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筑摩書房
グループ:Book
ランキング:288732
価格:¥ 924
発売日:2006-06
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還暦以後という切り口の妙味
(2007-09-11)
長らく歴史の著述に携わってきた著者によれば、かつて見えてこなかったものが今になって見えてくるという体験がある。それは例えば、歴史的人物たちの「老年」期の身体的状況であったり、様々な思い・興味関心であったり…。こうした諸々は、博学博識をもって鳴る著者にして、同様の年齢を重ねて初めて腑に落ちることであったという。
確かにそういうことはあるかも知れぬ。そう思えば、還暦を過ぎた歴史家が歴史的人物たちの「還暦以後」に焦点を当てた歴史語りが興味深くないはずはない。還暦を過ぎて自らの幼少期や青春を振り返ると何が浮かび、何が沈むのか。還暦を過ぎたとき、何に、あるいは誰に魅せられるのか。勝海舟・徳富蘇峰に始まり、渋沢栄一・徳川慶喜に終わる叙述は、いまだその齢に及ばぬ読み手を未知への想像へと誘う。
遡っては法然、下っては松田道雄に至る、縦横無尽な27人の人物語りの中で、個人的にとりわけ興味を引いたのは、伊藤整・中村真一郎をめぐる「還暦以後の性」であった。これはもう、評者としては「そういうもんなんですかね…」と指をくわえて眺めている他ない。
参りました。まだまだ勉強させていただきます。

