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アイテム詳細

外山 滋比古

筑摩書房

グループ:Book

ランキング:6070

価格:¥ 588

発売日:2008-10-08

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カスタマーレビュー

平易な文章に、含蓄ある比喩を交えて、知的創造のヒントを語る  (2008-11-10)
「コンピュータがあらわれて、知識の記憶や蓄積が人間の独占ではなくなった」

人間らしい活動の核である「考える」ということを考える本である。英文学者らしく、平易だが論理的な文章に加え、ところどころ含蓄のある比喩をちりばめながら、「知的創造のヒント」について語っている。

たとえば、創造を行うということは新しい酒を作ること、創造のためのヒントはその酵母にあたる、カクテルを作るということは創造のバリエーションを生むこと、としている。また、大樹は遠目から見るにはいいけれど、その下は影になっていて他の植物が育ちにくい、という例えは、いろいろなところで使えそうだ。

知識を詰め込まれただけの人間は誰かに引っ張ってもらえないと飛べず、やがて落ちてくるグライダーのようなもの。我々はエンジン付き飛行機、つまり自分で飛べるようにならなくてはらないという主張も、わかりやすくて面白い。

考えるタイミングと時間、多少拘束のある環境の方がよい理由、メモの取り方やまとめ方、何かを書くときの工夫、本との付き合い方、他の人との交わり方とそこからのヒントの取り出し方などについて語っている。思考論として読むとちょっと物足りないが、半分エッセイとして読めば楽しく読める一冊である。

以前新書でベストセラーになったものを新しく文庫で出版し直したもの。あとがきによると、文庫化に際して、ほとんど手直しはしなかったとのことだ。実際、このままでも全体的に特に古くは感じない。ただ、「英語の"レコード"」というのは、せめてMP3ファイルとかCDに修正しておいた方がよかったと思う。あと、「朝飯前」の理論は、個人的には大いにうなずける考えではあるけれど、これを実践することはお勧めしない。

尚、この著者の本は内容に重複が多く見られる場合がある。すでにどれか1冊を読んだ方は、一度中身を確認してから、購入された方が良いと思われる。

新刊書と同じことを、30年前の本が既に指摘していた  (2008-11-02)
 読みはじめてすぐに感嘆したのは、「ちっとも古くない」ということです。

 本書が発売された1977年を和暦になおすと昭和52年です。当時、ケイタイもインターネットも無いのはもちろん、ワープロもパソコンもまだ発売されていませんでした。紙媒体で手に入れた情報を保存、整理しようと思えばスクラップブックを使うのが当たり前で、やっとコピー機が普及してきたころです。

 この本が古さを感じさせない理由は、最近読んだ本と共通する内容をいくつも見つけたからです。

たとえば、外山氏は睡眠の効用を次のように述べています。
  眠りは肉体の疲れを休めるのはもちろんだが、頭の中の整理をする
  時間でもある。目をさましている間に入ってきたおびただしい情報、
  刺戟が仕分けされて、当面不要なものは忘れるルートへ載せられる。

 茂木健一郎さんの本で同じことを知ったのはつい最近でしたが、脳科学が注目を集めていない30年前に、サラッと教えてくれていたのです。

 茂木健一郎さんつながりでいうと、「セレンディピティー」という、茂木さんがよく使う言葉も出ていました。当時から科学者には親しまれている日常語のひとつだとか。

次は、散歩の効用について。
  散歩という言葉はぶらりぶらりのそぞろ歩きを連想させるが、それ
  ではカタルシスはおこりにくい。相当早足に歩く。はじめのうち頭
  はさっぱりしていないが、20分、30分と歩きつづけていると、霧が
  はれるように、頭をとりまいていたモヤモヤが消えていく。

 おお! 『脳が悦ぶと人は必ず成功する』で佐藤富雄さんが言ってたことと同じじゃありませんか。

 2年前に出した同じ外山氏の復刻版『思考の整理学』は50万部のベストセラーになったそうです。

 いろんな気づきを与えてくれる今度の『知的創造のヒント』も、きっと多くの人に支持されるでしょう。

「(発見の)チャンスは準備された心を持つ人に味方する」(パスツール)。では、その"心の準備"の仕方とは?  (2008-10-15)
【主要目次】1.忘却のさまざま、2.自力と他力、3.着想、4.比喩、5.すばらしきかな雑談、6.出家的、7.あえて読みさす、8.書くスタイル、9.酒をつくる、10.メモ、11.ノート、12.頭の中の料理法

「思考の整理学 (ちくま文庫)」を通読された読者の方には既にお馴染みの話題(アイディアの作り方、発想を生むための習慣、常に心構えを柔軟にしておくコツ、忘却の効用、雑談のすすめ、メモをとる是非、本の読み方、など)が、知的センスあふれる文章で綴られています。(「思考の整理学」を読んでいない方/読み切れなかった方にオススメできそうです) アイディアの作り方を"酒造"で例えたり、編集を"カクテル作り"で例えたりする【比喩(アナロジー)のセンス】は見習いたい処です。(その意味では、書評は"カクテル"ですね(^_^);;)
本書の内容は「アイデアのつくり方」・「アイデアのヒント」と内容的に共通する処が多いので、これらの本も併せて読むと自分の"創造力"を高めるヒントが得られることでしょう。(併せて「思考のレッスン (文春文庫)」・「「知」のソフトウェア (講談社現代新書)」も面白いです)
ここで列挙した本は"元祖Lifehack本"とも言えるでしょう。あとは現代風/自己流にアレンジすれば良いでしょう。私の場合、紙のメモをテキストファイル化し、Google desktop/デスクトップ検索/Spotlight(or grep)を活用して「ネタを思い出せる準備」を整えています。ネタとネタの繋がり(ストーリー)が頭に残っていれば検索で芋づる的にネタを思い出せます。

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