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ハーマン メルヴィル
田中 西二郎
Herman Melville

新潮社

グループ:Book

ランキング:43147

価格:¥ 740

発売日:1952-02

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カスタマーレビュー

「知識のごった煮」とはよく言ったもの  (2008-05-26)
 上下巻あわせて1000ページ超なうえに、注釈を確認しながら読んだのでものすごく時間がかかりました。特に聖書からの引用が多かったので、聖書を読んでからのほうが楽しめたのになーと思いました。
 世界三大悲劇に数えられる作品ですが、語り部イシュメールの(時には可笑しな)哲学あり、小説の7割近くを占め多岐にわたる鯨学あり、戯曲のような凝りに凝った台詞あり、航海士や銛打ちたちの俗だが小気味の良い掛け声あり。そしてなにより世界のすべてを占めているようにも感じられる壮大な鯨と海の描写、そこから浮き彫りされてくる船長エイハブの狂気、空転、ちっぽけさ。ラストシーンは壮大な神話の終わりを想起させられます。
 個人的な解釈になりますが、本来、黒色である抹香鯨を白―日本では白い動物は神の使いとされ、海外でもおそらくそれに近い意味を持っている色―として、人間対鯨としている点も、運命的な結末を意図したもののように思えます。

捕鯨船ビークォド号の最後の航海を追体験して下さい  (2005-03-31)
1851年の発表。この時代、筋書きがドラマティックでぐいぐい引っ張ってゆく作品が続出する。

読者にとってこの本も、筋書きだけの知識あるいは子ども向けの翻案物からの知識が先行していると思われる。エイハブ船長の執拗な白鯨追跡ドラマ、それが知識の背骨をなしていることは間違いない。ところが実際には、鯨と捕鯨に関するディテールにわたる記述が延々と続く。決してドラマティックな筋が貫いている作品ではない。それは、書名の有名さに引かれて読み出した特に若い読者をしばしば挫折させる。

もしもあなたが、ドラマティックな筋を追うことがお好きなら、あるいは、細々としたところの記憶力が衰えてしまった熟年者なら、上巻の前半と下巻の後半から流れの良さそうな章を選んで読むのもひとつのやり方かも知れない。ドラマティックな白鯨追跡ドラマが楽しめるから。

もしもあなたが、鯨と捕鯨のリアルな姿を知ることにも関心がおありなら、お気に入りの安楽椅子などを緑陰や暖炉辺に運び出してじっくり読んでみるのが良い。あなたもビークォド号の最後の航海を追体験することが出来るから。

神話の域に達した古典名作!  (2005-02-08)
捕鯨の場面が増え、多くの船との情報交換により、
ついにエイハブが白鯨との再会を果たす下巻です。
やはり見どころは三日間にもおよぶ白鯨との決闘。
白鯨はよく「神」の隠喩であると言われていますが、
その圧倒的な力はまさしく神のごとくであり、
それに立ち向かう人々の物語は、小説の域を超え、
一種の神話的な厳威すら放ちます。
上巻から引き続き、中盤までは船上の生活や説明描写が大半ですが、
上巻を読破したなら、是非クライマックスまで読み進めてほしいです。
陳腐ながら「凄い小説を読んだな」というのが読み終えた正直な感想。
知識量は半端ではなく、文学的な表現にも長けており、
作者にノーベル文学賞が与えられなかった不運が惜しく思えます。

お勧めです  (2002-08-27)
エイハブ船長の凄まじいまでの白鯨を殺そうという執念。
彼は一種の「神」なのではないかと思った。
そして白鯨もまた、海では「神」なのである。

作者の鯨や捕鯨船に対する膨大な知識が詰め込まれた1冊です。

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