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田中 芳樹

中央公論新社

グループ:Book

ランキング:62167

価格:¥ 660

発売日:2000-12

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カスタマーレビュー

『風よ万里を翔けよ』  (2008-10-18)
空想上の人物であると考えられている花木蘭の女将としての勇姿を中心に描かれているが、武勇に長けていことの経緯などが不明瞭なため、誇大な印象を受けた。
だが、『隋唐演義』などの影響を受けずに一から調べ挙げた上で小説としてまとめられており、希少価値を含めると採点以上の内容ではないかと思います。

鮮烈なヒロイン像が魅力的。歴史小説家としての田中芳樹も注目!  (2007-02-11)
身体が不自由な父の代わりに女であることを隠し、軍に身を投じた少女、花木蘭の伝承を元に描かれた。
悪帝として名高い隋の煬帝の治世に始まり、隋から唐へ代わっていく動乱の時代を背景に、著者は鮮烈で魅力的なヒロインを生み出した。
司馬遼太郎は「韃靼疾風録」で、明から清へと代わっていく動乱の時代を背景に、日本の青年武士と女真族の王女の恋愛と活躍を入り口に、明が滅び清が興っていくダイナミックな歴史ドラマを描いたが、本書でも同様の描き方が見える。
ヒロイン花木蘭と彼女が密かに思慕を寄せる同僚賀廷玉(彼は木蘭が女性であることを気づいていない)の活躍を描きつつ、著者の筆は隋が自壊し唐が興っていく動乱を骨太に描く。基本的に史実に基づいた登場人物は、快男児、豪傑、野心家、義臣、義賊、悪帝入り乱れて魅力的だ(中国ものにしては珍しく悪臣がほとんど現れないのは煬帝の悪辣ぶりが際だっているからだろうか)。
著者の硬質の筆致は歴史小説にぴったりだ。ヒロインの魅力がもう少し描いても良いかなと思いながら、そのさじ加減も計算されたものか。
著者の本書の後、同じ時代を描いた「隋唐演技」を翻訳している。
なお花木蘭の伝承はディズニーが映画化し「ムーラン」となった(ただし時代設定等は本書とは異なっている)。

作劇技術の高さに瞠目  (2005-07-26)
 物語の時代設定は、隋王朝の勃興からその滅亡まで。主人公である花木蘭は、年老いた父の代わりに、煬帝の起こした第一次高句麗討伐軍に女性の身でありながら、男装して従軍し、その後、衰退していく隋王朝に襲い掛かる様々な反乱軍との激戦に遭遇する。そこでの男装の麗人の活躍の痛快な活躍というのが、本書の見所だ。 
 筆者は、漢文テイストを感じさせる引き締まった硬質の文体で、種々の歴史書・漢詩を自在に引用し、この時代の歴史・文化、多種多様な人々、暴君・君側の奸・野心家・誠忠清廉の士そして、武略に秀でた英雄たちの姿を活写する。特に、合戦シーンは臨場感を感じさせ、迫力がある。長年、エンターテイメントを書き続けた人だけあって物語の緊張と緩和の絶妙なバランス、歴史的事実に作家的想像を加える作劇技術の高さには瞠目せしむるものがある。叙述も整理されており、きびきびと面白い話を読ませてくれる。
 本書はまさに、歴史好きには堪えられない一作だろう。

時代背景も丁寧に描写されている巨編  (2004-06-29)
ディズニーの映画を見て、このお話のことを知りました。

女の子が男装して戦場に赴くという自分好みの設定に惹かれて呼んだのですが、昨今やたら表面を撫でるだけの時代小説が氾濫している中で、この小説はその時代背景が丁寧に描写されていて、主人公の生きた世界が奥行きを持って感じられました。ただ、時代描写が多い分、肝心の主人公の内面がよくわからなかった。普通、男に混じって戦場生活をおくったらもっと大変なことがたくさんあるに違いない、と考えてしまうのですが。田中 芳樹 氏によると、そのように考える人は、はじめからこのお話を読むべきではないということです。

良作  (2004-05-13)
 隋の煬帝って、そんなひとだったのか。と改めて知ります。(主人公ではないけれど。)
 小説としては、手堅くまとめてありますが、銀河英雄伝説のように、哲学的な主張をもっと一貫して主人公に述べさせてあれば、「読みかえしたくなる本」になったのに。。。でもそんな主張はうざったいひとには、すがすがしくていいかもしれない。

 情景描写は、さすが田中氏。ぐいぐい引き込まれて行きます。この作品を面白いと思われたかたは、田中氏の中国モノとしては、長江落日賦をお奨め。中国モノのエンターテイメント系であれば、宮城谷氏の孟嘗君もお奨め。

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