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文藝春秋
グループ:Book
ランキング:6852
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発売日:2005-08-05
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カスタマーレビュー ![]()
その日をむかえる時。
(2008-09-27)
重松さんの話には、いつもいつも泣かされる。
ほろっとこぼれる涙ではなく、涙が溢れて止まらない。
今回、一番胸にきたのはいまどきのだるい高校生「トシ君」とどんぐりみたいな体型の「母ちゃん」の話。
私自身、母一人、子一人であるが、子どもが成人するまでは絶対に死にたくないと思う。
けれど、死は人を選ばない。
いつ誰にでも、それはおきる。
突然のこともあるが、たいていの場合人は時間をかけてゆっくり死んでいく。
自分の大切な誰かをゆっくりと失う時、自分自身がこの世から近い将来消えるのだと知った時、「その日」を人はどう迎えるのか。
大切な人が沢山いるほど死はつらいだろうと思う。
けれど、やはり大切な人がたくさんいる中でその日をむかえたいと思った。
死をどのように受け入れるか
(2008-07-23)
死に対して考えさせられた話だった。7つの物語もすべてつながっていて、最初に出てきた登場人物たちもすべて最後の「その日のまえに」という物語以降登場しており、見事な構成だと思った。特に感動したのが、一番最後の和美の話だった。新婚の頃生活していた街を夫婦で訪れ、その頃の想い出を語り合う場面は印象的で、本当に楽しそうに話す和美がとても魅力的に感じられた。
動じない強さ
(2008-05-27)
短編すべてに横たわる“日常の中の死”。
突然の訪れであるからこそ、一瞬一瞬があまりにも大切に見える。
非日常の出来事であるからこそ、冷徹な現実を直視できてしまう。
あまり経験したく無いような展開が繰り広げられる世界に何度も涙をこぼしそうになりました。
世の中には色んな怖いものがありますが、一番怖いのは今立っている足元が一気に崩れるようなそういう出来事なんだなと思います。
そんな瞬間を恐れながら、毎日自分は生きているのだと思うと、もっと深く広く、
そして動じない力強さをつけながら生きたいと思いました。
生きる(死ぬ)ということはどういうことか
(2008-04-11)
冒頭の『ひこうき雲』。
小学校6年生の嫌われ者「ガンリュウ」は,同級生たちとは異なり,一人死に行く。
《どうして,ガンリュウだけ,なのだろう。僕たちとガンリュウの違いはどこにあったのだろう。たまたま? 運が悪かったから? 運命?》(40頁)
そう不安になった少年も大人になる。妻の祖母がアルツハイマーになり,施設に入所している。見舞いに行くと,連れて帰ってもらえるのだと喜んでは,ぬか喜び・・・の繰り返しの祖母。
《もしも神さまがいるのなら―そして,ひとの命の行方は神さまが決めるものなのだとしたら,おばあちゃんは誰よりも長生きをするよう,神さまに選ばれてしまったのだろうか。ガンリュウを僕たちの世界から引き離して,遠くへ連れて行ってしまったのも,同じ神さまのしわざなのだろうか。》(43頁)
『ひこうき雲』からスタートして,色々な「死を見つめる」視点のあり方を描写した後,妻「和美」を失う「僕」の『その日のまえに』『その日』『その日のあとで』と続く,一連の連作短編集。構成のうまさも光るが,「人が生きる(死ぬ)とはどういうことなのか」を考えさせる契機になる作品だった。
泣けないんだよなぁ。この題材にして。
(2008-02-22)
7編のオムニバスで、なんとなく、それぞれの話が、ラストのその日に絡んでくるカンジで
上手くできてます。
話も美しく、心温まるカンジもある。
けれど、人の死が題材なわりに、キレイにまとまりすぎて
なんかテレビドラマでも見てる気分になる。
とくに、最後の「その日」3部作は、作りすぎで
ドラマでも、かなりメロドラマで、なんか、げんなりしてしまった。
残される者、残していく者の、あらがえない事実にあらがう感情が
もっとあってもいいかなーって思った。
この小説にかかれてる、穏やかさって、その後に訪れるものだと思う。
その静かな悲しみと穏やかさだけを、差し出されても
もうひとつピンと来ないんです。
まぁ、でも。
ものすごく、よく出来てる。
他の話で出てくるひとの、絡みも絶妙だし
くさいけど、おしゃれなカンジもあるし
・・・でも、泣けないんだよなぁ。この題材にして。

