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岩波書店
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発売日:2003-12-17
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宮本常一―「忘れられた日本人」を訪ねて (別冊太陽 日本のこころ 148) (別冊太陽 日本のこころ 148)
カスタマーレビュー ![]()
旅の巨人、宮本常一を網野氏が読み込む
(2006-12-16)
宮本さんの『忘れられた日本人』をもとに4回にわたって行なわれた網野さんの講座の記録
第一講 宮本常一との出会い--民俗語彙の再発見
第二講 女の 「世間」
第三講 東日本と西日本
第四講 「百姓」とは何か
あとがき
周防大島(すおうおうしま)出身の宮本さんの言葉として
「島に橋がかかるなどということは夢みたいすばらしいことで考えもしなかった、ところが橋がかかったら島の人間はみな島から出ていきよる」
「進歩とは何なんだろうか、これまで自分は発展と言ってきたけれども、発展とは何なのだろうか、進歩という名のもとにわれわれはじつにたくさんのものを切り捨ててきたのではないか」「切り落とされてきたものの中に非常に大事なものがある」
網野さんの感想として
もののけ姫の中のアジールとしての踏鞴場(たたらば)。そこに登場する包帯を巻いたハンセン病の人などの民俗学的に熟考された作品を評価している。
宮本さんですら、百姓=農民という考え方から完全には抜け出せていなかった。と指摘している。
夜這いや歌垣、女性の一人旅などの記述は日本古来からの自由度を伝えているのであろう。そうして、場所は出せないが今でも夜這いの風習が残っている地域があるという.
「無漢字社会」の性的放縦
(2004-11-14)
読みどころ満載の本だが、第二講「女の世間」で、「場所は言わないでくれといわれたので申しませんが、現在でもきちんとした儀礼、ルールを守って夜這いが行われているところは、日本の社会に生きている」(p.81)あたりはスゴイな、と。
『忘れられた日本人』で宮本常一さんは、昭和30年代前半ごろまで、日本の社会には各地で歌垣が残っていたことを書いている。歌垣(うたがき、かがい)は「節のよさ文句のうまさで勝敗をあらそうが、最後にはいろいろなものを賭けて争う。すると男は女にからだをかけさせる。女が男にからだをかけさせることはすくなかったというが、とにかくそこまでいく」というような具合で、本当にうらやましいというかなんだが、このほかにも南河内郡の「一夜ぼぼ」などが戦後まで残っていたことには本当にすごいことだと思う(いまでも、東北の祭りなどでは、世俗の縁が切れて、男女が自由になる場があると聞いているが本当だろうか…)。
網野さんはこうした話を女学生たちが読んで「非常に驚いていましたが"本当のことだ"と言うと、わりあいにあっさりと彼女たちは受けとめたようにみえましたけども」(p.81)と書いているが、日本の社会には普段は締め付けが厳しいけど、いったん羽目を外すと逸脱するというような自由さがあって、それはぼくたちの心根のどこかに残されているんじゃないかと思う。

