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中央公論新社
グループ:Book
ランキング:136126
価格:¥ 620
発売日:2006-09
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カスタマーレビュー ![]()
ただの恋愛小説ではなく、一つの人生観が見える
(2007-06-24)
2006年11月に黒谷友香主演の『短歌』というタイトルで
映画化された作品。
物語中、結構頻繁に短歌が挿入されている。
まあでも面白さは短歌にあるというより、ストーリーにある。
よほど短歌が好きな人以外には、短歌はスパイスというか付録というか、
そういう役割をするものだろう。
35歳の薫里が主人公。
45歳のMと不倫8年目に入った薫里が、
27歳の圭ちゃんとの交際を始めて…という話。
薫里の友人である美佳との会話や母との会話や本人の心の描写などに、
35歳ならではの様々な思いが描かれる。
特に最後の子供を欲しいのか別に要らないのかといった葛藤は、
何とも言えない魅力を感じる、
そして結論が出ないところもまたこれいいのかもしれない。
物語の展開だけではなく、主人公のものの考え方のようなものにも引き込まれ、
一気に読み終えてしまった。
まあ展開的には普通の恋愛小説といってしまえばそうかもしれないが、
こういうのを読むたびに、
本当にこういう経験をしている人は世の中にどれくらいいるのだろうと、
社会人なりたての28歳の私は思うわけである。
もちろん映画は見たくなるし、
俵万智の他の作品も読んでみたくなるような作品でした。
古典文学のように
(2007-04-09)
短歌が随所にちりばめられ、小説と短歌のバランスが絶妙でした。
このあたりはまるで古典文学のよう。
文章だけでは描ききれない心情が短歌で見事に表現されているんですね。
この作品ではタイトルどおりの三角関係を描いているわけですが
文章の淡白さとはうらはらに
濃密な恋愛感が語られているように思われます。
かなり私小説的な部分もあったのではないでしょうか。
この作品の主人公のような恋愛感を否定する人も多いでしょうが
意外と共感した人も多かったのではないでしょうか?
私は共感したひとりです。
一気に読みました
(2006-11-08)
作者の短歌のファンではあるが、これは小説なので敬遠していた。しかし、読んでみたらこれはビックリ。安定した関係を持っている落ち着いた中年男がいるのに、若い男の子へも好意を抱いてしまう主人公といえば、ありがちなストーリーに見えるが、この二人がどっちも魅力的に描かれていて、話にどんどん引き込まれてしまった。
短歌で養われたのか、生来のものなのか、観察力と表現力が只者ではありません。例えば・・・ 気持ちの移り変わりによって、生理的感覚までが微妙に変化していくあたりの描写が、意地悪くて面白い。また、作中では短歌が上手く生かされていて、主人公の作った短歌で、「浮気」がばれそうになるなど、スリリングな展開に直接結びついたりもする。
さらっと読めたが、大変楽しめました。
本編はもちろんの事、解説も最高!
(2006-10-30)
黒谷友香主演の映画「TANKA」の予告CMに触発されて原作本を手に取りました。
恋をする主人公を通して、女心の情緒や揺れ動く浮遊感など恋する女性独特の特徴が余すところなく反映されて素晴らしい作品だと思いました。
「恋愛」「結婚」「出産」・・・女の生き方
(2006-10-17)
歌人俵万智の作品らしく、歌を繋いでゆく形式の小説になっています。
主人公は、30代のフリーの女性ライターです。彼女は、Mと不倫の関係で長い期間心地よい状態を続けています。そこに、若い圭ちゃんとも新しい関係を持つようになります。そんな30代女性が、「恋愛」「結婚」「出産」の関係を考え、自らの生き方を探してゆく物語です。
「恋愛」の先に「結婚」はなく、当然「出産」も視野にはなく、現在の「恋愛」から得るものが多く満足しています。そんな自らの生き方を釧路川の蛇行に擬えたりします。そんな彼女が選んだ道は・・・。
女性の生き方を恋愛小説の形を取りながら追求してゆく物語です。でも、その淡々とした文章と、その間に挿入される歌によって、非常な柔らかな形の中に、オブラートに包まれた様に描かれているので、それほど肩肘張ったものにはなっていず、主人公の選択も素直に受け止められます。心地よい読後感の残る作品です。
沢山ある歌の中で一番気に入った歌は、
「なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き」
でした。

