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中央公論新社
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価格:¥ 861
発売日:2002-07
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若手行員が見た銀行内部事情―なぜ僕は希望に満ちて入社したメガバンクをわずか2年足らずで退職したのか
カスタマーレビュー ![]()
日本の銀行がなぜだめか
(2005-07-17)
~非常に面白かった。日本の銀行の体質がよくわかった。内容のすべてを理解するにはそれなりの知識がいる。しかし、わからない部分はそのままとばし読んでも読み応えは十分だ。内部事情についてもかなり詳しく書いている。そのへんもまた、驚くことが多かった。
日米の銀行が比較されていることで、いかに日本の銀行が旧態依然としたもので、それを許してい~~る国民の甘さもわかった。日本の銀行は田舎の食堂であるというたとえはわかりやすかった。メニューも少なく、味もまずい田舎食堂で満足している国民がほとんどだということも痛い指摘だ。一方で、進んでいるはずの米国の銀行にも問題点があることが指摘されている。アメリカの金融界は「創造と自滅の歴史」を繰り返しているという点でも、ダイナミックだ。
~~ ~
現代金融史テキスト
(2005-03-30)
タイトルを見る限りではスキャンダラスな印象を受け、銀行関係者の暴露本かと思わせてしまう。確かに我々が驚くべき事態も記載されているが、それよりも優れて面白いのは、日米銀行の経営戦略である。
たとえば90年代、復活を遂げたシティバンクのジョン・リード会長はファイブ・ポイント・プランを立ち上げ、LBO融資の失敗からの再生を図った。そのプランとは
1、経営再建のための資源の集中(Concentration)
2、徹底した経費削減(Cost)
3、自己資本の強化(Capital)
4、コア・ビジネスの確立(Core Bussiness)
5、顧客中心主義の徹底(Customer)
まさに現代経営の見本たるものであった。リエンジニアリングの成功例としても価値ある事例だ。石油危機を初めとした不況と80年代の失敗から米国の銀行は、利ざや抜きに限界を感じ、新たなビジネスチャンスを求めて発展を遂げた。日本の銀行は
1、チャレンジ精神
2、顧客サービス
3、リスクの管理
という3つの面で完全に先を越された。筆者は、これこそが日米銀行の明暗を分けた根本要因なのだ、と説く。これに対し日本の銀行は、石油危機以降も『利ざや抜き』以外の手法は思いつかず、金利ダンピングによるマーケットシェア拡大を繰り広げていた。この点は下手な製造業と同一である。キャリアとノンキャリアの格差は情報の非対称を生み出し、まともな査定は決して行われることはなかった。80年代中ごろは『彼らににつづけ』と叫ばれるほどの成功を収めた住友銀行も、その経営戦略はマッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルティングによるものだった。しかも当時の頭取・磯田氏は、中でも最も大切な部分であった『融資先のリスク管理』を捨ててしまった。経営者の学習には失敗も大切だが『立ち直れないほどの大失敗は別だ』(三枝『戦略プロフェッショナル』より)。
無論、本書を金融ビジネスの歴史書として読むのも良い。ただし学生を初めとした、実務経験のないものが読んでも、あまりわからないと思う(僕が実際にそうだった)。ビジネスマン向けである。
銀行の経営戦略よりも、銀行のスキャンダルのほうが受けが良いのは事実である。しかし、本書のように現場体験と分析力に富んだメディアはいつの時代も必要である。もしも本書の筆者が日経新聞や週刊東洋経済なんかでライターをしていたら、あるいは……
ミクロとマクロの接点について考えさせられる本
(2003-06-29)
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誤算というより真相?
(2003-04-02)
日米の銀行比較や金融商品の歴史的背景の説明などで多少、専門用語やら仕組みが難しい部分もあった。しかし後半の章で、邦銀の問題は突き詰めれば「人事」に辿り着き、将来への解決の処方箋が分かり易く書かれてあった。日本の金融業界を「田舎町の食堂」に喩えたあたりは言い得て妙である。
それにしても銀行員って給料がいいんですね。
確かな座標軸に位置づけられた豊富な話題
(2003-02-04)
こんなに凄い本が新書の形で出版されたことは驚きである。しかも読みやすい。
我が国の銀行をめぐる豊富な話題が、確かな座標軸に位置づけられて提示され、邦銀の現代史が米銀との対比で語られている。話題の一つ一つが示唆に富み、米国金融機関の歴史についても手際よく整理されている。
見方によっては、よくできた後講釈ということもできよう。しかし、日本の銀行についてこんなによくできた後講釈を評者は知らない。よくできた後講釈なしには的確な将来展望も描けまい。本書の、現実に根ざした透徹した視線は、エリート行員として長い間内部から銀行を見続けてきた著者ならではのものであろう。
邦銀の現状と今後に関心のあるすべての人の必読書である。

