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岩波書店
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大傑作!!!!
(2006-06-14)
「あの」石井桃子さん、
ドリトル先生シリーズの下訳をなさり井伏鱒二さんの
傑作な翻訳のお手伝いをなさったり(ほとんどが石井さんの
訳そのままだったときいています)児童文学では他の追随を
許さない、本物の「文化」を構築なさってきた
その上にこんなに素晴らしい傑作があったとは!
導入部分の主人公明子と、蕗子との本当に楽しくて自由な
心の交流、おいしいものをふたりで作って食べて楽しんだり
軽妙な会話や美しいもの、すぐれたものを希求する日々の
くらしの豊かさを気品ある絶妙な筆致で描写しています。
そこが本当に楽しそうであるだけに、明子の結婚、
蕗子の病・・・と辛くなっていくにつれ
明子のまわりの無理解、特に夫の自覚のない無神経さ、
思いやりのなさ、しだいに追い詰められてついに
倒れてしまうまで全力で「生活」に取り組んだ明子の
姿勢に、戦後の辛さ、悲しさを想起させられます。
明子のように特に才能とそれをいかす根気強さに恵まれて
晩年は幸福に生きられた人はいいのですが、
蕗子のようないたましい人生との対比を思うとき
女性であるだけでこんなかなしい苦闘を強いられてきた
わたしたちの母、祖母の世代のままならなさへの
激烈な怒りにとらわれてしまいそうです。
本当の自由とは何か、責任をもって仕事に携わるとは
何か、いろいろなことを教えてくれました。
かなしいですが、読んだあと、真面目に強く生きていこうと
あらためて思いました。
できれば働き盛りの男性に読んでほしいです。
女性的な感性で世界をみるとはどういうことかが
ハッキリわかるからです。
本当に感動しました。

