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姜 尚中

集英社

グループ:Book

ランキング:3913

価格:¥ 500

ポイント:5 pt

発売日:2008-01-18

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カスタマーレビュー

人間「姜尚中」の精神史  (2008-09-20)
私が姜氏を初めて目にしたのは「朝まで生テレビ」でした。人の発言途中に割り
込み、声を張り上げ自説を展開する出演者の中、物静かでありながら鋭い視線で
核心を突く発言をするかっこいい人がいるなぁ。姜尚中ってなんて読むんだろ
う?どうしてこんなに日本語が上手いんだろう?と思いながら密かに彼の意見に
賛同しながら見ていたのを思い出します。本書は在日韓国人二世として日本で生
まれ、両親を含む在日一世の人生を見ながら少年時代を熊本で過ごし、70年代社
会の変動とともに精神の旅をして現在に至る在日姜尚中の自伝です。

日本列島に生まれ、そこで一生を終える「日本人」に民族的少数者や外国人対す
る抑圧や排除の強制がどれほど当事者を苦しめるか了承されるのは難しいと彼は
言います。ただ「在日」に関して言うと、日本人に限りなく近い「非日本人」で
あるという意味で「在日」は他の定住外国人や民族的少数者と違うきわめてデリ
ケートな位置に置かれているそうです。彼が社会的な発言をするためにメディア
に登場する前は「在日」が日韓関係以外のコメントをすることは求められません
でした。それを打ち壊すために、生活上多大な犠牲を払ってパブリックコメント
をするようになったそうです。

テレビでの冷静沈着な姜氏とは違い、主観的で内面を強く打ち出していることに
より、日本に生まれ育った「在日」でなければできない何かを見つける彼の精神
史は人間姜尚中を少しばかり理解することができました。

在日朝鮮人、韓国人  (2008-07-21)
在日とは、在日朝鮮人、在日韓国人のことだということが、どういう意味があるのだろう。
奨学金や選挙権など、日本国籍がないことによる不利益をいろいろ被っていることと、差別や民族間の軋轢など。
ただし、朝鮮半島と日本では、「母屋」というような母を大切にする文化や、儒教などの共通する部分もある。

どうして日本は、在日外国人に対する扱いが弱いのだろう。
それだけでなく、海外にいる日本人に対する扱いも弱いと言われている。
日本の国際化の第1歩が、在日朝鮮人、在日韓国人の権利の確保だろうことが想定される。
地域では、サッカーなどで、国際的な交流が広がっているのは、当時との違いかもしれない。

なにか、孫正義氏の境遇と重なってしまう・・・  (2008-07-02)
孫正義氏が残飯拾いのおばあ−ちゃんの荷台に乗せられて、
嫌な少年時代を回想する調子に似て、
そこから、現在ではソフトバンクの社長に坐しているということと、

姜尚中氏が在日という重みを両親の元で感じながら、
あまり思い出したくはないであろう少年時代から回想する調子に似て、
そこから、現在では東京大学教授に就いているということとが、

どうも、九州・内国外国人という共通点とともに、
似ているなぁ、と感じます。

いずれにしても、相当に努力を続けていった末に、
現在の地位を得ているわけで、
その不屈の精神力には頭が下がります。

姜尚中の綴る在日の想い   (2008-01-26)
  著者は姜尚中氏。朝まで生テレビなどで活躍している論客の一人で、名前から察せられるように在日韓国人の二世です。実は、朝まで生テレビの論客というかコメンテーターの中で自分が一番好きな人で(というのも彼は常に声を荒げず、きちんと自分の意見を確認を取りながら発言し、その言い方も「いいですか、つまり、問題はね・・」とあくまで理知的。あの声がでかい奴が勝つという感じの時に低レベル過ぎる論争の中で彼にだけは常に理知の光が射しているように見えるのですよ)、それで今回この本を手に取ってみたわけですが、はっきりいってかなりショックを受けました。何にショックを受けたかというと、自分があまりに歴史に無知であったり、彼らの生活に関して想像力を欠いていたかという事実にです。
 自分は、「在日」の人たちの事について、ある程度は知識があるつもりでした。彼が在日韓国人だという事も知っていたし、自分自身も仕事の同僚として何人かの在日の人たちと知り合いではあるから、それこそある程度は事前知識があるつもりでいました。しかし、この本を読んで本当にショックを受けました。
 在日の話は遠い過去の話でなく、彼らの父祖の代、日本の戦前から連綿と続く歴史で、ステレオタイプの双方の激しい罵倒合戦の裏に厳しい現実があることがよく分かりました。特に、日本を選んで日本に渡り、戦後も日本に残る道を選んでその中で苦悩しつつも祖国統一、平和を望んだ人たちの生き方考え方がよく分かりました。現実世界でもそうだし、ネット世界では特に顕著ですが、最近の世の中の流れは、日本と韓国・北朝鮮はお互いに口を極めてののしり合う一部の人たちのおかげで非常に険悪になり、それ以外の人も越えがたい認識の壁ともどかしさに頭を抱えている状態です。が、その中で在日の人が(というのが言い過ぎであれば、在日の一部の人たちが)何を考え、どういうことを思って、北朝鮮や韓国とかかわっているのかがこの本を読んで分かりました。
 もちろん、この本の著者である姜さんだけが特例のようなもので、それ以外の人は彼の考え方と著しく違うかも知れません。彼は、特殊、なのかも知れません。しかし、もしそうであるとしても、彼の思想や思考のバックボーンにある事実、歴史をこの本は教えてくれました。
 二世として生きる彼らの内面、悩み、祖国への想い。北朝鮮と韓国の政治への想い。
 彼らにとって生まれ故郷である日本に対する想い。  
 日本を意味もなく悪く言ったり歴史をどちらの側によいようにも曲げないたんたんとした事実の積み重ねは素直にうなづけますし、国際社会から見た世界の中の韓国と北朝鮮の歴史と現状からの願いはストレートに響きます。どうして太陽政策を取り続けたのか、太陽政策がたとえ打算とお金で計算されたスケジュールになったとしてもそれでもなおやり遂げないといけないと考えるのか。しかしそれらが今の若い世代を中心にどうして受け入れられないのか。日本人ではわからない事がそこにはありました。
 是非読んでみて欲しいと思う一冊です。

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