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新潮社
グループ:Book
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発売日:2004-09-18
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文化財は誰が保有する権利を持つのか
(2005-03-31)
大英博物館、ルーブル美術館、メトロポリタン美術館…等々。これらの博物館や美術館、あるいは広場には本来その国のものではない貴重な文化財が展示されている。なぜ西欧やアメリカなどの国々にギリシャやエジプトの文化財が当然のごとく展示されているのか。それらの館長たちは口を揃えてこう主張する。我々は発展途上国の未熟な管理から貴重な文化財を守った、我々はある一つの国の市民だけではなく全ての国の人々に奉仕しているのだ、と。
この本はこうした先進大国に保管されている文化財の返還を求める原保有国(ここではギリシャ)と、現在の保有者(ここでは大英博物館)のまさしく泥沼の争いの歴史を明らかにしている。略奪物とその返還というように割り切って考えられるのならば話は早いのだが、事はそう単純ではない。そもそも略奪であったかどうかが論争の焦点の一つとなっているし、保管者は文化財を保管することでささやかな利益も得ている。あれこれと理由が挙げられては、結局返還はされないままなのだ。
このような文化財や美術品をめぐって繰り広げられる醜い争い。世界各地で問題を引き起こしている文化的ナショナリズムの高まり、その代表的事例を克明に描いた本書。読み物としては並の域を出ていないが、意義を高く評価し星4を付けさせていただいた。

