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野中 郁次郎

中央公論社

グループ:Book

ランキング:47103

価格:¥ 756

発売日:1995-11

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カスタマーレビュー

組織論の視点から米海兵隊の歴史的発展を分析する  (2006-10-01)
アメリカ海兵隊といえば、我々にとっては「太平洋戦争当時にガダルカナルや硫黄島で日本軍と激闘を交えた米軍の水陸両用戦部隊」というイメージが強いです。でも太平洋戦争開始前に米海兵隊がどういった存在なのか。彼らがどのような歴史的経緯を経て現在の姿になったのか。それらについては意外と知られていないのではないでしょうか。
本書では米海兵隊の誕生から様々な戦いを経て現在の姿に至るまでの経緯を追っています。艦上における警察官としての役割からその歴史が始まった米海兵隊は、やがて前進基地防御という新しい任務を獲得し、さらに日本の脅威が顕在化してくると「水陸両用作戦」という新しい任務を創出していきました。そして太平洋戦争における日本軍との激闘は、その概念をより発展させることになりました。
その後朝鮮、ベトナムの戦いを経た米海兵隊は「海兵・空・陸機動部隊」(MAGTF)という概念を生み出し、それを具現化するためにV/STOL攻撃機、海上事前集積艦(MPS)、揚陸戦強襲艦(LHA)等を開発していきました。そして今日、米海兵隊は緊急展開部隊の中核として、戦場に真っ先に投入されて敵と戦う役割を担っています。

本書の最後に「米海兵隊が如何にして自己革新を遂げていったのか」を筆者が分析しています。非営利組織である米海兵隊が現在の姿に発展できたのは何故か?。常にその存在に疑問が投げかけられながらも現在まで生き残って来られたのは何故か?。それらの問いかけに対し、筆者は組織論の視点から興味深い分析を提供しています。

初版が1995年ということで、時期的にはやや古さを感じさせる内容にはなっています。しかし米海兵隊という組織について考え直してみるキッカケとしては好適な著作といえるでしょう。常にダイナミックに変化する組織としての米海兵隊。そんな側面を読み取ることができるという点で本書はお奨めしたい作品です。

小泉改革は、日本最大の非営利型の問題組織への、進化論的淘汰圧力である。  (2006-05-14)
 
本書を読むきっかけは
1)『アメリカ海兵隊式 最強の組織/日経BP社』を読んで
  アメリカの海兵隊に興味を持ったこと、
2)知識創造に関して著書の多い、野中郁次郎さんだったこと
です。

 普通は、陸海空の三軍という分け方が一般的ですが、海兵隊はその生
い立ちの時から、海軍か陸軍か? 海軍でも陸軍でもない/海軍と陸軍
の一部に吸収されるべきか? という、存在意義を問われる立場(すな
わち、存在価値を自己主張し続けなければならない立場)に、常に置か
れて来ました。だから、周辺情勢に応じて、常に、自己の存在意義(他
の軍種との役割分担)を変化させ続くけてきました。
 このような分析は、『アメリカ海兵隊式 最強の組織/日経BP社』にもあります。

 本書の特徴は、軍隊という非営利組織でありながら、なぜ自己革新し
続けることが出来たのか、という観点から迫っていることです。
 戦争の勝敗は死活問題ですから、軍隊というものは、とかく
1)有事中は、経済性を無視しても、性能や機能性優先し、組織肥大になり易い。
2)平和時は、肥大化した組織を維持する為に、自己保身(あるいは成功体験に
  よる硬直思想)に陥り易い。
のです。
 海兵隊は、「周辺情勢に応じて自らが変化しなければ、自らが存在しなくなる。」
という組織文化が根付いているからだ、というのが、本書の示す回答です。

さて、余談ですが
動き出したら止まらない、日本の国家的土木プロジェクト。。。
予算を余らせると次年度から予算減額(部署縮小)されるから、予算
消化(税金の無駄使い)する官僚組織の体質。。。。
こちらの非営利型組織には、海兵隊の爪の垢を煎じて飲んでもらいたいものです。

アメリカ海兵隊の軍事的非合理性  (2004-12-11)
私が本書から強く感じ取ったのは「アメリカ海兵隊の軍事的非合理性」であり、副題にある「非営利型組織の自己革新」ではない。

『失敗の本質』にも書かれていたが、大東亜戦争で日本軍が負けたのは軍事的合理性を貫けなかったことに大きな原因があると思っていたので、その対極として、いかにアメリカ海兵隊が軍事的合理性に貫かれた組織であり続けたのかを知ろう思い、本書を手にしたのである。

しかしそこに描かれていた海兵隊の実体は、冷徹な軍事的合理性のみに貫かれた組織でなく、新兵訓練でしごかれた者同士の間に生まれる絆を重視し、数打ちゃ当たる式のマシンガンでなく一発一殺のライフルマンであることを基本とし、危険を冒してでも死傷者を収容すると言うものであった。

身を投じて敵手榴弾から仲間を救った黒人海兵隊員の名前がフリゲート艦の艦名になっている逸話などからも、誇りや絆や信頼と言ったものを基本としてアメリカ海兵隊と言う組織が成り立っていることを知らしめてくれた著作である。

大満足です。  (2004-07-25)
戦争・軍事関係に関心がある方ならば満足できる1冊です。●「前衛基地の防衛」が主任務である草創期の海兵隊がやがて「敵前強襲揚陸部隊」として成長し、第2次世界大戦・朝鮮戦争・ベトナム戦争、湾岸戦争などを経て米軍のシンボルになる様子が興味深く描かれています。●「戦争学」などで戦史を俯瞰した後で細部に肉付けしたい人には格好の教材です。

自己正当化  (2003-12-15)
筆者は経営学者で組織論が中心として研究している。過
去にも、軍事関連で失敗から学ぶ研究を行っているが、
今回は軍事オタク向けの本かもしれない。
しかし、内容は海兵隊が何度も廃止の方向で検討されつ
つも、生き残っているのはなぜかについての本であり、
組織が自己正当化しているだけのように読める。

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