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野上 照代

中央公論新社

グループ:Book

ランキング:128423

価格:¥ 1,155

ポイント:11 pt

発売日:2007-12

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カスタマーレビュー

読む人に―おせっかいを一言  (2008-01-09)
レビューではありません。
「母べえ」は「手紙」が中心で、短く且つ読みやすいので、1時間〜2時間で読むことができるでしょう。(丁寧に読んでも)
おせっかいを一言……「母べえ」の読了後、続いて著者の「あとがき」を是非読んでいただきたい。「あとがき」を読まないと大きな誤解が生じます。
しかし、「あとがき」を読むと「母べえ」の感銘が薄れることは否めません。ノン・フィクションの難しいところでしょう。
 大切なこと……「あとがき」は先に読まないで、先ず「母べえ」を読んで下さい。
追伸:フランクルの名著「夜と霧」の「ユーモアもまた自己維持のための闘いにおける心の武器である」(第4章「非情の世界に抗して」より)という言葉を記しておきたい。

母べえを中心とした「家族」の結束  (2007-12-29)
山田洋次監督によって、「母べえ」として映画化されなければ、こうして単行本かされなかったろうし、私自身も読むことはなかったでしょう。
本作は、女性ヒューマン・ドキュメンタリー大賞を受賞していて、その時のタイトルは「父へのレクイエム」でした。今回、映画化に合わせて改題されたわけです。

内容は、悪名高い「治安維持法」によって、冬の早暁に逮捕されてから、年も押し迫った3年後に獄死するまでの残された家族の生活と、父親との書簡の交換で構成されています。
父親を奪われ男手を失った家族の生活は苦しく、暗くなりがちだったのではないかと想像します。でも、作者(妹、照べえ)の語る口には、微塵もそうした暗さや卑屈さが感じられません。唯一、多感期にこの時期が重なった姉が神経質になる部分があるだけです。こうした苦しい中にも明るさに満ちあふれ、時にユーモアをまじえた表現が、読むものにほっとした安心感を与えます。
そうした家族の日常を描いているのですが、父親からの手紙が届かなくなったり、黒く塗りつぶされている部分が多くなってくるところに、悪化する戦況を反映し、規制の厳しさが増してゆくところが感じられます。もちろん、手紙の中に出てくる一つ一つの単語に、当時を感じさせられます。
そうした反戦的な意味合いも十分に感じられるのですが、それよりも一層、母べえを中心とした「家族」の結束を感じさせられます。だからこそ「母べえ」なのでしょう。
短い文章の中に、作者の思いが十分に伝わってくる作品でした。

尚、山田洋次監督が「『母べえ』が映画になるまで」、吉永小百合が「あの頃のお母さん」という文章を送っています。

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