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新潮社
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カスタマーレビュー ![]()
人類の深淵に潜む怖ろしい力に掴まれた男
(2008-02-18)
書によれば、陸田氏は心理学を嫌っているのが解る。
ぜひ、この書を読む前に、心理学者の河合隼雄の『コンプレックス』を
熟読される事をお勧めしたい。(できれば『影の現象学』も合わせて)
なんという事だろう、河合隼雄が述べている、エディプス、プロメテウス、元型
といった事柄と、陸田氏の告白、行動が見事に重なってくるではないか!
つまり、陸田という男は自分でも知らないうちに、無意識の深淵に存在する力に
掴まり、それに動かされていたのだという事が理解されるであろう。
(もちろん、本人は否定するであろうが)
つまり、彼の犯罪には無意識の深淵に潜む「人類の憎悪」の力が働いていたのかもしれないのだ。
繰り返しになるが、ぜひ、この書を読む前に《だまされた》と思って、上記した河合隼雄の
本を読んでほしい。ウソツキクラブの会長でもあった河合隼雄に「やられた」と思わされる事に
なるであろう。
明日死ぬならこの一冊
(2006-07-08)
殺人犯・陸田真志は自分の罪の重さと死刑への恐怖から逃れようと、拘置所の中で読書に没頭する。そしてある時、池田晶子の著書を手にした事が切っ掛けとなり、ある「何か」を理解する。
「生と死」「善と悪」を巡り、哲学者と殺人犯の間で交わされる往復書簡。繰り返される極論と極論のせめぎ合いは、読む者の精神にも一定の強度を要求する。覚悟の無き読者は凄まじい拒絶反応を起こすだろう。読者が目にするのは、人の命を奪い、自らも死刑という死と直面している人間の書いた言葉である。
平易な言葉で書かれた文章でありながら、語られた言葉を目で追うだけではその本質を捉える事は難しい。読み解くためには、社会経験・知識・高度な価値観などではなく、正直さと忍耐、それから「心の柔らかさ」のような能力が要求される一冊だ。
全てのものは「在る」だけなのだ。「無い」ことは出来なかったのだ。そんな世界の同時性に「あ!」と気付いてしまった人になら読めるはず。
よくも悪くも考えさせられます
(2003-07-19)
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これって星ゼロでしょう
(2001-11-29)
複数の人間を計画的に殺した死刑囚と「善く生きる」ことについて言葉を重ねていく哲学者。
そこで交わされるのは、「懊悩する魂の遍歴の果てからの」言葉などでは全くなく、大脳皮質が極大化して身体感覚を一切放擲してしまった、超サイバー人間どうしの脳波のやりとりとでも言うべきもの。一般人にはとても感情移入できるものではない。どんな論理であれ倫理であれ、どこかで社会との接地感覚、つまり我々はこの身体のうえにしかどんなちっぽけな理屈をも実践できない、という諦観のうえにしか語られるべきものではないと思う。
雑誌連載中から薄気味悪く感じていたが、改めて目を通すとその異常さが浮き彫りになった感じ。よく子供の感覚がバーチャル化しているだのといった社会時評があるが、本当に怖いのは、この本の中のようにいい大人がバーチャルでしかものを考えられなくなっている現実を見せつけられる時だろう。

