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石田 衣良

集英社

グループ:Book

ランキング:8458

価格:¥ 420

ポイント:4 pt

発売日:2004-05

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カスタマーレビュー

「娼年」として女性と接して  (2008-08-07)
彼の目に映る女性たちは、皆一様に愛しくてかわいらしい。

私は自然に彼に心を同化させてしまった。「娼年」という題名から察することが出来るように
性描写は多い。でも生々しくないというか。変な話、行為の描写さえも心地いい。それは彼女たちを受け止める儀式とでもいうかのように感じたからだ。主となるのは行為そのものよりも、心の癒しとでもいうのか。そういうものを女性は求めていたし、また、彼もそれを感じとっていた。

主人公が、この先どうして行くのかがずっと気になってそして次第に引き込まれていった。
二、三歩引いたところから見たような感覚の文。その距離感が時々狂うことで彼の心の揺れを感じる。

さらっと読む話  (2008-04-30)
衣良さんの作品はもう何作も読んでいるのですが、特に何も持っていない主人公が自分の才能を発揮できる場所を見つけ、この先羽ばたいていくのだろうと予感させて終わるというパターンがあって、この話もそうです。
ドライな語り口で、主人公はどこか自分と現実を乖離させて考えているような感じです。
出てくる人たちはみんな普通で少し変わった人。
今の世の中、『普通』からずれてしまうと攻撃の対象になりがちですが、主人公のリョウ君はずれている部分まで、その人の個性として受け入れます。実際にリョウ君のように考えるのは難しいだろうと思いますが、その心の柔らかさが読んでいて羨ましくなりました。
大きな衝撃がある話ではないけれど、ゆっくり心に効いてくるものがありました。

セミの泣く夜に  (2008-04-23)
主人公リョウは、自分は娼夫だと名乗る。20歳の夏を描くこの作品は、リョウが少年から青年へと成長していく過程を描いているのだから、やはり、タイトルは娼年でいい。
男性側の性の快感をきちんと書いてあるところが珍しい。多少のあざとさを感じるところもあるが、この本の魅力は、中高年の女性に非常に優しい点にあろう。一般に、加齢は、女性にとって、性的な魅力と反比例すると言われる。しかし、リョウは、どの世代にも、どの女性にも、魅力を見つけていくのである。それぞれに、それぞれの魅力があると。
姫野カオルコが解説に書くような優しさ、うそつきな優しさかもしれない。ソフィスティケートされているという優しさである。
嘘にだまされてみる楽しみがある。春を買う行為は、快感を買うのではない。嘘を買うのだ。嘘。けしてありえぬ幻想であり、魔術であり、手の届かぬ理想の高みにある幸福であるかもしれぬものを夢見て。
私は男性を買いたいとは思わぬが、嘘を買いたくて本を買う。

性愛  (2007-11-02)
「娼婦」ではなく『娼年』?と疑問に思って手に取った本です。

20歳の青年が性を売り物にするという一見ショッキングな話なのですが、コレが深い・・・。
お金のためでもなく、ビジネスとして体を売る青年が、人間の愛と性についての優しくて深い洞察をもって「何か」をつかんでいく過程に引き込まれました。

心にグッとくる本です。

取り立てて見るべきものはないが・・・  (2007-10-18)

 大学生の主人公が、ボーイズクラブのオーナーにスカウトされて、女性を相手にした娼夫を始める。その中で出会った女性たちとの関わり、彼の人生・・・
 という物語。
 
 描写はやわらかで、読んでいてゆったりとした気持ちになるのは、主人公がそういうペースで生きているから。

 でもまあ、様々な人がいることを切り取っていること、通り一遍の筋にしていないことは、石田さんの工夫が感じられて良いけれど、それ以上のものにはなっていない気がする。
 何の教訓もないけれど、そこにある一つの暮らしを描いた物語、ということなのだろう。
 どちらかといえば「プレーンソング」のようなスタイルを意図しているのかもしれない。

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