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伊藤 文英

ランダムハウス講談社

グループ:Book

ランキング:11278

価格:¥ 1,995

ポイント:19 pt

発売日:2005-03-24

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カスタマーレビュー

知能とは何か?  (2008-10-25)
人工知能に関する本です。

マイクロプロセッサーが登場して、およそ40年。
パーソナルコンピューターが登場して、およそ30年。
コンピューターは驚異的な進歩を遂げました。
それでも鉄腕アトムもドラえもんもHAL 9000も誕生していません。
そこには「知能」を人工的に構築する難しさがあります。
知能って何?考えるとは?
アラン・チューリングは「カーテン越しの相手とキーボードで会話して、
人間と変わらない様に会話が成立すれば、それには知能がある。」
と考えました。しかし、実際は相手の言うことを鸚鵡返しに返すだけの
プログラム(人口無能というらしいですが)にも人間は騙されてしまうこと
が判りました。

著者はこう語りかけます。
「それはあまりにも人間中心の考えでは無いのか?」

そこで本書では、知能をこう定義付けました。
「今までの記憶から未来を予測する力。それが知能である。」と。さらに、
「結果、人工知能を構成するためには膨大な記憶メモリが必要。ただし、
全ての情報が正確である必要は無く、演算速度もそれほどいらない。」

人工知能を持った機械はまだ開発されていません。
しかし、その萌芽はすでに現れています。例えば、このアマゾンの「お勧め
商品」は膨大なデータベースを元にまさに顧客の好みを「予想」している訳
です。筆者が予想している様に、そういった類の商品が出るのは以外と早い
のかも知れません。

この本の冒頭には、こんな記載があります。
「知能について、あるいは知能についての新しいアイディアが喜んで受け入
れられるとすれば、その最初の場所は日本だろう。」

多分、その予想は正しいと思います。第8章 知能の未来 は日本の近未来でも
あるのです。

知覚・認識分野に関心をもつ人の必読書  (2008-07-13)
自分自身言語障害をもち、自分の音声・言葉が聞き手にどのように聞こえているのかということに関心をもち、自ら多くの実験も行い学会報告も行って来た。その過程で、言語学・音声学・音声情報処理・音声知覚・大脳生理学・ニューラルネットワーク(コネクショニズム)・脳の計算科学・認知心理学・認知科学などの著書を読み漁った。しかしこの本ほど脳(認識・知覚・思考)の本質をズバリ説明しているものはなかった。込み入った数式を用いることもなく、日常の経験を事例にして、分かりやすく説明してくれる。しかし全くの素人向けの啓蒙書ではない。著者は学者ではないが、物事の本質を洞察する優れた能力の持ち主である。既存の脳科学の知見を乗り越えて、新しい考え方を提供している。読み終えて感動を覚えた。認識・知覚・思考などに関心をもつ人、それらを神経計算科学の面から研究している人、大脳生理学面から研究している人、工学的に知覚を扱っている人には是非読んでほしい。大脳生理学・ニューラルネットワーク(コネクショニズム)・脳の計算科学・認知科学・情報処理などの予備知識をある程度持っていないと理解しにくいだろう。その分野の学生・大学院生には一読を薦めたい。脳の本質をよく理解できるに違いない。

著者の考え方・生き方に感銘  (2008-06-02)
本のはじめのあたりで、脳(知能)のことを調べようと思っても、これまで知能について体系的な説明をする(試みる)本はなかったとありましたが、まさにその通りだと思っていました。
著者の自説には、まだあいまいな部分が多いと思いますが、それでも知能について体系的な説明を試みようとする姿勢がすばらしいと思います。このような本がどんどん出てくれば面白いと思います。
自分的に少し疑問に思ったのは著者が「意識」(クオリア)についてあまり重要なものと考えていないように見えた点です。もっとも難しい部分だと思いますが、知能を解明する上で「意識」は避けて通れないのではないかと思います。

「研究をしたいから Palm でお金をつくった」ってすごい  (2008-03-23)
Palm の開発者であるジェフ・ホーキンスによる脳のモデル関する本だ。

脳を理解するには記憶と予測が大切だという説は極めて説得力がある。というか、言葉の聞き取りについて、私が思っていたモデルそのもので、うんうんと頷きながら読んだ。大枠としては正しいであろう。意識とはパーソナリティーとは何か(速い話が「あなたは誰?あなたはどこから来たの?」)という哲学的な問いをする際にも無視できない本になるだろう。

ホーキンスは脳科学を自由を研究するために、まずビジネスで成功して研究所を作るための資金を作ったそうな。この発想は極めてアメリカ的だ。しかし、初めから脳科学に飛び込むことが出来なかった理由は、科学の形式主義がある。つまり、科学に乗せようとすると、半分以上はナンセンスな(特に壁にぶつかっている分野で革新的な考えを持つ人にとっては)論文を山ほど読んで、そちら側からの批判にいちいち答えないといけない。まあ、ルネサンス時代に教会の批判に答えないといけなかったコペルニクスと立場はさほど変わらないのだ。こちらの方はアメリカ的には聞こえない。アメリカの社会が我々の考える「アメリカ的」ばかりでないことも面白いし、科学の発展が必ずしも「科学的」でないことを認識することも重要であろう。

私もアイデアはあるけど、主流とあまりに離れているので追求に躊躇しているテーマがある。ホーキンスのアプローチは極めて刺激的だ。ホーキンスと同じアプローチは今更取れないが、あきらめてはいかんなあと刺激を受けた。

かなりガッカリ。  (2007-11-27)
途中で読むのをやめてしまいました。
だから途中までの感想です。

「脳の中の幽霊」と同じ共同執筆者だったから期待したのに、ガッカリでした。

工学の本として、アイディアの例として、読むのはいいかもしれないですが、
この本を読んで、脳のお勉強をするのはお勧めできません。

脳の理解という観点からいえば、
一部の研究の拡大解釈と著者の妄想から構成されています(科学的根拠とかほとんど書いていないし…)。

例えば、知能について、大脳皮質だけ考えればよいという著者の前提は「???」です。
旧来の人工知能を批判しておいて、生物に学ぶ姿勢をとりながら、記号接地問題や身体性、情動、(はやりの)強化学習等々を無視してしまう著者の視界の狭さが情けないです。

大脳皮質の働きを統一した枠組みで説明したい気持ちも分かるけど、論拠がないのが痛い。
ピンカーは「心の仕組み」の中で、脳がモジュール化された並列型コンピューターのアナロジーとして捉えられることを論理的に示していて、こっちの方が説得力が100倍あります。
ミンスキーも、物理学の様にシンプルな原理で、心を統一的に説明するのは、「夢」でしかない。と言っています。

私の読んださほど多くない脳や知能に関する一般書の中だと、
ピンカー、ラマチャンドラン、池谷裕二、茂木健一郎(初期の頃)、下條信輔、佐々木正人、の方が断然お勧めです。

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