Amazon - shikencho

アイテム詳細

丸谷 才一
三浦 雅士
鹿島 茂

文藝春秋

グループ:Book

ランキング:189678

価格:¥ 1,575

ポイント:15 pt

発売日:2006-09

通常24時間以内に発送

このページのURLは
http://www.shikencho.com/shop/asin/Books/4163684204/

この商品を買った人はこんな商品も買っています。

千年紀のベスト100作品を選ぶ (知恵の森文庫)

双六で東海道

ロンドンで本を読む 最高の書評による読書案内 (知恵の森文庫)

月とメロン

日本文学史早わかり (講談社文芸文庫)

カスタマーレビュー

ドーダ理論による文学者ミシュラン。  (2008-09-01)
遠慮せずに本音で話し合っているところが面白い。
とにかく志賀直哉神話が諸悪の根源らしい。批判すると文壇内で冷遇された。本書で志賀の弟子筋は評価されてない。
埴谷雄高はドストエフスキーを、中村真一郎はプルーストを、野間宏はバルザックを誤読している。そのうえ第一次戦後派は力量もないのにやたら大作をつくろうとした。中村光夫も福田恒存も山本健吉も大した存在ではない。河上徹太郎は要らぬ。吉本隆明は出てきたらパッと後回しにしよう。安部公房、遠藤周作、小林秀雄は二分の一巻で十分。秀雄は三人ともなんだかよくわからない。鴎外と並ぶ陽ドーダ(いつも「俺が!俺が!」の人。「ドーダ、俺はこんなに偉いんだぞ。」というあからさまな自己肯定人。ポール・マッカートニー的人物のことであろう。)の典型。岡本かの子は死後書いた作品がよい。三島由紀夫にはロジックがなく日本的な意味での修辞のみある。戯曲のセリフは上手い。他の劇作家はセリフすらできてない。マチネ・ポエティックの連中は星菫組であり少女マンガ。丹羽文雄はあまりに無思想。井上靖と埴谷雄高はお隣さんとしては好い人だったろう。ハッハッハ。司馬遼太郎はチャンバラ場面がとりえ。第三の新人の作品の中には語るに足るものもなくはない。大岡昇平の戦記物にはリンチ・シーンがないところがよい。といった具合に三人で過去の有名作家達をリンチして傷口に塩をぬり込んでいる。高く評価されているのは、漱石、朔太郎、茂吉、潤一郎、安吾など。牧野信一と安部公房の評価が低すぎると思う。横光の「機械」は傑作だろう。19世紀ロシア文学をあまり評価しない珍しい人達だ。日本の私小説も過小評価されている。私は求道的な小説も暗くて社会性のない私小説もけっこう好きだ。

半分マジな文学漫談  (2008-04-03)
「新しい世界文学全集を作ります。どの作品を入れますか?」というトピックで三人が
熱く語り合う。語り合うのが「文学大好き名無しさん」ではなく、丸谷才一、鹿島茂
三浦雅士という面々なのがこの本のちょっとだけ贅沢なところ。
基本はバカ話。「ここでサブカル入れときましょう」「艶本で一巻作りましょう」とか
「吉田健一で一冊」などやりたい放題。いいんです。どうせ実現不可能なんだから。
いまどき「世界文学全集」というような教養的読書なんてもちろん流行りません。けれど
この本の中で指摘されているように「村上春樹も小川洋子も世界文学全集を読んで育って
いる」のは間違いないように思えます。そしてその読書体験が「身の回りを書きつくして消え
ていく」若い世代の作家との最大の違いである可能性も、やはり無いとはいいきれないと
思うのです・・・・

勝手に言ってな、ケッ・・・と  (2007-05-28)
 もちろん、「編者」たちに本気で全集を立ち上げる気などない。外国語作品も既訳から選ぶ算段らしく、つまり収録作品は既に本邦に流通しているワケだから、読みたければ書店その他に走ればよい。ま、要はちょっと捻りの効いた読書案内。

 ただそれなりに野心はあって、冒頭から丸谷が「現代の文学的キャノンを樹立しよう。そのラインナップによって、新しい世界文学の見方を提供しよう」(p8、p13他)と大上段に振りかぶり、鹿島・三浦も同調する。その虚とも実ともつかぬ放談を楽しむ本。

