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垂水 雄二

小学館

グループ:Book

ランキング:138426

価格:¥ 3,360

ポイント:33 pt

発売日:2006-08-31

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カスタマーレビュー

生物学の教科書の最高峰  (2008-11-13)
いかなる崇高な指針をも欠如した進化という猥雑な物語は、そのまま人間社会の猥雑さにもつながっていく。生物学の教科書の最高峰。

進化学の最先端を知る本  (2008-04-30)
テーマは進化を理解するため、とはっきりしているのですが、そのための内容が多岐にわっており、充実しまくっています。
理解が浅い、あるいは知らない用語を調べながら、2度じっくりと読み返しました。

「○○の物語」として随所に挿入してある話題は、進化理解に必要なテーマが一つずつ、一つの種を軸に取り上げてあります。その一つ一つがたいへん興味深く、少しでも深く理解したいという焦燥感に駆られました。調べながら2度読み返したのも理解への強い欲求が生じたからでしょう。著者の思惑にまんまとのせられたのかもしれません。

この本を読むことで進化への興味が一段と増したのは間違いありません。

今後も手元に置き、何度も読み返して自分の知識として吸収したい。そんな気持ちにしてくれた本でした。

ドーキンスがグールドしてる?  (2008-03-10)
現生人類(つまりあなた)から始めて、他の現生の生物との共通祖先を節目としながら、祖先へ祖先へと遡る形式で、生命の歴史をたどる物語だ。それぞれの節目で合流した生物を題材にとって、生物の不思議、進化の不思議の解説が、エッセイ的に述べられる。その解説は体系的ではないし、これまでの彼の著書の内容をくどくどと繰り返してはいないので、ドーキンス初心者には分かりにくいかもしれない。

本書で感じたのは、ドーキンスがえらい博物学をやっているなあ、という点だ。生物の取り上げ方に少しグールドを感じてしまった。アメリカ人的温かさのグールドに対して、イギリス人的怜悧さのドーキンスという特徴はあくまで維持されているものの、グールドが亡くなったことがドーキンスに影響を与えたのではないだろうか。

個人的には両生類・爬虫類・哺乳類の分類がイマイチ分からなかった。爬虫類+哺乳類が単系統で両生類と分岐するという図式になっているのだが、最近は、哺乳類と爬虫類は両生類に別々についた枝だということになっていたんじゃなかったっけ。現生の生物だけをとると、こう言う分類で良いのかなあ。

上巻は悠々と進んで、古生代半ば、両生類との合流の所まで。これで、陸上脊椎動物は終り。これからは、どんどんなじみの無い生物が増えてくるので、読み進めるのは少し不安。前半でも、結構な大部で苦労したのよ。

そうそう、本書の最大の問題点は翻訳だ。生硬な直訳調が多いし、訳語が適切でない所が間々あるし、意味不明のところもある。原文を理解して訳したのかかなり疑問だ。これだけ大部の本になると、翻訳がこなれてないと読むのが大変。と、見たら、『三葉虫の謎』もこの人なのね。そう言えば、あれも読みにくかった。

生物多様性への驚嘆  (2007-02-14)
これは、現在から過去へ向かう巡礼の旅である。系統樹を逆向きに辿りながら、合流してくる地球上の仲間たちに各自の物語を語ってもらうという形をとっている。我々は、自分自身に近い生き物ほど詳しく知りたいと思うし、実際に良く知っているので、生命史を語るのにこれに勝る方法はないと思えてくる。過去への巡礼の旅は、次第に曖昧模糊とした困難なものになってくる。ついに、最も謎に満ちた「生命の起源」の瞬間に到達したとき、はるばる旅をしてきたという感慨にとらわれることであろう。

分子生物学的な見方に慣れてしまうと、いくつかのモデル生物について知ることで、生物を理解した気になってしまう。一方、博物学的な「いきもののはなし」は、往々にして、雑多なトリビア的知識の寄せ集めで終わってしまう。本書の素晴らしいところは、様々な、いや、地球上の全ての生物について語っていながら、全体が一つのテーマによって貫かれているところである。そのテーマとは、言うまでもなく<進化>である。これだけ数多くの、具体的な最新の話題を盛り込みながら、全体として一つの物語にまとめ上げてしまうドーキンスの筆力には圧倒させられる。本書を通読してみれば、誰もが、生物多様性に対する驚嘆の念を抱かずにはいられないだろう。

最近のゲノムデータの蓄積によって、哺乳類の目の分岐順序など、形態では決して分からなかった物語を語ることができるようになってきた。ただし、ドーキンス自身も述べているように、いくつかの分岐の順序は極めて不確かである。実際、本書の出版後の研究により、現在ではランデブー23(ナメクジウオ)と24(ホヤ類)の順序が入れ替わることがほぼコンセンサスになっている。

初版第1刷にはいくつか誤訳があるので注意。また、日本語版の欠点は、高くて重いことである。こんなに分厚い紙を使う必要があったのだろうか?

生命を「まるごと」とらえる力業  (2006-11-13)
 いかにもイギリスの教養人がものしたらしい壮大な作品(masterpiece)。ヒトから遡って,哺乳類,脊椎動物,多細胞動物,植物,単細胞生物,古細菌まで,目眩くスピードで視野を広げて生命の世界を訪ねる旅は,読者に新たな世界観を提供するという意味で,自然科学の本にもかかわらず「宗教的」な薫りさえ感じさせる。
 しかし,内容は博物誌的な進化物語にとどまらず,遺伝子の構造や発現のしくみから,分類学,発生学,生理学,行動学,生態学など,生物科学の多岐に渡る分野の最新トピックスにも触れている。体系立てて学説を並べてはいないが,一般読者向けの現代生命科学の個性的な啓蒙書にもなっていると思う。
 一気に読んだあと,しばらくは「茫洋とした陶酔感」とでもいった感覚に浸りました。
 唯一瑕疵をあげるとすれば,訳文が生硬すぎること。原文に忠実なのかもしれないが,やたらと無生物主語が繰り返されたり,何行にも渡る複文が主部になった後に一言述語が続いていたり,読み返さなければ意味のとりにくい構文が多すぎる。一般読者向けの本なのだから,もう少しこなれた日本語にしてほしかった。

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