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石津 朋之

中央公論新社

グループ:Book

ランキング:52819

価格:¥ 2,520

ポイント:25 pt

発売日:2008-02

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カスタマーレビュー

20世紀の戦争とそれへの処方箋の試み  (2008-04-10)
著者である石津朋之氏はリデルハートや戦略論についての著作を数々刊行している専門家である。本書はリデルハートについての包括的な伝記です。本書ではリデルハートの生涯とともに、リデルハートの思想を丹念に追いその思想が彼の生涯、さまざまな思想的な影響との関連の中で叙述されている。その際には、リデルハートが彼の所論を展開した時代的背景や他の思想家の思想についても詳細に述べられており、本書はリデルハートが生きた時代をリデルハートの戦略思想を手がかりに包括的に扱ったものといえる。本書はリデルハートの所論をそのリベラル性という観点から照射している。本書によればリデルハートはこのリベラルな戦争観によって、破壊力を増した20世紀の戦争に対してなんらかの処方箋を提供しようと試みたのであった。
説明も丁寧でわかりやすく、多くの人にもとりつきやすいものといえる。

日本にも戦略思想家がいた  (2008-04-06)
日本の大手出版社から戦争に関する本格的な書が出るようになったこと自体に深い感慨を覚えます。石津先生は本書のなかで謙遜されていますが、おそらくこの本は、英語で出版しても高く評価されるであろう内容ではないでしょうか。今までの戦略家の評伝や解説では絶対に考えられない高い水準です。学問としての戦略学が日本にも根付き始めているなと感じました。日本にも戦略思想家がいたのですね。

リデルハートへの愛  (2008-04-02)
 リデルハートの著作の邦訳は多数出版されているが、日本語で書かれたリデルハートの評伝はほとんど見当たらない。本書はその意味で初の試みであり、その内容もかなり本格的なものである。
 リデルハートの戦略思想が第一次大戦の従軍経験にあることは有名な話であるが、彼が戦争に参加していたのは大戦初期のほんのわずかな期間であったこと、また戦間期はテニスの評論家として著名であったことなど、興味深いエピソードが散りばめられている。
 しかし本書の白眉は、リデルハート戦略思想への再評価である。リデルハートの著作には、矛盾点や間違いが散見されるため、欧米の識者はリデルハートの軍事戦略に否定的であるようだが、著者は国家戦略的な観点から見れば、リデルハートの戦略思想は現代でも十分通用するのではないかと指摘している。著者は客観的なリデルハート戦略思想への批評を行っているが、その行間からはリデルハートへの愛が読み取れて興味深い。
 下手な戦略論を読むよりは、20世紀半ばに執筆されたリデルハートの著作を紐解いたほうが示唆に富むこともあるだろう。本書はそのようなリデルハートの戦略思想について、わかり易く初学者にも説いてくれるのである。

歴史に残る名著  (2008-03-10)
待望の石津朋之さんの単著。それもリデルハートの評伝ですので買わない手はない。本を購入したあと一気に読み終えました。凄いの一言。この本はリデルハートの評伝ですが、石津さんはリデルハートの戦略思想を説明しながら、日本の将来の国家戦略についても熱く語っています。評伝のレベルは超一流。孫子やクラウゼヴィッツのものを含めて、わが国で書かれた戦略家の評伝としては傑出しています。

「戦略とは何か」を知りたい人へ  (2008-03-05)
戦略本というと、皆さんはどのような内容を連想するだろうか?
経営戦略などに代表されるような、何らかの問題を解決するためのHOW TOものか。それとも、漢文や英文の逐語訳のような学術ものか。この本は、そのいずれとも違う。

著者は「戦略とは、単なるHOW TOではなく、その人の戦争感、歴史観、精神のあり方、一種のものの見方あるいは感覚なのである」と述べている。それゆえに、優れた戦略家の著述は、時代を超えて研究の対象となっているわけだ。紀元前5世紀の孫子や19世紀初のクラウゼヴィッツなどがその典型例であろう。
知っている人には当たり前のことかもしれないが、戦略本ことに軍事思想家の著書を、「戦争のやり方を説明しているノウハウ本」としか考えていない人にとっては目から鱗ものである。

本書は、20世紀を代表するイギリスの戦略家・リデルハートの生涯とその思想を紹介しているが、上記のような視点でとらえているので、広く「戦略とは何か?」ということが理解できる。
また、リデルハートの思想の背景として、第1次世界大戦や古代から現代までのヨーロッパの軍事思想にも触れているので、リデルハート自身に興味がなくとも、戦略全般について関心のある人にはとても有意義なものと思われる。

高度なテーマを扱った学術本だが、文章は平易で読みやすい。
世にはびこる「戦略本」にうんざりしたら、この本を読んで「目から鱗」を落としてみませんか?

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