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岩波書店
グループ:Book
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翻訳ということを考える
(2008-11-29)
子供の頃からもっとも好きなシリーズです。岩波少年文庫版で4冊全部持っていますが、心残りは「とびらをあける…」と「公園の…」のハードカバー版を購入しなかったこと。特に「公園」は見開きに公園の地図がついていて良かったんですよ…復刊しないかな…
それはともかく。ふっと「英語で原文読んでみよう!」と思い立ち、購入してみました。
そして読んでみて、いろいろ考えてしまいました。
当たり前なのですが、文体から受ける感触が違う。トラヴァースさんの文体からは、女性らしい優しさ、暖かさをとても感じます。子供部屋で小さい子達に読んであげたい本、という気がしました。
岩波版の翻訳者さんは男性のためか、もう少しスマートで都会的な感じです。長年親しんできたのはこちらの方なので、はじめはかなり違和感を覚えました。
とはいえ、もちろんこちらが本家本元なわけで、もし原文に挑戦しようと思わなかったら一生この差異を知らなかったわけですよね…
林さんの訳はもちろん名訳!!ですが、やはり翻訳という行為には、作者と自分の間にもう一人別の人がはさまってしまうのだなあ、と実感してしまいました。(もっとも、私は英語に堪能なわけでは全くないので、全部カンに過ぎないのですが)
もう一つ情報を。第6章の「わるい火曜日」が、訳本と大きく違っています。
(英語の奥付よく分からないのですが)1934年にイギリスで出たのが初版、1962年に(どこでかわからないが)改訂版発行、本書はそれに基づいて1981年からアメリカの出版社で発行しているバージョン、ということのようです。
改訂の理由は、人種問題でしょう。古いバージョンが今も楽しめるのは、もしかしたら日本だけなのかもしれないですね。新しいバージョンもほのぼのして良かったです。
誰にも媚びない憧れの女性
(2008-11-04)
「メアリー・ポピンズ」の作品はどれも大好きだが、
実のところ、なぜ、こんなにもメアリー・ポピンズに惹かれるのか、
その理由は自分でもよくわからない。
メアリー・ポピンズは子供のお世話をするために雇われているが
子供のために何かをしてくれるわけではない。子供に媚びることもない。
それどころか、笑顔を見せることも滅多にない。
口調厳しく、子供たちの言葉もフンと鼻で笑って済ませる。
街に出かければ、子供の姿よりもウィンドウに映っている自分の姿に見とれてしまう。
子供たちへの言葉は数少なかったりぶっきらぼうだったりするのに、
自分の友達、バートへは優しく話しかけ、時には笑顔も見せる。
なのに、子供たちも私もメアリー・ポピンズに惹かれてやまない。
彼女に惹かれる理由には、彼女のすぐ傍に「不思議な世界」への入り口が見えることも
挙げられるだろう。彼女が折にふれ見せてくれる「不思議」は、とても魅力的で
わくわくする。彼女が話してくれるお話も、ちょっとした「不思議」が詰まっていて、
聞いているだけで楽しくなる。
彼女は、魔法をかけてくれる魔法使いというわけではない。
誰かのために(それが子どもたちであっても、雇い主であっても)魔法で
何かをしてくれることは、まったくない。けれど、彼女のすぐ隣には常に
「魔法」に通じる「不思議」がある。そして、彼女は立派な大人で、
大人以上の現実主義者にも関わらず、その不思議な世界を受け止め
その世界の中で、実に彼女らしく自然に振る舞う。その自然体の姿
いつでも、どこでも、誰と過ごしても、彼女が常に彼女らしいこと
それこそが、彼女の一番の魅力なのだと思う。
彼女は他人に媚びることはない。けれど、彼女が選んだ「とき」に、
彼女が見せてやってもいい、と選んだ人に、その不思議を垣間見せてくれる。
そして、そういった言動がバンクス家の子供たちに抱いている
彼女の親愛の情を私たちに伝えてくれているから、私はメアリー・ポピンズに
何度でも会いたくなるのだと思う。
映画を先に見ました。
(2008-09-08)
映画を先に見ました。
とても素敵なお話だったので、ぜひ、本でも読みたいと思いました。
わくわく、どきどきする感じが、映像を見た後だと、本を読んでいても、思いうかぶことができます。
読むかどうか迷ったら、ぜひ一度、映画をごらんください。DVDで検索すると出てきます。
魔法ではない不思議さ
(2006-07-26)
風にのって現れたメアリー・ポピンズは魔法はいっさい使いません。ただ不思議なことをするだけです。そこにこの物語が子どもを捕らえて放さないおもしろみがあるのだと思います。物語に登場するマイケルとジェインもきつい言い方をしたり、厳しくしてもメアリー・ポピンズから離れようとはせず、むしろどんどん近づいてゆきます。
私は動物園の場面が特に好きです。動物たちが歩き回り、言葉を使い、そして檻の中に入っているのは、人間の子ども心を忘れてしまった大人でした。なんとも風刺的な場面です。
物語を通じて魔法ではない不思議さが随所に見られます。それをメアリー・ポピンズの「魔法」として片付けてしまえば、あるいはファンタジーというカテゴリーの中で一定の地位を確立できたかもしれませんが、それでは本書のおもしろみが失せてしまうのではないでしょうか。
あえて魔法とはせず、「現実の不思議さ」を描くことによってメアリー・ポピンズは本の世界の中で活き活きしてくるのではないでしょうか。
メアリー・ポピンズは風であり、時間であり、大人でも子どもでもある。彼女は作中でこう述べます。「だれだって、じぶんだけのおとぎの国がある」きっと、彼女は子どもたちがそれぞれ持っているおとぎの国の住人なのではないでしょうか。大人になると子どもの時に聞こえた木や風、動物の声は聞こえなくなる・・・なんだか宮崎駿監督の『となりのトトロ』みたいに思えました。
風にのってきたメアリー・ポピンズ
(2000-11-24)
子どもの頃から何度も何度も読んだ大好きな本です。メアリーポピンズが、一番最初に子ども達にあうシーンで、鞄の中から次々といろいろなものを出すところが、大好きで何回読んでも飽きません。不思議な不思議な彼女は、いったい何者なんだろう、と未だに答えがでていません。子ども達を甘やかすわけでもないのに、どんどんすかれてく彼女は理想の先生かもしれません。

