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講談社
グループ:Book
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発売日:2006-04-21
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カスタマーレビュー ![]()
自分を捨ててこそ新たな自分と出会える
(2008-05-25)
年齢制限というプレッシャーの中で苦しい戦いを強いられ結局プロになれず、一時は将棋を憎みさえした瀬川。その後大学や一般社会の空気を吸い、アマチュアとして昔のように純粋に将棋を楽しむ気持ちを取り戻した。のびのびと指す手はプロさえも苦しめ、なんと対プロ勝率7割を超えたという。その後勝率という絶対的な説得力と周囲の協力で、硬直した将棋連盟を軟化させ、プロ試験の道筋を作っていき、最後にはご存知のように試験将棋に勝ち、プロとなった。
この過程を自らの目から描くわけだが、これがまたおもしろい。文章の巧さや構成の巧みさが素人離れしているので、はじめゴーストライターが書いたものと決めてかかっていたが、本人によるものらしい(そのことがそれとなく示されている箇所はけっこうあった)。まずこのことにビックリ。もちろんアドバイスなどはあっただろうが、それにしても、非常に魅力のある本に仕上がったものである。読みながら泣けてくる場所がたくさんあって弱った。たとえばだが、大勢の期待の中でプロ試験の第一戦を落とし、後悔しつづけ負けを消化しきれないでいるときに、かつて自分を変えてくれた恩師からのシンプルな一言(とドラえもんの絵)の手紙で大泣して気持ちが吹っ切れたというシーンには感動でもらい泣きしてしまった。多くの人に一読をお勧めしたい本だ。
この本はいろいろな読み方ができると思うが、今の社会の風潮に照らしていうと、いったん社会にでることの重さを教えているような気がする。瀬川はプロ手前で脱落し、12年間にわたる苦労を無にした。この絶望のどん底を乗り越えて、外(大学、社会)の世界で(必ずしも好きなことばかりではなかったと思うが)何かを汲み取っていった。それを将棋界に投げ返したのだ。自分の命をこうしてとりもどしたのだ。「自分探し」が隆盛であるが、なにもせずに探してばかりでは堂々めぐりしかない。どこでもいいから、自分を社会的な場所に投げ入れてみてこそ、それこそ一時的に自分を捨ててこそ、自分は見つけられる。そのことを瀬川の生き方は暗に示しているような気がする。
出逢いは宝!夢は星!!
(2007-05-22)
瀬川さんのサクセスストーリーの過程での「出逢い」がありのままに綴られています。
将棋関係の本を読んで、涙したのは「聖の青春」以来です。
瀬川さんがプロ棋士になることができたのは本人の努力の賜物と
ネバーギブアップの精神によるものが大きいのはもちろんですが、
素晴らしき先生、切磋琢磨し続けた友、愛されている家族、友人、先輩方々等、
たくさんの人々のの励ましと応援こそが大きな原動力になったとこの本を読んで知りました。
瀬川さんの人徳はすごいの一言に尽きます。
瀬川さん、夢と勇気をありがとう!
勇気づけられました
(2007-02-05)
将棋をあまり知らない人へもぜひお薦め。
瀬川さんが、自身の体験を通して読者に伝えようとしていることは、将棋の世界に限らず多くの人にもあてはまる、夢をかなえるためにはなくてはならない共通しているものだと思います。
奇跡的にプロ棋士になれたのも、彼自身の才能と努力のみならず、彼を支えた多くの人々であったことがよくわかります。熱烈な支援者が多いというのもそんなお人柄であるが故、それもある意味では才能かもしれませんが。
個人的には、兄と慕う先輩棋士と詰将棋をする話がとても印象的です。思い起こせば自分自身もこれに似た形で先輩からそれとなく激励されたり、後輩になんとかやる気を引き起こそうとしたり・・・これってサラリーマンの世界でもよくあることだと思います。でも、極限まで「がんばる」ことって、何も勝負の世界だけではないですよね。とても勇気づけられました。
読者を泣き虫にする本
(2006-12-03)
これは、本当に感動できる本です。プロ入り試験のときはすごく騒がれたけれど、もしこのような瀬川さんの人生が知られていたら、どのようなヒーローになっていたのか……。「プロ棋士になりたい」という純粋な想いと現実の厳しさ、そして瀬川さんを取り囲む温かい人々に泣かされます。
しかし、中学生のときに日本一になるほど強かったとは……。もし奨励会時代に生活がだらけなければ、早くプロになれていたのでは?
いつの時代にもドラマはある
(2006-09-28)
著者はちょうど私と同世代です。育ってきた時代背景は正に同じ。ですがしてきたことは全く違う。私が普通に(何が普通か分かりませんが)学校に行って、会社に入って、サラリーマンしている間にこんなドラマがすぐ近くで起きていたとは。家の前に将棋のライバルが存在し、才能を引き出してくれる先生と出会い、好きなことをしろという親がいる。そしていろいろな出会いと別れ・・・まさにドラマです。
しかし奨励会とは恐ろしいところだと再度感じました。『将棋の子』を読んだときに感じたあの感覚。それは私が浪人時代に確固たる未来を想像できずに感じていた漠然とした不安。そんな感覚を呼び起こされます。無事プロになって良かった。でも、プロになれなかった無数の人も存在しいろいろな葛藤を抱えている、そんな怖さが併在する世界が奨励会です。

