 私立…というより、趣味の名探偵ですから、犯人がわかればそれでよい。動かぬ証拠などは、その後の検事などの仕事ですから。 そういう意味では、レコードの証拠は蛇足。
グリーン家や僧正は、高く評価されすぎて類似品?…(横溝やクイーン)が多発しているのに比べ、大戦後のバブリーなアメリカが伝わってくる「カナリア」や、前作の「ベンスン」の方が、僕としてはヴァンダインの「アク」が出ていて楽しめる。 キザでイヤミで"そんなばかな!"的名探偵という意味でも、この作品を持ってヴァンダインの代表作としたい。
機械的密室を扱った最初の長編ミステリ
(2006-08-24)
シリーズの第2作。デビュー作に続いて「心理的証拠」を前面に押し出している。このため、容疑者を集めてカード・ゲームをするのだが、それがポーカーなのだ。ヴァンス程の知識人ならより論理的なブリッジ(コントラクト・ブリッジのこと、セブン・ブリッジではない)を選びそうなのだが、そうではなく賭博性の高いポーカーを選ぶところが興味深い。そこから得られる結論は強引過ぎる気がするが。このせいか、3作目以降は「心理的証拠」は影を潜めた。
そして、本作の特徴は長編ミステリとして(私の知る限り)初めて機械的密室を扱っている点だ。現在でこそ、機械的密室は嫌われる傾向にあるが、当時は「黄色い部屋」、「ビッグ・ボウ」等の心理的トリック、「モルグ街」、「まだらの紐」等のある物にしか通用しないトリック等が主流で、本作のように外から機械的に密室を構成し、もう一つの仕掛けを使って、犯人のアリバイを築く手法は当時は斬新だったろう。
また、上記の「もう一つの仕掛け」が暴かれるキッカケがヴァンスのハイブロウな趣味だという点も皮肉が効いていて面白い。ヴァンスの衒学志向が活きる時もあるのだ。全体的に洗練されたストーリー展開で、デビュー作と本作とで長編ミステリの基礎を築いた記念碑的作品。
警察はうっかり屋さん(初動捜査はしっかりネの巻)
(2005-11-05)
現在のミステリーの水準で過去の作品を評価するのは危険です。この本も60年以上昔の作品なんですから、そういった視点は持っておくべきです。
使われているトリックは今では定型化したものですが、当時は目新しいものだったのでしょう。特に語ることはありません。
"カナリア"のポイントとしてはストーリー運びの巧みさを上げるべきかと思います。作者が第二の殺人が起こらざる得ない状況を作り出したのは、単に作品に連続殺人の様相や中盤のアクセントを与えるためだけではなく、殺人犯の心理的足跡を鮮やかにする目的も兼ねていると思われます。
そして、犯人の目星がつかないまま行われる4人の容疑者を一堂に集めてのポーカー。そのプレイスタイルから犯人を割り出すことに成功するが、その人物は物理的に犯行は不能だった。いったいどうやって犯行を行い得たのか?といった風に話は進みます。普通のミステリーであればトリックが解けて犯人にたどり着く流れですが、カナリアではその逆で、犯人が分かってからトリックが解けるようになっています。
カナリアでは犯人の名前が分かってもまだトリックが解けません。通常のミステリーの到着点(読者に犯人の名前が明示される)が、この作品では過程の一つであるというのも構成の妙というべきかと思います。単に、(当時の)独創的なトリックのみで一世を風靡した作品では無いという事でしょうか。
ポーカー推理
(2003-01-15)
心理的証拠を重視する探偵ヴァンスの活躍する第二作
Broadwayの名花カナリヤが殺された・・
ヴァンスはポーカーによって犯人の性格を読み
事件を解決する
トリックは今となっては陳腐ですが
当時は先鋭的だったんでしょうね
歴史的名作への礎となった傑作
(2001-06-05)
ヴァン・ダインと言えば第3作「グリーン家殺人事件」・第4作「僧正殺人事件」が有名ですが,本作品はそれらに先立つ第2作です.プロットの完成度は3・4作に一歩譲りますが,主要人物のキャラクター,ペダントリーに満ちた重厚な文体は,既に1・2作目で完成されていました.主人公ヴァンスは,凶悪な犯人にポーカーを利用した心理分析で立ち向かう!是非「グリーン」・「僧正」の前に読んで下さい.

