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武田 邦彦

文藝春秋

グループ:Book

ランキング:110856

価格:¥ 693

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カスタマーレビュー

工学の視点から環境問題を考える  (2008-11-16)
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」で有名になった著者の早い段階の著書である。まだあまり知られていない頃の著作なので政治問題に巻き込まれず、純粋に自己の考えを述べている著書である。以後の著書の出発点となる視座が多く含まれている。

本書では著者の環境問題に対する基本的な立場を知ることができる。
大雑把に著者の主著をまとめるとリサイクルは無理・矛盾があるということである。

いくつかの無理・矛盾をあげているが、個人的に面白く感じたのは「使えば劣化する矛盾」「「下位の用途」がない矛盾」「資源をかえって浪費する矛盾」である。
どんな物質も使えば使うほど劣化する、劣化した材料をリサイクルしなければならない無理・矛盾。リサイクルしなければならないのでその劣化したリサイクル製品があふれる。使う用途がないので無理矢理ようとを考え出さなければならない無理・矛盾。そしてリサイクルすることによって新しく作り出すよりもより多くの資源を無駄遣いしてしまう現状のリサイクル産業。
著者の主張を見ると環境問題は政治問題であることがよくわかる。

著者の環境問題を語る上での立脚点は工学である。
もともと資源材料工学が専門の著者はリサイクルを工学の視点で眺めている。そしてリサイクルは資源の無駄遣いという結論に達したようだ。
特に「分離の科学」についての説明は興味深い。「捨てればゴミ、分ければ資源」というが、濃度が低ければ価値がなさないという視点、分離するための労力がかえって資源の無駄遣いになっているという状況はリサイクルの現状を考える上で貴重な意見である。

以後の著書では今ひとつ怪しいデータの扱いや論証の進め方も見られる著者であるが、本書は自分のホームグラウンドである工学の話題に絞られているため、納得して最後まで読み通せるものであった。最近の著者は完全に政治問題としての環境問題に取り込まれている観もある(意図的かもしれないが)。誰もが政治的になってしまうのが環境問題の怖さでもあるということを改めて実感する機会にもなった。

国内のリサイクル事情は分かったものの、将来世代が不安です・・・  (2008-01-21)
世界の主要都市ではリサイクルによって、資源の有効利用に半ば成功していると言われています。
特にデンマークやスウェーデンでは、ガラスや紙包装といった国内の完全リサイクルに成功しており、
更には廃棄物を輸入してリサイクルをしているため、100%の率を超えていることが、
2008年1月号の「ナショナル ジオグラフィック」に記されています。
環境面を優先するので経済的には採算が取れないケースが多いようですが、商品に使われる原料の発掘や調達から製造のコスト、
また消費や廃棄までの流れ全体からすれば、環境負荷の削減に大いに役立っているそうです。
新しい原材料からではなく、廃棄物から作るのがリサイクルですから、天然資源の浪費を防ぐだけではなく、
ゴミの埋め立てや焼却の量を減らすのにも有効ですし、その分大気汚染を防ぐことができます。
しかし何にもまして解決への一番の近道は、私たちが無駄な買い物を控える事だと痛感させられました。

武田先生の原点  (2008-01-01)
武田先生の原点というべき本です。今、読み返してみると

「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」及び「その2」よりも
リサイクル問題については、遙かに丁寧に論じられていることに気がつきます。

リサイクルの矛盾については
 使えば劣化する矛盾
 「下位の用途」がない矛盾
 国際分業を否定する矛盾
 「月給」でなく「遺産」を使う矛盾
 資源をかえって浪費する矛盾
 正反対の価値観が両立する矛盾
 毒物が混入する矛盾
 
等、7つに分け説明しています。すべてが完全に正しいというよりは、全体として
リサイクルには大いに疑問あり。という姿勢は充分納得でます。

私は基本的に、武田先生の細かいミスをあげつらうのではなく、疑問について学識者の方々
メデイアの方々等に良く研究して頂き、議論を深めて欲しい。という立場から支持しています。

マスコミ批判の本?  (2007-06-11)
激しくマスコミ批判をしているのに、書き方はマスコミ的だと思いました。
衝撃的なことが沢山載っていますが根拠が薄いです。
ページ数の問題で詳しく書けなかったのかもしれませんが
都合の良いデータを一つ出して「こういうのがあるから当然こう考えられます」じゃ
テレビとやってることは変わらないかと。
データの信憑性についても検証が足りないように思えたので
本当のことなのかウソや勘違いが並んでいるのかも判断しかねます。
インパクトの強いことを並べて
もっと深刻な問題や他の観点をボカしてしまっている気もします。
この本だけ読んで環境問題を分かった気になるのは非常に危ないと思います。
マスコミを鵜呑みにできないことは自明ですが、
マスコミ批判も鵜呑みにできないと感じました。
環境問題・温暖化問題により目を向けるキッカケになったという点では読んで良かったです。

行政や専門家には、ぜひ反論して欲しい。  (2007-06-10)
 本書の内容は我々の常識に大いに反している。事実だとしたら、我々が行っていることは何だったのかと暗い気持ちにさせられてしまう。
 現在のリサイクルを推進する行政当局や専門家には是非とも大いに反論して欲しい(実際にそのようなサイトもある。)。そうでなければ現行の政策を見直す必要があるだろう。

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