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岩波書店
グループ:Book
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価格:¥ 1,680
発売日:2002-06
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カーマーカー特許・ビジネスモデル特許の問題点を理論的に明らかにしてくれる
(2007-12-15)
著者は、「カーマーカー特許」の日本での特許成立に異議申し立て戦ってきた、『理念』の人である。
本書で取り上げられている「カーマーカー特許」であるが、線形計画法といった数学的方法を特許としており、オペレーションズリサーチの研究者からは、自由に数学的手法が研究に使用できなくなるということで反発がでていた。
この特許がアメリカで成立し、いよいよ日本に上陸、といったときに、著者らによる特許異議申し立てから、本特許に絡んで法的係争が火蓋を切って落とされる。
日本国内における知的財産権の扱いのその後の方向性を示したともいえる「カーマーカー特許」問題から、日米間の知的財産権に対する戦略の違いがよりクリアになるはずである。
また、本書では、ビジネスモデル特許に対しても、特許性の要件である「新規性」「進歩性」に照らし合わせたときの疑問符を投げかけている。
技術者が特許を本質のところで押さえ、権利化をする、この基本を十分に把握するためにも本書を一読することをお勧めする。
審査官の能力が問われる
(2006-08-01)
本書のように、何でも特許の時代が来ると確かに怖い。審査官が米国の圧力に負けやすく、米国の希望通りの判決を下す傾向にあることや、数学を知らない審査官の存在など、現在の特許裁判の問題点を鋭く指摘している。
近年、プロパテント、産学協同、TLOなど特許強化の方向に世界が向いているが、こうした「ヒト」の育成の問題も視野に入れておかないと、恐るべき結果がでるかもしれない。
知財関係者、とくに政策担当者や特許庁の幹部に読んでいただきたい。
今こそノイマン先生の先見性を見直そう!!
(2002-06-11)
理財工学で著名な今野先生は、一方でカーマーカー特許を契機に知的所有権(知的財産権)にも深い関心を寄せられてきました(ORコミュニケーション誌連載、中公新書)。本書で今野先生は、経済・社会の発展がアルゴリズム特許やビジネスメソッド特許によってかえって阻害されると深く懸念されています。
この主張は、残念ながら今野先生が初めてではありません。GNUプロジェクトで有名なFree Software FoundationのR. Stallman氏は一貫して同じ主張の下で活動していますし、そもそも電子計算機の生みの親であるといわれるvon Neumannが特許化に強く反対して以後のコンピュータ普及の基盤を作ったといわれています。
今回の今野先生の主張は、生産現場の発展を促すためにはさらなる知的活動の飛躍が不可欠であるが、ビジネスメソッド特許のような知的財産権保護の考え方はこれに対してむしろマイナス要因になりかねないという警鐘を鳴らすものであります。つまり、ひとことで言えば「今こそノイマン先生の先見性を見直そう」ということになります。
この考え方に賛同できるかどうか、とりあえず本書を読んで見てください。

