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モーリス・ウィルキンズ
長野 敬
丸山 敬

岩波書店

グループ:Book

ランキング:225530

価格:¥ 2,940

ポイント:29 pt

発売日:2005-12

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カスタマーレビュー

文才の差が痛々しい  (2007-10-01)
モーリス・ウィルキンズの自伝。て、モーリス・ウィルキンズて誰かと言うと、ジム・ワトソンとフランシス・クリックと共に「核酸の分子構造とその生命体の情報伝達への意義関する発見」で1962年のノーベル医学生理学賞を受賞した物理学者だ。

ワトソンとクリックは有名だが、ウィルキンズはあまり知られていない。実際にDNAの構造がこうだと発表したのがワトソンとクリックで、ウィルキンズはそれに決定的なX線解析のデータを出したという関係だったので、DNA構造の発見者と言うとワトソン・クリックの二人ということになる。タイトル『二重らせん第三の男』はここから来ている。

ウィルキンズのノーベル賞にはもう一つ陰がある。ウィルキンズの発見は実は同僚の(しかも不仲の)ロザリンド・フランクリンが行ったものだという。ワトソンが“名著”『二重らせん』でそれを暴露していて、ロザリンド・フランクリンに敵対的な視点で書いていいる。『二重らせん』がベストセラーになったものだから、ウィルキンズはこの評判に死ぬまで苦しめられたようだ。彼が2004年に亡くなる前年に出版されたのが本書である。

この辺の経緯に興味を持って数冊読んでいたのだが、ウィルキンズの言い分も聞かないといけないかなと読み始めたわけだ。自伝と言うことで、彼の生い立ちから始まって、自らの研究史、そして、フランクリンとの確執、そして、二重らせん発見とのかかわりが書かれている。生い立ちの部分が面白くならないのはある程度しかたないけれども、研究の紹介の部分も「ワクワク感」が全然ない。フランクリンとの確執については、いかにも言い訳めいている。結局、上司が悪かったんだと今更言ってもねえ。もう一方のワトソンが文才あふれる(あふれすぎる)人だけに、文才のない中で自己弁護的自伝の執筆に追い込まれたのは、少々痛々しい。

科学史としての二重らせんに興味があったので読み通せたが、自伝としてはかなり退屈なものだった。

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