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岩波書店
グループ:Book
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発売日:2004-02-22
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カスタマーレビュー ![]()
埋もれてしまった偉大な歴史家
(2007-07-02)
戦後の日本歴史界は、マルクス主義・反マルクス主義の不毛な争いを続けてきたように思われる。歴史を学ぼうとするならば、ブロックの次の言葉を充分に心得ておくべきであろう。
「(理解するという言葉は)とりわけ、友情を担った単語である。行動に関してまで、われわれはあまりに判断を下しすぎる。「殺せ」と叫ぶのは容易である。われわれは決して十分に理解しない。われわれとは違う人−外国人・政敵−は、ほとんど必然的に悪人と見なされる。たとえ避けられない闘いを進める場合でさえ、魂をもう少し理解する必要があろう。まだ間に合うとき闘いを避けるためにはなおさらである。」
これこそ、歴史を何のために学ぶかという疑問に対する、明確なる回答ではないか。戦後歴史学が人物の毀誉褒貶ばかりに囚われてきたことを考えると、これはまさに金言というべきではないか?
歴史学の基本文献
(2007-01-06)
序文にある「パパ、だから歴史が何の役に立つのか説明してよ」という
子供の問いは、歴史は役に立ってない(ように見える)という非難でもあります。
この本は、歴史研究に含まれる多種多様な困難を取り上げ、そのために
歴史研究は一筋縄ではいかないのだ、という「弁明」を行っています。
もちろん、それで終わりではなく、様々な困難を認識した上で、
どのように歴史研究を行っていけばよいのかを論じています。
そういう意味で、「本書には綱領の部分がある」と作者が言う通りです。
第二次大戦中に書かれた本なので、今読むと当たり前に思える部分も
ありますが、歴史を学ぶに当たって読んでおきたい基本文献という評価は
妥当だと思います。カーの『歴史とは何か』と合わせて読むと、
両著作が同じような主張をしていたり、補い合っていたりすることに気づくでしょう。
ただ、別の方も触れられている通り、訳はあまりよくないです。
(ちなみに、悪文の例で挙げられているのは20ページの終わりから2行目)
根気があれば読めるレベルだとは思いますが、もう少し
普通の日本語として読めるように訳して欲しいところです。
「歴史」と「歴史学」について考えるための古典
(2005-10-12)
「歴史」や「歴史学」について語られるときには、E.H.カーの『歴史とは何か』とともにしばしば言及される古典です。基礎的素養として読んでおくことが必要だと思います。
訳文については、それなりにがんばっていると思います。たしかにところどころ読みづらい箇所もありますが、それは原文の構造上やむをえないでしょうし、意味不明というわけではありません。(ただし、ほかの翻訳書同様、若干の忍耐と集中力を要しますが。)
(なお、他の方によるレビューで「悪文」の例が挙げられていますが、ページ数が書かれていないので見つけることができませんでした。)
翻訳家としての仕事を放棄した訳文
(2004-06-18)
学生が授業中に訳したような文体です。
私は日本語のひどさにイラついて
内容がほとんど頭に入りませんでした。
下に一例を挙げておきます。
「疑いなくいびつであるが、機械に従属した知性をもつ何人もの人に自然なものと映る類推によって、現在の人類の大問題を理解してそれの解決を試みるには、それらの前件を分析しておいても何ら役立たないとも人は考えるだろう」
歴史学への入り口
(2004-04-06)
『歴史のための弁明』の序文はこのような一文で始まっています。「パパ、歴史学がなんの役に立つのか教えてよ。」これは著者の息子の疑問でもありますが、私の疑問でもあります。歴史学が持つ意味とは何か。単純な問いではありますが、この問いは歴史を学び、考えるすべての歴史家が常に内省しなければならない問いであります。この本はその問いに対するひとつの答えを私たちに提供してくれています。著者のマルク・ブロックはリュシアン・フェーヴルとともに「アナール」を刊行した人物であり、アナール学派を知る上でも、価値のある一冊だと思います。この本は歴史学を志す方には読んでいただきたい一冊です。

