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司馬 遼太郎

文藝春秋

グループ:Book

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カスタマーレビュー

もはや成功・不成功を論じているような余裕などない  (2008-01-17)
日露戦争開戦に向けての意思決定と開戦準備がテーマ。
当時大人と子供ほど国力の差があったロシアに対して、なぜ日本が開戦を決意するに至ったのか、当時の人々の深刻且つ切実な葛藤・決意が臨場感を持って伝わってきます(「このまま時が移れば移るほどロシア側に有利で日本側に不利です。今なら何とかなる。日本としては万死に一生を期して戦うほか、残された道はない」)。
国に対する愛情だけでなく客観的・冷静な彼我分析のもとに、日本がなけなしの総力を結集していく過程には思わず心が動かされます。

昭和日本軍の原点をみた  (2007-01-06)
いよいよ日露戦争の戦いの火蓋が切られる第3巻。
前半部分では、戦争回避の努力もむなしくロシア側の理不尽な要求に追い詰められ開戦せざるをえなくなったプロセスが描かれています。当時の日本にとって大国ロシアと戦うことがどれだけ困難(無謀)なことだったかを思うと、大国から屈辱的外交を強いられた憤りを感じます。
中盤以降は日露戦争準備から緒戦まで描かれていますが、私が印象に残ったのは、さまざまな点で後の日中戦争、太平洋戦争との対比やそれらへの影響が垣間見えたことです。
例えば、開戦の段階で陸・海軍と政府があらかじめ戦争終結に向けたシナリオ(短期決戦での勝利で列強諸国に仲介してもらうこと)を共有化していたことは、昭和の戦争とは対照的で興味深いです。
一方、兵士個々人の闘争心や忠誠心に頼る白兵戦中心の戦闘、補給に対する意識不足など日本軍の特徴がすでにみられ、日露戦争の反省があれば昭和の戦争はもう少し違ったものになったのではないでしょうか。

まさに戦争だ!  (2007-01-03)
子規は逝去。文学の周辺に関しては、この巻で終わってしまうようだ。
とうとう、日露戦争が開始され、秋山兄弟の活躍が始まる。
山本権兵衛、東郷平八郎が登場。
日露戦争の緒戦までが、本巻の内容。
ロシア側の人物に関しては、ウィッテの記述がいまひとつ定まらない感じがして、落ち着きがない。
日露戦争も佳境に差し掛かる、どう物語は進むのか?

陸軍と海軍  (2006-12-27)
 日露戦争における陸軍と海軍の違いこそが、その後の日本を太平洋戦争へとすすませていったのであろう。
 山本権兵衛と山県有朋、この二人の男のちがいがよくわかった。

将のあり方  (2005-08-17)
本シリーズの主役ともいえる日露戦争の開戦前後がこの第3巻。

本シリーズを通して、痛いまでにまっすぐ、国家の為に身をささげる人々の思いをびんびん感じてきたが、中でも特に印象に残った場面があった。

日露戦争における海軍を作り上げた山本権兵衛がかつて海軍大臣を務めていたとき、日露戦争での主役となる旗艦“三笠”を英国に発注。しかしながら、資金繰り逼迫で万策つき、どうにも前払い金が払えない。時の内務大臣西郷従道は、事情を聞き終えると
『それは山本さん、買わねばいけません。だから、予算を流用するのです。むろん違憲です。議会で追及されて許してくれなんだら、二人で腹を切りましょう。二人が死んで主力艦ができればそれで結構』

本当に胸が熱くなりました。この時代にはこんな人材が少なからずそこら中にいた、、、というより、武士の魂を色濃く残す当時代の常識的な生き方なのですね。

覚悟が違います。本気度が違います。自分と比べて余りの違いに愕然としました。

本シリーズを通して上記のような精神に随所で出会うことができます。

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