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小学館
グループ:Book
ランキング:124117
価格:¥ 500
発売日:1997-04
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カスタマーレビュー ![]()
不安定感が絶妙!
(2008-03-16)
コクトーの原作は読んでいません。
まったくストーリーを知らないまま読み始めたので、最初から読者を突き放したような
説明の少なさ、全編を通して感じさせる不安定感、違和感を越した不快感すら覚えながら
読み進めましたが、途中からそのバランスの悪さにひきつけられてしまいました。
他の作品との差を考えても、この作品での不安定さはわざとなのでしょう。
狙ってこの気持ち悪さをつくるとなると、なんとすごい技術なのでしょうか。
他の多くの作品と同じく「善意」で「身勝手」な誰か一人に振り回される周囲の不幸を
これほどまでに上手に描き出す彼女にも、きっとこの振り回された経験があるのでは
ないかなと感じました。
原作を望都流に昇華させた佳作、必見必読です
(2006-02-14)
原作は薄くてあっさり読める文庫本だと思ったのに、わかりにくくて、その世界はどうにもこうにもイメージしにくかった。何だか理解しにくい人間像、身近にはいないキャラクターには近寄りがたかった。それが、この萩尾作品に出会ってから、ガラス玉の中に浮遊するような、「恐るべき子どもたち」の世界がおぼろげに見えてくる気がしたのである。
こういう人間がいるんだ、こういう個性があるんだ、こういう閉鎖された空間に、自分の意思による歴史だけを刻もうとする「悪意」があるのだと、フランス文学の艶かしい1輪の花の香りを味わったような、不思議な感覚を覚えたのだった。
とにかく、望都さまの絵がすばらしい。異国の雰囲気をシンプルに伝えてくるのだ。そして、眼力(めぢから)とでもいうのか、登場人物たちの目つき、視線の生々しさ。それぞれの動揺が心臓の鼓動と共に聞こえてくるような画面、一つの舞台を見ているような作品を是非味わってから、原作にチャレンジして欲しいと思う。
これは萩尾さんの読んだ「恐るべき子供たち」
(2005-05-06)
日本語訳ではありますが古くから原作は知っています。そのイメージと、この漫画とに許容しがたいほどのギャップがあったら勢い点は辛くなるでしょう。ただ、コクトーの原作そのものが意図的に説明を避け、象徴的に不必要なまでの細部を描くという書き方がされているので、萩尾さんの読んだ/表現した物語は、多分原作を読んだ人のそれとは大きく異なるかと思います。ですので、原作の雰囲気に沿った創作と考えて読むぐらいの寛容さは必要ではないでしょうか。そういう視点からアプローチすると、全くもって不思議な漫画と言わざるを得ないのです。
芸術作品
(2004-07-11)
この漫画を中学校2年の時に読んでとにかくカルチャーショックでした。
そして、コクトーにも興味を持った昔。
そして萩尾望先生は天才だ!と今でもこの作品を原点に他多作品から確信している。
まいったと思うシーンはまず、主役のポールが崇拝する荒々しい同級生ダンジュロスに「雪玉をぶつけてなんかないことを彼に聞くがいい」と、絶対自分に服従するということを悟って見下ろすシーン。
神々しい顔に鳥肌が走るほど。このコマでわたしはこの漫画に完全服従であった。
もちろん、前編を通して完成度はすごい。
コクトーの姉弟愛、まだ幼さの延長である一体感のファンタジーとおどろおどろしさを、吸収しかみくだき、漫画という手段で芸術世界に完全昇華させた萩尾望都の先生は賞賛!
コクトーの原作に堂々張り合う名作!
(2004-03-18)
濃厚な名作。見事です。コクトーの原作の味わいを表現し尽くし、いや、それ以上。どのページも「濃い」の一言です。「気持ち悪い」というレビューがありますが、『恐るべき子供たち』の気持ち悪さは、萩尾世界に潜む「狂気」とつながるものでしょう。閉鎖的で非社会的、夢見る子供のまま年ばかり重ねる…その狂気。本来の萩尾漫画ならば少女漫画風に主観的に美化するところを、原作がコクトーという男なだけあって客観的で容赦なし…素晴らしく不気味で最高です(笑)。加えて、薄っぺらいビジュアルのみの「西洋」の多い従来の萩尾漫画と違って、さすが原作が本物のフランス製なだけあって絵柄、雰囲気ともに素晴らしい。丁寧な仕事に脱帽です。