 しかし嫌味と言えばこれほど嫌味な本もない。ゴシップも織り交ぜ古今東西の作家・作品について繰り広げられる品定めに傾聴に値する意見も少なくないものの、そうした侃々諤々の舞台裏を公開しようという本書の企画自体が、キャノンの聖性を損なっている。丸谷はそれを「遊び心」の一言で救ってしまいそうだが、私としては「パーティで政治演説をする野暮」(p277)を承知で、愚直に「アンタたち、キャノンなんて毛ほども信じてないくせに!」と食いついてみたい。

 それにしても、『出生の秘密』を読んだ時も「アレ?」と思ったのだが、三浦の丸谷への摺り寄り振りには納得がいかない。かつて柄谷行人とぴったり寄り添っていた人間として、何か一言、挨拶があって良さそうなもんじゃネェのかい? 「江戸文学研究家」(p157)が聞いて呆れらァ。

世界文学漫談と日本文学噂話  (2007-02-14)
台詞の上に名前が書かれていなくても誰が発言したかわかるほど個性的な面々による文学漫談。文学者としてビジョンを打ち出す丸谷才一に、どこか投げ遣りな鹿島茂。批評家としての主張を通そうとする三浦雅士。特に三浦雅士が、「『月夜だけとは限らない』と言われますよ、きっと」などと脅したりすかしたりしながら二人を説得し、主張が通ると「ありがとうございます」などと礼をいうところなど面白い。結局、求道的大河小説のない世界文学全集をつくろうという方針通り『ジャン・クリストフ』も『チボー家』もない原案が出来上がる。フランス文学32巻、ロシア文学10巻、ドイツ文学13巻。中国文学に至っては5巻。

日本文学は、「いま読んで面白いこと」を最大の基準に、なんと『古事記』も親鸞も入った全集が出来上がっていく。しかも芥川が落選しそうになるが何とか救われる。でも『真珠夫人』の菊池寛と抱き合わせ。日本文学は当然時代が下れば下るほど噂話になり、極め付けが「ドーダ」。これは東海林さだお氏の「ドーダ学」を拝借して「ドーダ、俺はこんなにエライんだぞ」と自慢することを意味し、森鴎外や幸田露伴は「ドーダ」の典型と決め付けられる。さらに、その「ドーダ」を「俺が俺が」というあからさまな自己肯定の「陽ドーダ」と装われた謙遜である「陰ドーダ」に分類し、鴎外や子規、それに小林秀雄は陽ドーダ、露伴は陰ドーダと言いたい放題。野間宏などはスピーチが長い、節度がないとまで悪口を言われる。日本文学編は芥川を救った司会の湯川豊がいい味を出している。

贔屓の作家が評価されると自分の鑑識眼が褒められたかのような気分になり、逆に分量が減らされると腹が立ち、心の中で反論を始めてしまう。前から気になっていたけれど読んでいない作家や作品名の解説を読んで、読んでみたいと意欲を掻き立てられた。全集の巻立てはともかく楽しく読める。

面白すぎる与太話:架空だからこそ  (2006-12-14)
丸谷才一大先生を中心として、世界文学133冊、日本文学古典88冊、近代84冊の全305冊の架空に及ぶ大全集の内容を決定していく鼎談(日本文学は実際には四人だけど)。勿論みんな勝手なことを言いながらやっていくわけで、その談義そのものがまず面白い。どうせ架空なのだし売れ行きを気にすることもないし、歯に衣を着せずというか、よく考えると悪口雑言集だ。そしてもうひとつ、自分が如何に読んでいないかということの再確認と、どのようにお三方に評価されているかとは関わりなく興味を惹かれる作品との出会いの糸口となりうるという意味で、意義深い本でもある。正直、自分の中での文学評価とは相容れないものがあまりにも多く、実現したとしても全部そろえることはなかろうが・・世の人々が文学から遠ざかりつつある現在、こういう「文学への勧誘」もあり、ということですね。ただ、話題づくりのためかちょっとタメニスル的な議論も多いなあと感じるので、とりあえず星四つにした。

Special Menu

Category Menu