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岩波書店
グループ:Book
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価格:¥ 2,520
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21世紀のための20世紀
(2005-03-03)
「戦争とは嘘の体系である」。様々な「嘘」で塗り固められた先の大戦で多くの友人を失った著者が生きた20世紀。 「いま、ここにある危機」を具体化させないために過去から学ぶべきものとは?
舞うがごとく
(2004-02-06)
本書は、加藤周一氏とNHKの桜井均氏とが行なった対談内容をまとめたものである。形式的には口語調で、加藤氏が一人で語ったようになっている。
加藤氏が20世紀の出来事や状況をいかに捉え、それにいかに反応したか、という大枠の中で、多様な問題が取り上げられる。目次の章立てから幾つか拾ってみると、「国連決議なき空爆」「日本の大勢順応主義」「日本人は本当に変わったか」「人間は本性において悪魔なのではない」「死刑廃止と戦争反対」「人格を破壊された旧友」「『雑種文化論』について」「はじめての南京訪問」「プラハの春」「クロアチア紀行」「言葉に対する誇り」「文学の仕事」などがある。
対談であったためか、加藤氏の人間的な面、情熱や責任感といったものが随所に感じられるすばらしい内容となっている。私は、特に加藤氏の議論の仕方、まるで舞を舞うようにして論を組み立てるその美しさに、感嘆してしまった。
なかでも、カナダの大学でのヴェトナム戦争反対の集会において、政治学の教授が「ヴェトナム戦争は米国の政治問題であり、米国の政治について知らない人が集まって反対をしている。せめて専門書の2、3冊は読んだ上で反対すべきだ。私はこの段階では戦争に反対できない」という趣旨の発言をしたときに、その場で加藤氏が行った反論には心を打たれた(72~74頁)。簡明であるがそれゆえに強靭な論理は、聞く者をしてハッとさせたに違いない。
「舞うがごとく」。加藤氏の論を私はそのように形容したい。本書には、そのような箇所がいくつもある。ぜひ、多くの人に読んでいただきたい。
独創的だけど
(2003-02-28)
独創的な切り口で感銘する部分も多かった。第2部の事実判断と価値判断の違い、第4部の民族共存論や文学論、についての記述は好感が持てる。ただ、その他の部分、特に現在の国際社会に関する記述の部分では、著者の切り口が文化・安全保障・政治面を中心に書かれていて、経済的な視点からの言及が少ないので、論証の説得力が弱く、安定感を感じ得なかった(やはり、高坂正尭先生の本などの方がしっくりくる)。あと、社会主義に思い入れがあるらしく、事実の記述やレトリックの用い方に、バイアスが掛かっているような気がした。日本人論の部分も、自分は英国を中心に欧米諸国に数年間駐在した経験があるが、日本人特有の問題なのか、と疑問を呈したい個所も散見された。というわけで、星3つ。
やはり凄いわ
(2002-10-05)
この人の本ほとんど読んでいるけど,この本も知性の凄さ感じさせる。この本と関係ないけど,日本文学史序説長く残るだろう。
20世紀論で一番まとまっている本
(2001-10-28)
昨年の終わりから今年にかけて加藤周一の著による二十世紀を総括する本が続けざまに3冊出た。本書と『過客問答』(かもがわ出版)『二十世紀から』(潮出版)である。二十世紀を全面的に語ることの出来る現代日本の評論家・思想家としてこの人しかいない、として衆目が一致した結果であろう。歴史、文化、世界を縦横に語れる人は確かに他にはいない。そして、それぞれの本を読んだ上で、私は本書が一番まとまっていると思う。なぜなら本の構成上、本書が加藤周一の今までの仕事をもう一度語りなおすという形になっているからだ。よって最もまとまった形で加藤の日本文化論と日本人の特質との関係、世界の動きを当時の判断と現代からみた判断、文学論、芸術論の総括、加藤の出発点である平和への思いと彼の人生との関係が率直に語られているのである。それを受けての未来への期待も若干語られている。今回の書物で初めて明らかになった事は多いが、私が最も感動したのは加藤の南京へのこだわりである。加藤は今回初めて南京を訪れた。なぜ今まで行かなかったのか、行ってどういう発言をしたかが述べられていて、改めて加藤の『誠実』さに思い至らされたのだ。

