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野口 悠紀雄

ダイヤモンド社

グループ:Book

ランキング:588159

価格:¥ 1,680

ポイント:16 pt

発売日:1997-10

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正確に間違う人、漠然と正しい人―「超」整理日誌〈6〉

カスタマーレビュー

経済学を知る人は一層楽しい一冊  (2004-03-01)
 本書は『週間ダイヤモンド』に1996年4月から97年3月に連載された野口氏のエッセイに数編の書き下ろしを加え、「「超」整理日誌」(96年9月発行)の続編となる本です。社会科学領域(特に経済学)の学者世界の裏話から趣味と話題は広範ですが、思わずニヤリとしたくなる個所が何かしらあるのは流石です。ただし、野口氏のエッセイには「泥臭さ」は見受けられず、現実の中に既知の理論を見出すと喜びを見出すという話や知的暇潰しが多いように感じます。いくつか事例を紹介します。

 「ケンブリッジでは、たまに晴れる日があると、じっとしていられず、外に出てしまう。しかし、ここはいつも晴れているから、そんな気にはならない。つまり、ラホヤでは、晴れの日の限界効用が低いわけだね。(P. 154)」。学問的水準は異なりますが、コミュニケーションの観点からは女子高生が仲間内だけで通じる若者言葉を話している楽しさと同じようなものでしょう。とはいえ、テクニカルタームには共通の学問基盤をもつ者の間で定義された多くの意味を一つの単語でやり取りできるという効果があります。この限界効用の表現にはニヤリとさせられます。

 「「無人島に一冊」というだけでは、実に不完全な問いなのである。「何を読むべきか」は、読書後に残された自由時間およびその形態の関数なのである。(P. 129)」。文頭にいくつか候補を挙げていますが、問題を再定義し、仕切り直す行動様式はこの方が経済学者であることを思い起こさせます。ちなみに氏の選んだ本はゲーテの『ファウスト』で、存在するならばグスタフ・ドレか、アーサー・ラッカムの挿絵が挿入されているもの。加えてドイツ語で書かれていることだそうです。この条件を細かく追加していく点はニヤリです。「無人島に持っていく一冊の本」は古典的なアンケートですが、それゆえに回答者の思考体系と職業性が滲み出てきて非常に興味深く感じます。

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