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野口 悠紀雄

ダイヤモンド社

グループ:Book

ランキング:37529

価格:¥ 1,890

ポイント:18 pt

発売日:2007-06-01

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カスタマーレビュー

迷走するニッポンへの指南書  (2008-03-23)
世界中の日本無視(ジャパンパッシング)にもはや慣れつつある今日この頃、こんな本が世に出てることを嬉しく思います。完全脱工業化して金融立国というシナリオには抵抗があるものの、少なくともアジアにおいてはトップレベルの資本市場を整備することは目指すべきです。いままでずっとがんばってきた日本がこんな形で衰退していくのを見るのはとてもつらいです。
欧米的な価値観はどうなんだという議論もありますが、対人間同士で起きることと同じことが対国家でも起きます。愚かな人から賢い人にお金は流れます。国家でも同じです。
日本は少なくとも先進国レベルの資本市場環境を整えるべきです。そうしないと賢い国にヤラれてしまいます。日本はもっと勉強し、洗練された制度、設備を備える国になるべきです。お金の流れは血管、資本市場は心臓です。資本市場の国際競争力を高めなくては日本は本当にダメになってしまいます。先進国に残りたいなら今が最後のチャンスです。

いつもの野口節(現状批判は勇ましいが、対案は具体性ゼロ)  (2008-03-01)
かの『「超」整理法』でお馴染みの経済学者による日本経済論。内容的には、著者のかねてからの主張である構造改革論に即したもので、「日本は製造業を捨てて金融・ITにシフトしろ、外資もどんどん導入しろ」というもの。斬新な極論を歯切れ良く主張するため、読者には「著者の主張は先進的で、それを理解できるオレ様も先進的!」と夢想させるものの、ここで鵜呑みは禁物。「資本開国」という主張自体は至極ご尤もなのだが、日本の製造業・金融業・IT産業の実情を無視した思い込みが目立つ。

例えば、「技術革新によりコピー生産のコストが低下する」(p.124)との指摘から「だから製造業はコモディティ化(陳腐化による付加価値の低下)し易く、ソフトウェアはコモディティ化しにくい」(p.125)という結論に行くのは、正直理解に苦しむ。IT産業こそ、技術革新とコピーによるコモディティ化の速度は製造業以上なのだが、googleを礼賛して止まない著者にはその実情が見えていないらしい。それに、付加価値の高さを追求するならば、わが国で現在最も付加価値の高い製造業をみすみす切り捨てる手はないのでは。現在の日本の金融業のダメダメぶりは、「日本の金融業はコモディティ的なサービスしか提供できていない」(p.128)と他ならぬ著者自身が認めているところ。

この他にも、わが国の国民負担率のデータ(2003年で37.7%)を用いながら、一方では「負担が高い」(p.170)と言い、もう一方では「負担は高くない」(p.193)と言うなど、支離滅裂な主張が散見される。中には「法人税率の引下げが経済成長に繋がらない」など秀逸な論はあるものの、上記のような矛盾の数々を目の当たりにすると、それすらも何らかの落ち度があるのではないかとの疑念に駆られる。流石は、全体の均衡よりも部分均衡を重んじるミクロ経済学者の面目躍如!?

日本経済が活力を取り戻すための野口悠紀夫氏の処方箋!!  (2008-01-15)
日本市場が真の意味で魅力的な市場となるためには、どうしたらいいのだろう。

本書は、世界の経済構造の変化から立ち後れてしまった日本市場が魅力的な市場として機能し、同時に日本社会が、生き生きとした活力ある社会になるためのひとつの処方箋の開示である。

著者野口悠紀夫氏(1940ー )は、本書において、日本経済が「金融緩和、円安政策からの脱却」を果たし、貿易で溜め込んだ対外資産を効率よく運用し、「資本開国」を進めることだ、と説く。同時に民間企業については、重厚長大型の製造業中心のビジネスモデルから、一日も早く脱却して、「コモディテイの罠」から逃れなければならないと語る。

「コモディティの罠」とは、野口氏の説明によれば、「差別化特性がないために値上げ競争に陥りやすい製品やサービス」(前掲書 3頁)を生業とするビジネスモデルに、日本企業のほとんどが陥っていることを言うのである。

日本でも、やはり企業文化として、「グーグル社」や「アマゾン社」などのように、自らの発想力で新たな市場を創出してしまうような独創性のある企業が出て来なければ、たとえトヨタやソニーのような国際的大企業でも、「コモディティの罠」に陥ってしまう可能性は常につきまとう。

はっきりいって、今のままでは、日本経済を背景とする日本市場は、新興国の驚異的な成長性を考えると、10年も経たずに、アジアの東端にある投資的魅力に乏しい小国に成り下がってしまうことを覚悟しなければならない。

もはや没落した日本・・・  (2008-01-11)
日本はすでに没落したと著者はいう。一人当たりGDPは、OECD諸国のなかでも、05年で14位だ。日本は、世界と競える分野は、コモディティ化されやすい自動車、精密機械という限られた製造業しかない。金融、流通、農業などは、政府の保護下にあり、国際競争力は全くない。
 
 現代のグローバリゼーションには全く対応できていないという。確かに、日本語という壁があり、オフショアリングには不利だ。資本の面は、日本は海外からの投資をほとんど受けていない。この二点からも日本は旧態依然のままだ。しかし、資本鎖国を解けば、日本経済活性化すると野口氏は述べている。海外からの投資を積極的に受け入れ、国内企業も真の競争にさらされ、実力をつける。そうすることによって、日本の国力もあがるとしている。
 
 また、財政改革についての野口氏の見解が書かれている。完全に破綻したシステムの年金問題は抜本的改革が必要と書いてある。税制改革も、選挙前には封印される消費税引き上げ問題への疑問や、福祉目的税化はまやかしにすぎないと看破している。

小泉政治を骨太改革と礼賛し、マスコミと迎合する大衆社会に警鐘を鳴らす一冊  (2008-01-02)
 少子高齢化などの日本が抱えている問題を分析し、そしてそれを
受けとめる社会を作っていくという姿勢は、共感できる。さらに現
代の日本の伝統的な産業構造である重厚長大産業は、もはや衰退の
一途をたどるということも説得力がある。
 そこで、本著では、産業構造の変革を問いかけている。なるほど
確かに、来る将来に備えて、中国・インドがマネできないサービス
産業にシフトすることは大事だろう。しかし、著者が述べる外資導
入による繁栄は、アイルランド・イギリスのような英語圏でない日
本が成功できるかという疑問も残る。
 だが、これまでのように少子化対策のようにマスコミ・政府に先
見性のなさ、果ては後手回しによる少子化対策など本著が言うように
何の意味のなさないものに固執するよりは、この改革に目を張る方
が懸命なのかもしれないと素人ながら考えさせられる。

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