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筑摩書房
グループ:Book
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価格:¥ 1,470
発売日:1994-12
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マニエリスムがよく分かる
(2007-07-22)
この本ではイタリアを中心とするマニエリスム美術の特色やイデーなどが明快に、快調な文
体で語られています。なかでもミケランジェロにマニエリスムの作風が著しいという事実に
は驚かされました。この巨人については知らなさすぎました。
またマニエリスムを支える最も重要な理念がネオ・プラトニズムであったことも説得力溢れ
る筆で描き出されています。私の好きな画家ブロンツィノが極めて重要なマニエリスム画家
だったことにも感慨ひとしおでした。
とにかくルネサンスもマニエリスムもバロックも、ヨーロッパの近世以降の芸術はキリスト
教やネオ・プラトニスムなど宗教哲学の背景なしには語れないことが痛感されます。こうい
うことは学校教科書的知識では実体的に捉えることは難しいでしょう。それにしてもこうし
た気鋭の研究者の著書を読み、図版を眺めていくと、近・現代絵画とは異なる歴史性の重み
を担った豊かな世界に体ごと包まれ、豊沃にされ、高められていくような感慨に誘われます
。
「マニエリスム」の歴史上の再発見
(2005-09-02)
マニエリスムという語を初めて聞いたのは昨年フィレンツェに旅行した際、ウフィツイ美術館でパルミジャニーノ(Parmigianino, Girolamo Francesco Mazzola, 1503-1540)の《長い首の聖母》を見た際に上の空で聞いた説明でした。その時は何も分かっていなかったのですが、かすかに「首が不自然に長いという特徴があり、マニエリスム絵画の一つである」といいったような内容を記憶しています。
この一般的にあまり耳にしない単語が日本の美術史界でも常識のようになった今日この頃ですが、日本で初めて「マニエリスム」を紹介したのが著者、若桑みどり氏であるとのこと。この著書は若桑氏が「マニエリスム」の歴史上の再発見について雑誌上で論じた文章を一冊にまとめられたもの。
本のなかでは自然の描写よりも精神的な美を尊んだ画家の意識や、「フィグーラ・セルペンティナータ(蛇状形状)」と呼ばれる不自然に曲がった肢体、観念的な宇宙論など、マニエリスト達の特徴が圧倒的な数の例を参照しながら紹介されており、マニエリスムが一つのエポックで在りえたことが論証されています。
ともすればルネサンスという明るすぎる光に目が眩んで見逃しがちな16世紀絵画の特徴が鋭く洞察に富んだ視点で語られており、若桑氏の慧眼に脱帽するばかり。またこの時代のアンビヴァレントな画家の精神と、宗教改革とこれに対する反宗教改革に揺れる時代背景という共通点が相まって、氏の論の説得力を増しています。
それにしてもトスカーナ大公としてヴァザーリ(Giorgio Vasari, 1511-1574)といったマニエリスム画家達を保護した、フランチェスコ(Francesco I de' Medici, 1541-1587)とビアンカ(Bianca Cappello, 1543~1587)に纏わる悲話はとてもイタリアの歴史の闇を現しているようでとても興味深い。またそのフランチェスコがヴァザーリとその工房に作らせた、パラッツォ・ヴェッキョのストゥディオーロなどは是非訪れてみたいと思いました。
説得力がある
(2003-04-26)
西洋美術史の「影」ともいえる「マニエリスム期」を鋭い視点で研究している。マニエリスムを「危機の時代の芸術」と説く筆者の論には説得力がある。著者はフェミニズムの視点で芸術論を展開する美術史学の重鎮。

