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岩波書店
グループ:Book
ランキング:222638
価格:¥ 1,575
ポイント:15 pt
発売日:2005-03
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下からの視点
(2006-11-22)
本書の特徴的な点は、「下からのポストコロニアリズム」と著者自身が呼んでいるように、ポストコロニアリズムの思想家とその理論を紹介していくのではなく、現在に至るまで世界に存在する、なかなか可視化されることのない日常的光景を「モンタージュ」として次々と描き出していき、ポストコロニアリズムが何を問題としているかを紹介している点にある。
紹介されるエピソード等、とても衝撃的である。が、ある人々にとっては「日常」でしかないそれらの出来事にいちいち衝撃を感じてしまう(=つまり「新鮮味」を感じてしまう)ところにポストコロニアリズムにとっての最大の問題、グローバルなアパルトヘイトというべき問題があるのだろう。広く社会科学を専攻する者にとっても必要な視点である。自分がどんな立場から物を語っているか、自分の立ち位置や問題意識、主張を常に再検討させてくれる。
ただし、本書は、今まで可視化されてこなかったこういう問題がある、ということはよくわかるのだが、ポストコロニアリズムの入門書としては、やはり問題を発見するだけじゃなく、様々な論者がどう問題にアプローチしてきたかももっと盛り込んで欲しいところ。もちろん一冊の入門書で「上から」も「下から」もというわけにはいかないのは仕方がないのだが。サイードやスピヴァクといった思想家を取り上げている本橋哲也『ポストコロニアリズム』(岩波新書)とセットで読むといいのかもしれない。

