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講談社
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発売日:2007-09-05
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カスタマーレビュー ![]()
最強の国の脆い一面
(2008-08-28)
以前から「なぜ米国はあんな得にもならない中東政策を採り続けるのか」と疑問に思っていたが、それがすっきりと氷解した。本書では、けして多数派ではない一民族が、アメリカの意思決定を事実上支配する様子が描かれる。
連邦議員は常にイスラエル支持を求められ、応じなければ対抗馬に大量の資金とメディアによる賛辞が加えられる。議員となった後も、少しでも意に沿わない発言をしようものなら強力な圧力に晒される。これはアカデミズムの世界も同様で、職を失うリスクのせいで、自由な議論は影を潜める。民主も共和も関係ない。イスラエル関係の議案は、党派の垣根を越えて議員の意見が集約されうる数少ないテーマだ。こうして、「常に無条件のイスラエル支持」が生まれることになる。ブッシュやクリントンは歴代大統領の中ではむしろ中立派だったものの、議会の横断的圧力にさらされ、徐々に政策をシフトせざるをえなかった。それがレバノン侵攻、イラク開戦、シリア、イランとの対決路線につながったのだ。
重要なのは、これら歪んだイスラエル支持政策がアメリカはもちろん、イスラエルの利益にもつながっていないこと。強引な植民地政策と強硬路線は周囲との軋轢を生み、終わりの無いテロの温床となってイスラエルを圧迫する。そしてそれを支援するアメリカは、世界中から憎悪を集める。本書はすごく遠まわしであるが、9.11テロについても、イスラエルロビーが無ければ発生しなかっただろうと推測する。
ボリュームのある大著であるが、充実した良書。これがアメリカ人から出てきたことは、今後の変化を意味するのか(国内での出版は断られ、初出はイギリスらしいが)。今後に注目だろう。しかし、アメリカという最強の国家は、開かれた民主主義国であるがゆえに、うちなる敵に対してはこれほどに脆いものなのか。僕が懸念するのは中国人だ。数と豊かさと結束力を持つ彼らがこの先、アメリカの意思決定を握る可能性はけしてゼロとはいえないだろう。
何が外交政策を決定するのか?
(2008-03-08)
本書の論旨は、ユダヤ人ロビーがアメリカの中東政策を大きく歪めており、そのような政策はアメリカの国益から乖離している、というものである。この種の議論はアメリカではタブーに近いものであり、また学術的にも検証されてこなかった。しかしウォルト、ミアシャイマーというアメリカを代表するリアリストの国際政治学者がこのような書籍を発表したことは、アメリカで大きな反響を呼んだ。国際政治学者として著名な二人が敢えてこのような本を上梓したことは、勇気のいることであろうが、それ以上にこのような提唱をせざるを得なくなっている、アメリカの知識階層の危機感が読み取れる。ただし訳に若干難があるので星4つとしたい。
タブーへの挑戦
(2008-02-24)
先ず、アメリカのタブーに果敢に切り込んだ勇気に感動しました。出版後、イスラエル・ロビー側からの執拗な脅迫・嫌がらせがあったことでしょう。そして、この本の出版によって、アメリカがどのように変わるか、或いは変わらないのか?大変興味のあるところです。
イスラエル・ロビーがアメリカでこれほどの力を持っているのは、ユダヤ系アメリカ人の財力、その寄付に拠っています。要するにお金の力で議員を動かし、マスコミを動員し、大統領を動かして、アメリカの政策をイスラエルよりに偏らせています。その組織力は大したものです。アメリカはイスラエルの属国ではないのか?アメリカの大統領はシャロンなのではないか?と思わせるほどです。しかし、その組織力に比べて、政策立案能力は大したことがないのかも知れません。彼らの推す政策はアメリカの利益を損ない、イスラエル自身の利益にもなっていないと筆者達は見ているからです。私の目にもイスラエルは武力に頼りすぎて、対等な立場での外交を疎かにしているように見えます。
そして私が興味を持ったのは、イスラエルの手口が中国の手口と共通点が多いことです。恐らく中国はこの本を教科書として、アメリカにチャイナ・ロビーを作り、中国現政権の利益を増そうとするに違いありません。そしてその時わが日本は?多分、ただあれよあれよと状況が悪化するのを見守るだけで、何も対抗手段を打とうとしないのでしょうね。大変残念なことです。
知識人必読の書です
(2007-09-21)
世界同時発売の2部作の1作目です。(2部は2007年10月上旬発売予定)
イスラエル・ロビーとはどういったものなのか、アメリカとの関係等について書かれています。
世界を震撼させた論文をもとに、論文では制限があり論じることのできなかった重要な問題も本書では取り上げられています。
世界中の知識人と読者人層の話題の書です。
イスラエル・ロビーというとあなたはどんなイメージをもっているのでしょうか?
秘密結社や陰謀集団?
しかし、実際にはどのような団体か知らないはずです。
それは今までは、マスメディアではほとんど報道されていないタブーだったからです。
しかし、この本が世界同時発売されることにより、「イスラエル・ロビー」について知ることができます。
それも世界最先端の重要な情報です。
この本を読まないと世界情勢についての議論する資格がないほど重要な位置づけの本です。
もう訳が出てしまいました
(2007-09-07)
あらあらもう副島さんが訳してしまいました。先週、原本を購入して早速読み始めたところなのに。となると副島さんの近著のモティーフの基はこの作品なのかも。オリジナルよりもだいぶ安いな.....と思ったら、2部構成のようです。となるとオリジナルの方が安いか?追記:日本には伝わらないアメリカの一面が赤裸々に取り上げられています。それはアメリカの対中東政策を一部のすきもなく統制するイスラエル・ロビーです。そのロビーが駆使する統制の手段は幾層にもまたがっています。アメリカの選挙制度を特徴付けるprivate moneyを通しての議員のコントロール、行政府への人材供給を通してのagenda settingの支配, そしてメディアや学会を通しての全体主義ともいうべきclimate opinionの醸成です。結果としては、米国の政策と国民の合意との間の驚くべき乖離です。この米国とイスラエルの特殊な関係を正当化するために提示されてきた戦略的なそして道義上の理由の妥当性を、著者は木っ端微塵に粉砕していきます。著者のアプローチは徹頭徹尾、現実主義に基づくものです。国家間の利害は決して永遠に一致するということはありえない、そこにあるのは、偶然の利害の一致以上のものではない。どんな悪人との間でも合意は可能であるというものです。結論として提示されるのは、「イスラエルは米国を必要とするが、米国はイスラエルを必要とはしない」という単純だけど残酷な真実です。たしかに利害の優先順位の構造からはその通りです。しかしアメリカ人の価値の優先順位の中で、この真実をアメリカ人が受け止められるかどうかはまた別の問題でしょう。そしてパレスチナ問題の解決には、二つの国家の並存以外の解決しかありえないことを指摘します。ここにはネオコンとは違うアメリカのリアリズムの論理が赤裸々に提示されています。

